前歯をオールセラミッククラウンにしたほうがいい7つの理由/費用と期間

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

前歯を治療する時、せっかく治療をするならきれいな前歯にしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。前歯の治療でおすすめなのがオールセラミッククラウンです。オールセラミッククラウンは金属を使わないために審美的に高い前歯にすることができるのです。今回は前歯をオールセラミッククラウンにしたほうがいい7つの理由と費用、期間についてお伝えします。ぜひ参考にしてください。

 

1.オールセラミッククラウンとは

オールセラミッククラウンとは金属を使わずセラミックだけで歯に被せ物をすることです。前歯では透明感のある自然な歯を再現し、奥歯では強度の高いセラミックを使うことによって、機能的にも審美的にも歯の機能を回復することができます。また、金属を使わないことによって金属アレルギーや歯茎の黒ずみを予防することもできます。

2.前歯をオールセラミッククラウンにしたほうがいい7つの理由

2−1.きれいな前歯は知的に見える

オールセラミッククラウンは人の見た目をも変えることができるセラミックです。前歯が黒く変色していたり、前歯の被せ物が黄色く劣化したりしては人と話していても説得力が低下してしまいます。きれいな前歯は知的に見え、相手に好印象を与えます。

2−2.透明感のある自然な歯にすることができる

オールセラミッククラウンの最大の特徴は自然の歯のような透明感を出した被せ物を作ることができることです。歯には神経があり、黄色っぽい象牙質と、歯の表面を覆っている透明なエナメル質があります。このエナメル質の透明感を自然に作ることができるのがオールセラミッククラウンなのです。

2−3.自分のしたい白さにできる

今まで自分の歯が黄色や灰色だったので、被せる時はきれいな歯の色にしたい、このようの要望にも応えられるのがオールセラミッククラウンです。周りの歯の色に合わせたい、周りの歯の色より少し白くしたいなど、色を自由に選択することができます。

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2−4.歯茎が黒くならない

金属を使う保険の差し歯やメタルボンド(金属の表面にセラミックを焼き付けたもの)の場合、金属が歯茎に漏れ出し、歯茎が黒くなってしまうことがあります。特に金属の土台を使うと歯茎が黒くなりやすいです。一度黒くなってしまった歯茎は刺青のようになり、被せ物を後から変えても、歯茎の色が戻らないのです。そのため前歯には金属を使わない治療をお勧めします。

2−5.金属アレルギーにならない

オールセラミッククラウンは金属を使わずに治療を行います。金属は水分があるところではイオン化し、いつも成分が漏れ出しています。そのため金属イオンが体の中に蓄積し、ある日突然金属アレルギーになることがあるのです。できるだけ口の中には金属を入れないようにしたほうがいいのです。詳しくは「お口の金属は大丈夫?金属アレルギーを悪化させないための7つの対策」を参考にしてください。

2−6.きれいな状態を長期間維持できる

オールセラミックは陶器の材料でできているため、色が変色したり、劣化することはありません。そのため長期間、変色もなくきれいな状態が維持できるのです。

2−7.精度が高く、虫歯になりにくい

現在のオールセラミッククラウンは3Dの光学カメラで撮影し、コンピュータで設計され、高い精度で作ります。オールセラミックはCAD/CAM(コンピュータ上で設計し、そのままの形を削り出す)システムを使います。その上で、歯科技工士が精度の高い調整や色付けをして作られます。そのため、虫歯になりにくいオールセラミッククラウンが出来上がります。

3.オールセラミッククラウンの費用と期間

3−1.前歯のオールセラミッククラウン9万〜18万円

前歯のオールセラミッククラウンは審美性を重視します。周りの歯や歯茎との調和を整えるため仮歯を入れて整えます。また、色を決めるために写真を撮って患者さんの希望の色になるようにします。治療回数は2〜5回程度です。

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おかざき歯科クリニックでは前歯のオールセラミッククラウンは土台1.5万円、仮歯0.5万円、クラウン12万円のものをおすすめしています。

3−2.小臼歯のオールセラミッククラウン7万〜18万円

小臼歯のオールセラミッククラウンは審美性と機能性を重視します。前歯ほどは審美性に重点を置きませんが、笑った時などは目立つ位置です。近い色を選び周りの歯に合わせます。治療回数は2〜5回程度です。

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おかざき歯科クリニックでは小臼歯のオールセラミッククラウンは土台1.5万、仮歯0.5万、クラウン7万〜9万のものをお勧めしています。

3−3.大臼歯のオールセラミッククラウン7万〜18万

大臼歯のオールセラミッククラウンは白さと機能性を重視します。大臼歯のオールセラミッククラウンは噛む力が強くかかるためジルコニアというセラミックを使います。ジルコニアは白いのですが透明感がないため、奥歯やブリッジの時によく使います。詳しくは「欠けないセラミック!ジルコニアのメリット・デメリット」を参考にしてください。

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おかざき歯科クリニックでは小臼歯のオールセラミッククラウンは土台1.5万、仮歯0.5万、ジルコニアのオールセラミッククラウン7万のものをお勧めしています。治療回数は2〜5回程度です。

*治療回数は土台、仮歯、型取り、つける時の回数です。歯茎の状態や根の状態によって変わります。

4.オールセラミッククラウンの治療法

4−1.神経がない歯はグラスファイバーの土台

神経のない歯は歯が割れにくいようにグラスファイバーの土台で補強します。歯の神経が無くなってしまうと、歯はもろくなり、金属など硬い土台を入れてしまうと歯が割れてしまうことがあります。特に前歯は歯が細いためにグラスファイバーの土台で歯を強化し、オールセラミッククラウンを被せて、歯、土台、冠を一体化させるようにします。詳しくは「前歯の差し歯の寿命が短くなってしまう7つの理由と対応策」を参考にしてください。

4−2.仮歯で歯茎の状態を整える

仮歯は冠を被せるまで見た目を回復させておくものです。もう一つの重要な役割は歯茎の状態を整える目的があります。せっかくきれいなオールセラミッククラウンを被せても、すぐに歯茎が下がってしまえば、見た目が悪くなってしまいます。仮歯で歯茎との調和を整え、最終的な被せ物を作ります。

4−3.オールセラミッククラウンの型取り

歯の形を模型にするするために、歯の型を取ります。正確な模型はオールセラミッククラウンの調整や適合の精度を高めます。

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4−4.最終調整と歯に付ける

出来上がったオールセラミッククラウンは口の中で最終確認し、調整してから歯につけます。1、2週間すると歯茎に馴染み、オールセラミッククラウンと歯茎が自然な形になってきます。

まとめ

前歯は人の印象を変えます。今後長い目で見ればオールセラミッククラウンで治療したほうが他の治療法で行うよりも、きれいで、安全で、長持ちする治療です。

おかざき歯科クリニックのセラミック治療の手順

セラミック治療

おかざき歯科クリニックでは、セラミックで精密な治療を行ない、極力やり直しを少なくして、


残っている歯を保存することをオススメしています。



正しいセラミック治療を行なって、本来の白い歯を取り戻しましょう。



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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

コメント

  1. かな より:

    はじめまして。私は重度の出っ歯なのですがそういう場合でもオールセラミックはオススメなのでしょうか?それともちゃんと歯茎から後ろに下げるようにブラケットで矯正した方がいいのでしょうか?悩んでます(>_<)

    1. 岡崎 弘典 より:

      そうですね。
      軽度であればオールセラミックでできたかもしれませんが、
      重度の出っ歯の場合、オールセラミックで治療をすると神経を抜く必要があります。
      また前歯を内側に入れるために歯の根と被せ物の角度が強くなり、歯が割れやすくなります。
      できれば矯正治療をお勧めします。
      一度矯正専門医に相談されてはいかがでしょうか。
      新宿の常盤矯正歯科医院がお勧めです。http://www.tokiwaoc.com

  2. 4人の母 より:

    2年前に産後10か月の時に歯性上顎道炎になり、左上6番.7番を抜歯しました。7番が、悪く妊娠中から毎週歯医者で歯の掃除をしてもらっていましたが、6番が原因だと言われました。
    その後義歯をつけていましたが、これ以上失わないためにもインプラントはどうかといわれました。
    ネットで親知らずの移植の方法があることを知り、右下親知らず(根が2本あり、真っ直ぐ生えている)を6番に移植しようかと自費治療の歯医者で相談中です。
    初めて先日受信した際、部分画像と相談代で2万円支払いました。
    この手術にかかる費用は20万で、その後の被せはまた別料金だそうです。
    40歳で、この部分の骨が薄く、親知らずの長さが長いのでなっているので、サイナリフトというほうほうで、めくって埋めるほうほうで、するという話でした。
    70%の確率の成功率だそうです。
    他院で相談したところ、2年かけてなおりつつある骨にまたわざわざ負担をかけて削り、移植するより、ご自身の顎にあった、ショートインプラントがオススメといわれました。6番に移植してその後部分矯正するか、インプラントして部分矯正するか、もしくは2本インプラント、6番を移植、7番をインプラントにするかとても迷います。もし、移植した場合、失敗とは予後にどんなことがおこり、その後インプラントが出来なくなってしまったりするのか、、、また手術が必要になるのか、、、心配です。
    身体の負担や、手術の成功率などトータル的に考えると、どうするのがベストなのかいろいろ調べるのですが、情報もたくさんあり、自身の知識もなく、わかりません。また値段もお医者様も何を信じてよいかわかりません。
    どうか、先生のお力、アドバイスをいただけないでしょうか?家が関西で、小さな子と他の子供の事を考えると、連れてそちらまで受診、通院となるとなかなか厳しいのでもし、可能でしたら、大変厚かましいお願いではありますが、こちらの方での先生をご紹介していただいたりとは可能でしょうか?どうぞ、よろしくお願いいたします

    1. 歯のブログ より:

      どうしても移植をしたいのなら別ですが、内容を見ると移植を絡める方が複雑になっているように思います。
      残っている骨の厚みにもよりますが、左上6番7番に2本のインプラントをソケットリフトという方法で行えれば、
      体の負担も少なく、費用や期間も短く治療ができるように思います。

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