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乳歯がおかしい?乳歯に起こる歯や歯茎、噛み合わせの全ての異常と対応策

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子供の乳歯の形がおかしかったり、なかなか出てこなかったりして心配になる親御さんも多いのではないでしょうか。そのままにしていいのか、すぐに歯医者に行ったほうがいいのか迷いますよね。今回は乳歯に起こる歯や歯茎、噛み合わせの異常についてお伝えします。また、その後の対応策についてもお話ししますので、ぜひ、参考にしてください。

1.乳歯に起こる歯の異常

1−1.乳歯と乳歯がくっついている癒合歯(ゆごうし)

隣同士の歯と歯がくっついて1本の歯のようになってしまったものを癒合歯と呼びます。乳歯では多く4%程度の確率で認められます。癒合歯の原因は未だはっきりと解明されていません。母親のお腹の中にいる胎児の時に乳歯の卵が作られその時にくっついた状態になったと言う説が一般的です。写真は下の歯の前歯が本来4本あるところが、2本ずつ癒合歯となり、ハート形になっている状態です。

対応策

乳歯の間はそのままで大丈夫です。くっついている隙間の溝に汚れが溜まるようであればシーラントをします。永久歯との交換の際、下から生えてくる永久歯の隙間が足りなかったり、うまく生え変わらない場合があります。定期的な歯医者での観察が必要です。詳しくは「ママ必見!!子供の癒合歯(ゆごうし)に起こる3つのリスクと対応策」を参考にしてください。

1−2.乳歯が多い過剰歯(かじょうし)

過剰歯とは正常な歯の数より多くある歯のことです。子供の乳歯は20本、これよりも多くある歯を過剰歯と呼びます。歯が作られるとき、顎の骨の中で歯の卵(歯胚・しはい)が余分に作られたり、 何かの原因で二つに分かれたりすることで過剰歯ができます。女性よりも男性に多く、今のところ原因はわかりません。乳歯よりも永久歯に多く見られ、永久歯の上顎の前歯の真ん中(上顎正中過剰歯・じょうがくせいちゅうかじょうし)に一番多く出てきます。形は正常な歯より小さいものが多く、数は1本が多いようです。写真は永久歯の過剰歯が生えてきて、乳歯が早くに抜けてしまった状態です。

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対応策

乳歯の過剰歯はそのまま経過を見ることが多いです。永久歯の過剰歯によって乳歯が早く抜けてしまうことがあります。下から生えてくる永久歯の歯並びに影響しないタイミングで抜歯する必要があります。詳しくは「過剰歯がお子さんに見つかった時は抜歯したほうがいい」を参考にしてください。

1−3.乳歯が少ない先天性欠如(せんてんせんせいけつじょ)

歯の先天性欠如とは本来あるべき歯がないことです。乳歯の場合は下の前歯に多く、先天性欠如によって、歯にすき間が大きくなったりします。乳歯が作られるときに歯の卵のようなもの(歯胚・しはい)が作られますが、何かの理由で歯胚が出来ない場合は先天性欠如となります。写真は下の前歯が本来4本あるところが3本しかない方です。

 

対応策

乳歯の先天性欠如はそのままで大丈夫です。永久歯の交換の時に永久歯の歯が生えてくる隙間が足りなくなることがあります。永久歯の前歯に凸凹が出てくる場合や、隙間がなく永久歯が出てこれない場合は、矯正で顎を広げる治療が必要になります。詳しくは「あなたの歯の本数は足りている?/近年増えている歯の先天性欠如」を参考にしてください。

1−4.乳歯の形がおかしい切歯結節(せっしけっせつ)

切歯結節とは主に上の前歯の裏に突起のようなものがあることです。歯が顎の中で出来上がる過程で過剰歯がくっついたり、歯の奇形が起きたりして出来ます。原因は不明です。切歯結節によって噛み合う下の前歯がねじれたり、歯の位置がずれてしまうことがあります。写真は前歯の裏側にある突起の部分が切歯結節です。

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対応策

乳歯の間はそのままで大丈夫です。永久歯の交換の時、下の永久歯の方が早く交換するため切歯結節によって永久歯がずれてしまうことがあります。必要であれば切歯結節を少し削って、永久歯のずれを少なくします。切歯結節の歯が抜ければずれた歯が元に戻ることが多いです。

1−5.乳歯の色がおかしいエナメル質形成不全

歯の表面のエナメル質が何らかの原因で、先天的に影響を受けて、上手く作られなかった歯のことを、エナメル質形成不全と言います。他の歯と比べて歯の質が弱かったり、柔らかかったりするので、虫歯になりやすく、進行も早いです。写真の左右の一番大きい歯が変色している状態がエナメル質形成不全の歯です。 

対応策

自宅では歯磨きとフッ素洗口、甘いものの管理を行います。歯医者では月に1回程度高濃度のフッ素を塗り固くしていきます。ボロボロと崩れてきてしまうようであればコーティング剤で固くします。詳しくは「お子さんがエナメル質形成不全と言われたら知っておきたいこと!!」を参考にしてください。

1−6.乳歯に穴が空いている虫歯

乳歯は永久歯と比べると歯が柔らかく、虫歯になりやすかったり、虫歯の進行が早かったりします。また治療をしても詰め物が取れやすかったり、神経が近いので後から死んでしまうこともあります。

対応策

歯医者での治療が必要です。年齢が低い間は高濃度のフッ素で進行を止めます。治療ができるようであれば虫歯を取って、プラスチックを詰めます。また、虫歯ができないように定期的に歯医者でのフッ素塗布が必要です。
乳歯には予防歯科が最も重要です。仕上げ磨き、フッ素洗口、デンタルフロスにて予防をします。また、甘いものの管理も重要です。詳しくは「乳歯の虫歯について母親が知っておかなければいけない6つこと」を参考にしてください。

1−7.乳歯の色が黒く変色

乳歯の前歯が気がついたら黒くなっていることがあります。これはなんらかの原因で神経が死んでしまっている状態です。原因として多いのは前歯をぶつけた衝撃で神経が死んでしまうことです。写真は右上の前歯が白く変色している写真です。

対応策

歯の根の先に膿が溜まって歯茎が腫れるようであれば根の治療をします。黒くなっているだけで症状がなければそのまま生え変わりまで待ちます。永久歯の生え変わりの時、早く抜けてしまったり、なかなか抜けなかったりすることもありますので、定期的に歯医者での観察が必要です。

1−8.乳歯の歯が茶色い着色

前歯が茶渋や食べ物の色素で茶色くなることを着色と言います。着色自体は特に悪いものではありません。その原因がプラークであったり、口呼吸によってこびりついてしまった汚れの場合は口の中の環境を改善してあげる必要があります。写真はプラークによって歯に着色がたくさんついてしまっている状態です。

対応策

そのままでも大丈夫です。気になるようであれば歯医者で落としてもらってください。しかし、押さえつけてまで落とすものではないので、できるようになってからで十分です。自宅ではベトベトした甘いお菓子などを減らし、仕上げ磨きをしてあげてください。

2.乳歯の時の歯茎の異常

2−1.前歯の筋が太い上唇小帯強直症(じょうしんしょうたいきょうちょくしょう)

上唇小帯強直症は上の前歯の真ん中にある筋が、太く短いことです。それによって前歯の隙間が広がったり、歯磨きの時に傷を付けてしまったりします。写真は上唇小帯強直症によって、上の前歯の歯茎がいつも引っ張られ白くなっている状態です。

対応策

乳歯の時にはそのままにしておきます。自然に切れたり、外傷などによっても切れて短くなることがあります。前歯が永久歯になった時に歯並びに影響がある場合は切ることがあります。詳しくは「上唇小帯はいつ切る?永久歯の歯並びによって決まる」を参考にしてください。

2−2.舌が上に上がらない舌小帯強直症(ぜつしょうたいきょうちょくしょう)

舌小帯強直症は舌と舌の前歯の裏側の筋が短いために舌が上に持ち上がらない状態です。舌が上に上がらないと発音がしにくかったり、口呼吸になりやすかったり、噛み合わせがうけ口になりやすかったりします。

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対応策

小学生くらいになって理解できるよになってから、舌を持ち上げるトレーニングをします。舌小帯が伸びて舌が正しい位置に来るようになります。しかし、トレーニングをしても短く、歯並びや発音、呼吸に影響が出る場合は切ることがあります。詳しくは「舌小帯が短いと受け口になる/切らずに伸ばす方法」を参考にしてください。

2−3.歯茎が腫れている歯肉炎

乳歯の時の歯肉炎は汚れが溜まって起こることもありますが、風邪をひいたり、熱が出たり体調の不良によって大きく腫れてしまうことがあります。特に乳幼児では歯を覆うくらい腫れてしまうこともあります。

対応策

小児科で病気の有無を調べてください。体の状態が改善すれば、歯肉炎も改善することが多いです。お口の中は不潔にしないように柔らかいガーゼで歯茎を傷つけないように汚れをふき取ってください。詳しくは「危険!赤ちゃんの歯磨きで絶対してはいけない2の事と正しい歯磨き法」を参考にしてください。

2−4.乳歯の根元が腫れている歯肉膿瘍(しにくのうよう)

歯肉膿瘍は乳歯が虫歯や治療後の歯に起こる歯茎の腫れです。歯の神経が死んでしまい、それが感染源となり、歯茎が腫れてしまいます。

対応策

乳歯の根は永久歯によって溶かされてしまうので、根の治療をしても繰り返し腫れてしまうことがあります。一時的には根の治療を行いますが、永久歯に影響しないタイミングで抜歯が必要なことがあります。

3.乳歯の時の噛み合わせの異常

3−1.乳歯がすり減っている咬耗(こうもう)

歯ぎしりによって歯が磨り減ることを咬耗と言います。乳歯は永久歯より柔らかいため歯ぎしりによって、歯が磨り減りやすい傾向にあります。また、強い歯ぎしりや食いしばりによって痛みを訴えることもあります。写真は乳歯の前歯の咬耗している状態です。歯が薄くなって中の象牙質の色が見えています。

対応策

乳歯の時にはそのままにします。乳歯の時は顎の関節や顎の大きさが広がり、噛み合わせが日々変わってきます。それに対応するために歯を擦り減らして、噛み合わせを安定させているとも言われています。また、ストレスなどを軽減させてあげることも重要です。6歳臼歯が生えて噛み合わせが安定してくると落ち着いてくることがあります。

3−2.乳歯の噛み合わせが逆の受け口

受け口は上顎よりも下顎の方が前にある状態です。本来、上顎は頭の骨についているため先に成長し、後から下顎の成長があります。そのため受け口の方は治療をしても戻ってしまうことがあります。

対応策

そのまま経過を見ます。心配であれば乳歯の時でも一時的にムーシールドという装置で改善します。タイミングとしては前歯が永久歯に交換するとき改善しなければ、矯正治療をお勧めします。詳しくは「反対咬合の治療をするタイミングと年齢別の治療方法/注意点」を参考にしてください。

3−3.乳歯が凸凹している叢生(そうせい)

乳歯の叢生は歯が凸凹し重なり合っていることです。一般的には乳歯の歯と歯の間には隙間があることが多いです。ただし、乳歯が生えてきてから、顎の成長が起こるので徐々に隙間が出来てくることもあります。写真は下の前歯が凸凹している状態です。

対応策

物を噛む癖や下唇を噛んだり、飲み込む時に下唇に力が入っている癖があると叢生になりやすいです。口の周りの筋肉が顎の成長を妨げてしまうことがあるのです。自然な成長をさせるために癖は取っておいたほうがいいです。

3−4.前歯がかみ合わない開口(かいこう)

乳歯の開口は噛んでいるのに前歯が噛み合っていないことです。哺乳瓶や指しゃぶりなどによって起こることがありますが、やめれば治ることが多いです。

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対応策

指しゃぶりなどを長期間続けると顎の形が変わってきてしまうことがあります。4歳前後で止めるようにしたほうがいいです。また、開口によって口呼吸や舌を出す癖の舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)などの癖が加わると治りにくくなってしまいます。詳しくは「指しゃぶりが子供の歯並びやお口の機能に与える7つの影響と対応策」を参考にしてください。

4.外傷による乳歯の異常

4−1.ぶつけて乳歯が割れた

転んだり、ぶつけたりして前歯の乳歯が割れてしまうことがあります。写真は右上前歯が大きく割れてしまっている状態です。

対応策

歯医者で割れた乳歯の破片があれば、接着剤でつけます。なければプラスチックで詰めます。また、割れ方が大きいようであれば被せ物をする場合もあります。最終的には生え変わるために、虫歯の進行がなければそのままにする場合もあります。

4−2.ぶつけて乳歯が揺れている

転んだり、ぶつけたりして前歯の乳歯が揺れてしまったり、位置がずれてしまうことがあります。写真は前歯が2本内側にずれてしまっている状態です。

対応策

歯医者でレントゲンを取って、揺れている状態を確認します。必要があれば位置を戻してワイヤーと接着剤で固定をします。固定は2週間程度で除去します。また、永久歯との交換の時期で揺れている場合には自然に抜けるのを待ちます。

4−3.ぶつけて乳歯が抜けた

転んだり、ぶつけたりして前歯の乳歯が抜けてしまうことがあります。写真はぶつけたあと前歯が抜けてしまった状態です。

対応策

歯医者でレントゲンを取って破片が残っていないか確認します。残っていても永久歯が出てくるときに溶けてしまうか、一緒に出されてしまうので問題はありません。永久歯の場合は抜けた場所に戻しますが、乳歯の場合は抜けたままにすることが多いです。

参考記事

乳歯の生え変わりの時、歯並びを悪くしないための対処法

まとめ

乳歯は成長過程の顎の上にある歯です。噛み合わせの変化や永久歯の生え変わりによって、そのままにしていい場合と永久歯に影響が出てしまう場合もあります。定期的に歯医者で検診を受け、必要な時に歯医者での処置をしてもらってください。

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