親知らずは早めに抜かなくてはいけないと思っている方も多いのではないでしょうか。親知らずは生えてくる隙間が足りずに横や斜めになってしまいトラブルが出やすい歯です。しかし、実は親知らずでも抜かなくていい場合もあるのです。親知らずが噛み合わせにとって重要な場合は、抜いてはいけない時もあります。今回は親知らずを抜かなくていい人と抜いた方がいい人の判断基準をお伝えします。ぜひ参考にしてください。
1.親知らずを抜かなくていい綺麗な生え方
2.親知らずとは
2−1.親知らずは18歳臼歯
親知らずとは第三大臼歯のことです。6歳臼歯(第一大臼歯)、12歳臼歯(第二大臼歯)の奥に生えてくる18歳臼歯のことです。そのため親知らずが生えてくる20歳前後にトラブルも多くなります。
2−2.現代人は顎が退化している
硬いものを噛まず顎が退化してしまった現代では、親知らずが生えてくる顎のスペースがなくなることが多いようです。
2−3.20歳前後にトラブルが多い
親知らずが生えてくる20歳前後には、横や斜めに生えてきたり、歯茎が被っていたりして細菌が溜まり、歯茎が腫れて痛みが出るトラブルがでます。早めに親知らずを抜歯することによって、トラブルの原因を取り除いておきます。詳しくは「親知らずを20歳前後に抜いたほうがいい9つの理由と年齢別リスク」を参考にしてください。
2−4.親知らずを抜かなくていい人もいる
全ての人が親知らずを抜かなくてはいけないわけではなく、他の歯と同じように歯として機能している場合には抜かないこともあります。また、近年は親知らずがもともとない先天性欠如(せんてんせいけつじょ)の方も増えています。詳しくは「あなたの歯の本数は足りている?/近年増えている歯の先天性欠如」を参考にしてください。
3.親知らずを抜かないでいい人の基準
3−1.親知らずがまっすぐ生えている人
親知らずがまっすぐに生えている人は親知らずを抜かなくていい人です。多くの親知らずは横や斜めになり、親知らずの周りに細菌が溜まり、腫れや痛み、口臭の原因になります。親知らずがまっすぐ生えていれば、歯磨きがしやすいため、親知らずを抜く必要がなくなります。
3−2.親知らずに歯茎が被っていない人
親知らずに歯茎が覆いかぶさっていない場合は親知らずを抜かなくていい人です。親知らずは顎に並びきれず、歯茎が被り、腫れや痛みの原因となります。親知らずが歯茎に被らず、歯磨きができる状態であれば親知らずを抜く必要がありません。また、多少の歯茎の被りであれば歯茎を切除することによって親知らずを出すこともできます。
歯肉弁切除術についてわかりやすく動画にまとめましたので、こちらをご覧ください。
3−3.親知らずが上下噛んでいる人
親知らずの上下が噛んでいる場合は親知らずを抜かなくてもいい人です。親知らずがしっかり噛んで歯として機能している場合は親知らずを抜く必要がありません。特に前歯が噛んでいない開口(かいこう)の方は親知らずが噛み合わせにとって重要な方もいます。
3−4.上の3つが全て当てはまっている人
親知らずがまっすぐに生えていても歯茎の中に潜っている親知らずもあれば、噛み合う親知らずがすでに抜歯をして、上下どちらかの親知らずが伸びてきているものもあります。全ての条件が揃っている親知らずが抜歯をしなくていい方です。
3−5.親知らずの前の歯の神経がない人
歯の神経を失うと歯の寿命が短くなります。そのため親知らずの前の歯の神経がない場合は親知らずを活用するかどうか判断する必要があります。親知らずの前の歯の状態が悪いようであれば抜歯し、親知らずを矯正や移植によって使うようにします。詳しくは「歯の神経を抜く前に知っておきたかった7つのことと最新治療法」を参考にしてください。
3−6.親知らずの前の歯が大きな虫歯になっている人
親知らずが斜めや横向きになっていると歯と歯の間に細菌が残りやすく、親知らずの手前の歯が虫歯や歯周病になることがあります。手前の歯が神経まで達するような虫歯や重度の歯周病になってしまっている場合は、手前の歯を抜いて親知らずを残すことがあります。
3−7.親知らずが顎の深くにあり、歯や歯茎に影響が出そうもない人
親知らずが顎の奥深くにあるとほとんど歯や歯茎に影響がない場合があります。この場合無理に親知らずを抜かなくても問題はありません。もし、抜く場合は外科的に大きな処置になる場合もあります。
3−8.親知らずを抜きたくない人
親知らずは無理に抜く必要はありません。ただし、親知らずを残しておくことによって起こる将来的なトラブルをご自身で承知の上、抜歯をしないという選択をしてください。
4.抜いた方がいい人の基準
4−1.親知らずが横や斜めに生えている人
親知らずの手前の歯が健康で、親知らずが横や斜めに生えている人は早めに抜歯をしておいた方がいいです。親知らずは歯磨きをしっかりしていてもいつ腫れや痛みが出るかわかりません。特に女性の方は妊娠出産の時に痛みが出た時には抜歯がすぐにできないこともあります。親知らずが生え始める20歳前後に抜歯することをおすすめします。
頭が出ている親知らず抜歯の治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。
4−2.親知らずが原因で周りの歯や歯茎が虫歯や歯周病になりかけている人
親知らずの周囲には細菌が溜まり、手前の歯が虫歯や歯周病になりやすい環境です。手前の歯の病状が進行してしまうと手前の歯を抜歯するか、親知らずを抜歯するか、それとも両方の歯が使えるところまで使うかという選択をしなくてはならなくなります。手前の歯が治療できる範囲のうちに抜歯することをおすすめします.
横向きの親知らずによって手前の歯が大きな虫歯になっています。ここまで大きな虫歯になると手前の歯を抜歯し、親知らずを活用する必要があります。
4−3.親知らずが腫れや痛みを繰り返している人
親知らずは腫れや痛みが出ても時間が経てば落ち着き、また腫れや痛みを繰り返します。親知らずが腫れると口が開かなくなったり、顔の形が変わったり、口臭が強くなったり、日常生活に支障が出るほど腫れてしまうことがあります。腫れを繰り返すようであれば早期の抜歯をおすすめします.
親知らず抜歯の治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。
5.親知らずの活用方法
5−1.親知らずを矯正治療で移動させる
親知らずの手前の歯の状態が悪い場合は手前の歯を抜歯し、親知らずを移動させることによって、親知らずを歯として機能させます。全体的な矯正ではなく部分矯正で行うことができます。親知らずを手前の歯まで移動させることができれば新たな神経のある歯を作ることと同じになり、将来的に長く使えます。費用は5万円〜20万円程度です。
親知らずの手前の歯は神経のない歯になっています。歯が動きやすい20代くらいまでの年齢であれば歯の寿命を考えてできるだけ神経のある歯を噛み合わせに参加させるようにします。
写真は部分矯正の装置で親知らずを手前に持ってくる力と、落ちてきた6歳臼歯を元の位置に戻す力を加えています。
5−2.親知らずを移植する
状態の悪い歯を抜いて親知らずを移植することができます。親知らずの大きさと状態の悪い歯の大きさが近ければ、状態の悪い歯を抜歯し、親知らずを移植します。親知らずは抜歯の時に歯の神経を切断されてしまっているため、神経を抜く治療と冠を被せる治療を行います。保険診療の場合3割負担で1万円程度、自費診療の場合5万円〜15万円程度です。詳しくは「歯の移植!歯牙移植ができる5つの条件と費用、保険について」を参考にしてください。
歯牙移植の治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。
5−3.親知らずを入れ歯やブリッジの土台にする
親知らずの生えてくる方向がよければ入れ歯やブリッジの土台として使えることがあります。多くの歯を失っている場合は親知らずを入れ歯やブリッジの土台にして安定させることができます。
6.おすすめクリニック
池尻大橋の青葉歯科医院
東京都世田谷区池尻3-17-2-1F
http://www.aoba118.com/index.html
6−1.おすすめポイント
親知らず抜歯、インプラント、セラミック、マウスピース矯正など外科及び審美治療
詳しくは「親知らず抜歯の名医はここ!東京の青葉歯科医院で98%の抜歯が可能」をご覧ください。
6−2.おすすめ理由
渋谷区、世田谷区周辺の方は東急田園都市線の池尻大橋にある青葉歯科医院をおすすめします。親知らず抜歯の経験も豊富で横向きや骨の中に潜っている親知らずも丁寧に抜歯してくれます。深くにある親知らずの場合はCTレントゲンで位置を確認しもらえるため、安全に親知らず抜歯を行うことができます。
まとめ
親知らずがまっすぐに生え、歯として機能している人は多くはいないようです。もしそのような方はぜひ虫歯にしないように大切に使うようにしてください。他の人より4本も多く歯があるのです。親知らずがしっかり噛めれば多くの歯の負担を減らし、将来的にも長く歯が使える可能性が高まります。