虫歯の治療費一覧と治療前に知っておきたい治療法について

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

虫歯を治したいけれど治療費が心配な方も多いのではないでしょうか。虫歯の治療費は主に保険診療内の治療と自費診療とに分かれます。実は、虫歯治療のすべては保険診療で行うことができるのです。もちろん前歯も保険診療で行うことができます。だたし、保険診療の治療は機能の改善を目的としています。一方、自費診療では審美性や安全性の高い治療が行うことができます。今回は虫歯の治療費と治療期間をお伝えします。是非、参考にしてください。

虫歯の治療費一覧

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1.保険診療で行うことができる虫歯の治療法と治療費

診療費は初再診、レントゲン、保険点数の変更等で異なることがあります。

1-1.小さな虫歯をプラスチックで詰めるコンポジットレジンの治療費

保険診療3割負担の方で2,000円程度、日数1日

治療法

  • 歯の虫歯をすべて取り除きます
  • 隣の歯とくっつかないようにして、プラスチックを詰めます
  • 光をあてて、硬くします
  • 噛み合わせを調整して磨きます

コンポジットレジンは柔らかい樹脂で光を当てると固まる材料なので、入り口が小さく中で広がっている虫歯も大きく削らずに、虫歯だけを取り歯の部分を残して詰めることができます。また、保険診療ででき、色も白いため、安くきれいな治療法です。ただし、プラスチックのため数年すると黄色く変色してきます。詳しくは「一日で白く治せるコンポジットレジン/虫歯も欠けてしまった歯もその日のうちに元通り!」を参考にしてください。

コンポジットレジン治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

1-2.小さな虫歯に銀歯を詰める治療費

保険診療3割負担の方で4,000円程度、日数2日

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治療法

  • 虫歯を取って銀歯が入る形に歯を削って整えます
  • 歯型を取り、仮の詰め物をします
  • 翌週、銀歯を調整し、セメントで付けます

奥歯の歯と歯の間にできた虫歯に、歯を削って型を取り銀歯を詰める治療法です。機能的には問題はなく保険治療でできます。劣化が起こりやすいため数年すると歯と金属の間から虫歯になりやすくなります。

1-3.奥歯に銀歯を被せる治療費

保険診療3割負担の方で4,500円程度、日数2日

治療法

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  • 虫歯を取って金属が被る形に歯を削って整えます
  • 歯型を取ります
  • 翌週、銀歯を調整し、セメントで付けます

銀歯は保険診療内ででき、機能的には問題なく噛むことができます。ただし、金属の成分が歯や歯茎に浸透し、周りが黒くなりやすいです。

1-4.奥歯に白い硬化プラスチック(ハイブリットレジン冠)を被せる治療費

保険診療3割負担の方で6,000円程度、日数2日

ハイブリットセラミック治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

治療法

  • 虫歯を取ってハイブリットレジン冠が被る形に歯を削って整えます
  • 歯型を取ります
  • 翌週、冠を調整し、セメントで付けます

以前は自費診療だったハイブリットレジン冠が保険導入されました。保険で認められているのは小臼歯と下の歯の第一大臼歯のみ(2018年6月現在)で、白い歯を入れることができます。ただし、セラミックと違い4,5年程度経つと色が黄色くなってきますので、定期的にやり直す必要があります。

1-5.前歯に白い硬化プラスチックを張り付けた金属冠(レジン前装冠)を被せる治療費

保険診療3割負担の方で7,500円程度、日数2日

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治療法

  • 虫歯を取って冠が被る形に歯を削って整えます
  • 歯型を取ります
  • 翌週、冠を調整し、セメントで付けます

保険診療で行う前歯の被せものは、金属冠の表面にプラスチックを張り付けた被せものです。機能的には問題がありません。時間の経過とともにプラスチックの変色と、金属の漏れ出しによって歯茎が黒くなることがあります。

1-6.神経が無い歯を補強するプラスチックの土台の治療費

保険診療3割負担の方で1,500円程度、日数1日

治療法

  • 虫歯を全部取ります
  • プラスチックの土台を盛り上げます
  • 光をあてて、硬くします
  • 形を整え、被せる治療を行います

神経が無い歯は歯が割れるのを防ぐために土台で補強する必要があります。周りの歯がある程度残っていれば形を整え、プラスチックの土台を作ります。その後、被せる治療を行います。

1-7.神経がない歯を補強する金属の土台の治療費

保険診療3割負担の方で2,000円程度、日数2日

治療法

  • 虫歯を全部取ります
  • 金属の土台が入る形に整えます
  • 歯型を取ります
  • 翌週、土台をセメントで付け、被せる治療を行います

神経が無い歯で残っている歯の部分がほとんどない場合、金属の土台を入れる必要があります。金属の土台を入れた後は、被せる治療をしていきます。金属の土台はお口の中で劣化しやすく、歯茎が黒くなることがあります。

1-8.虫歯が深く歯の神経を抜く治療費

保険診療3割負担の方で4,000円程度、日数3日程度

抜髄治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

治療法

  • 麻酔をし、神経を抜く治療をします
  • 治療後痛みが出る場合があるので、痛み止めが処方されます
  • 根の中を何回か消毒します
  • 根の中に薬を詰めて、細菌が入り込まないようにします

虫歯が深くなり、強い痛みが出てきた場合には神経を抜く治療が必要です。根の先に膿の袋ができてやり直すことも多い治療です。成功させる重要なポイントは、ラバーダムをして根の中に細菌を感染させないようにすること、拡大鏡を使用して神経の取り残しをしないこと、緊密に薬で閉鎖することです。詳しくは「歯の神経を抜く前に知っておきたかった7つのことと最新治療法」を参考にしてください。

ラバーダムについてわかりやすく動画にまとめましたので、こちらをご覧ください。

1-9.虫歯で歯を抜く治療費

保険診療3割負担の方で3,000円程度、日数3日程度

治療法

  • 麻酔をし、歯を抜きます
  • 傷口を糸で縫い、傷口を小さくします
  • 翌日、止血を確認します
  • 翌週、糸を取ります

虫歯が進行しすぎると、歯を抜く治療が必要です。抜歯後はブリッジや入れ歯、インプラントで周りの歯がずれてこないように、噛み合わせを改善する必要があります。

1-10.抜いた後銀歯のブリッジを入れる治療費

保険診療3割負担の方で12,000円程度、日数2日程度

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治療法

  • 歯がない部分の前後の歯をブリッジが入る形に削る
  • 歯型を取る
  • ブリッジを調整して、セメントで付ける

ブリッジは歯のない部分の前後の歯を削って、金属を3本つなげて被せます。違和感の少ない治療法です。ただし、土台となる歯を大きく削る必要があります。詳しくは「歯のブリッジ治療をしたい人へのアドバイス」を参考にしてください。

1-11.抜いた後入れ歯を入れる治療費

保険診療3割負担の方で5,000円程度、日数2日程度

治療法

  • 歯がない前後の歯を入れ歯のフックがかかるように削る
  • 歯型を取る
  • 入れ歯を調整して、入れる

入れ歯は前後の歯にフックをかけて、自分で取り外しをして使うものです。前後の歯を削る量は少ないので、歯には優しい治療です。硬いものは噛むことができず、3割程度の物しか噛むことしかできません。詳しくは「部分入れ歯が必要な理由」を参考にしてください。

2.自費診療の虫歯の治療法と治療費

2-1.小さい虫歯をセラミックで治す治療費

自費診療3万円~5万円程度、日数1~2日程度

  • 麻酔をし、セラミックが入る形に歯を削ります
  • 歯の写真を撮り、3次元化します
  • 機械で削りだし、歯を作ります
  • 接着剤で付け、噛み合わせを調整します

セラミック治療は審美性、安全性、機能性に優れた治療法です。セラミックの材料が劣化しないために長期間使用することができます。詳しくは「セラミックの歯/彼らが銀歯にしない6つの理由」を参考にしてください。

セラミックの詰め物治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

2-2.セラミックでかぶせ物をする治療費

自費診療7万円~12万円程度、日数2,3日程度

  • 歯をセラミックが入る形に削り、仮歯を作ります
  • 歯の写真を撮り、3次元化します
  • 機械で削りだし、歯を作ります
  • 翌週、接着剤で付け、噛み合わせを調整します

セラミック治療は色の変化がないため長期間、きれいな状態が続きます。汚れも付きにくいために虫歯や歯周病にもかかりにくくなります。

2-3.セラミックのブリッジの治療費

自費診療27万円~40万円程度、日数3日程度

  • 歯が無い部分の前後の歯をブリッジが入る形に削り、仮歯を作ります
  • 歯型を取ります
  • 翌週、ブリッジを調整し、接着剤で付けます

ジルコニアという材料を使うことによって、金属を使わずにセラミックのブリッジができます。汚れも付きにくく、見た目にもきれいです。

2-4.インプラントの治療費

自費診療30万円~40万円程度、期間3~4か月程度

  •  歯がない部分の骨にインプラントを入れます
  • インプラントと骨が固まるのを待ちます
  • 歯型を取り、インプラントの上に土台と冠を付けます

インプラントは歯がなくなった骨に人工の歯根を入れることです。残っている歯の負担を軽減でき、周りの歯を残すためにはいい治療法です。ただし、骨粗鬆症や重度の糖尿病の方は出来ない場合もあります。詳しくは「初めてのインプラント治療ガイド」を参考にしてください。

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おかざき歯科クリニックの基本情報

ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
                     土          9:00~13:00 14:00~18:00 
     木・日・祝日:休診日

院長経歴

岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

 まとめ

歯は削れば削るほど悪くなります。治療のたびに自分の歯は失われ、再治療を繰り返します。もっとも費用を安くできるのは予防歯科です。是非、虫歯が出来てから治す治療ではなく、虫歯を作らない予防歯科への転換を早くすることが、お金をかけず、健康で過ごせる秘訣です。

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おかざき歯科クリニックでは最大限抜歯を回避する治療理念のもと治療を進めていきます。


根の治療の正確さによって歯の寿命が大きく変わってしまいます。


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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

コメント

  1. 鈴子 より:

     2年以内に同じ歯の治療には保険がきかないのですか?右奥歯が痛いので歯科医に行くと1年半前に同じ歯を治療・かぶせをしてるので、保険が効かないからセラミックにするように勧められました。土台をする時点で有料にしたら丈夫だと勧められましたが保留にして帰ってきました。2年以内に同じ歯の治療をするのに保険が効かないのは納得がいきません。歯科医を変わると2年以内か否かわからないと思います。それに、2年以内に痛み出すのは、治療の仕方が悪かったのでは・・・・。
     2月にも2万円の土台を入れなければダメだと言われ治療した歯も1年半を待たずして、抜歯しなければいけませんと言われ抜歯しました。
     歯科医を変わろうかと思うのですが、どうなんでしょうか?どこの歯科医もこんなものでしょうか?
    68歳です。そんなに高額の医療費を払っても、歯の寿命もそろそろだとおもうのですが?
     お返事をいただければ参考にしたいとおもいますので、よろしくおねがいします。
     

    1. 歯のブログ より:

      2年以内で被せ物の治療を行なった場合,歯医者が補綴物維持管理の届け出を行なっていれば、再治療ができないのではなく保険請求ができないだけです。
      通常は歯医者側が負担をしなくてはいけないということです。
      また、他の歯医者に行った場合は2年以内でも、保険診療内で被せ物の治療を受けることができます。

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