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指しゃぶりが子供の歯並びやお口の機能に与える7つの影響と対応策

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なかなか急には止めさせるのが難しい子供の指しゃぶり。「指しゃぶりによって悪い影響あるのではないか」「やめられなくなってしまったらどうしよう」と心配されているママやパパは多いのではないでしょうか。確かに指しゃぶりのような習慣が長く続けば、歯並びへの影響が心配です。歯並びが悪いまま成長してしまうと、見た目も気になりますが話し方がかわったり食べ物をよく噛めなくなってしまうなどお口の機能にまで影響してしまいます。では、指しゃぶりは一体いつまでに止めさせればいいのでしょうか。今回は子供の指しゃぶりについて詳しくお伝えします。

1.指しゃぶりはいつから始まる?

赤ちゃんが指をしゃぶる姿は,ほほえましく可愛いものです。実は、ママのお腹の中にいる胎生期にもうすでに赤ちゃんは指しゃぶりを始めています。生まれてからも1~2歳まではその「吸う」本能が残っているため,ごく普通に見られる習慣です。

2.指しゃぶりの原因は?

原因は大きく分けると「眠気」と「寂しさ」です。2つに共通するのは子供が心を落ち着かせたい、安らぎを得たいと思っているタイミングに無意識のうちに指しゃぶりを始めてしまうということです。

2-1.眠くなっているサインの一つ

子供は眠くなると心を安らげるために、ママのおっぱいをのんでいる状態と同じような状況を求めます。多くの子供が親指を吸うのは、簡単に口に運べ、乳首と大きさが同じくらいで吸いやすい形をしているからです。おっぱいに代わるものとして自分の親指を吸います。

2-2.寂しさをまぎらわす精神安定剤

寂しくなると精神的に少し不安定になり、心の隙間を埋めるために指しゃぶりをして落ち着こうとします。指しゃぶりが一種の精神安定剤の役割をしています。大きくなってからも残っている指しゃぶりの原因は親子関係や家庭環境でのストレスだという説もありますが、こういった安らぎをえるための幼児期の指しゃぶりが単なる癖として残っているケースがほとんどです。

3.指しゃぶりが歯並びやお口の機能に与える7つの影響

指しゃぶりをすると歯やあごに強い力が、毎日多数回、毎回数十分ずつ、加わっていることになります。とくに睡眠時には数時間連続して指しゃぶりをしていることが多く、トータルで加わる力はとても大きなものになります。口や顔に大きな成長変化がみられる5歳過ぎまで、指しゃぶりの力が加わり続けると歯並びやあごの変形につながります。また、指しゃぶりでお口の形態が変化してしまうと、呼吸、発音、噛む、飲み込むなどのお口の働きも正常に機能しなくなってしまうことが多いのです。

3-1.前歯が噛みあわなくなる(開咬・かいこう)

図1mm

開咬とは、上下の歯をかみ合わせたとき、前歯の間に隙間があいていて、かむことのできない状態です。指しゃぶりの時に上下の前歯で指を噛んでいるため、この隙間ができやすくなります。

3-2.出っ歯になる(上顎前突・じょうがくぜんとつ)

しゃぶっている指が上の前歯を持続的な力で押していることが多いため出っ歯になってしまいます。

3-3.上下の奥歯が横にずれて中心があわない(交叉咬合・こうさこうごう)

指を吸うと、頬の筋力で奥歯が内側におされ、上の歯列の幅が狭まります。それによって下の歯列との大きさのバランスが崩れ、かんだときに前歯の中心が合わなくなります。

3-4.舌たらずな話し方になる

指しゃぶりにより上下の前歯の間に隙間ができてしまうため、話している時に舌が突出して、舌たらずな話し方になります。サ・タ・ラ行が上手に発音しにくくなり、唾液も飛びやすくなります。歯並びを治したり、舌の訓練をして話し方の癖を治療する必要があります。

3-5.唇がめくれた様に見える

指しゃぶりの力は歯並びをかえるだけでなく、あごの発達にも影響します。指しゃぶりの時に上下前歯の歯で指を噛んでいるため出っ歯になりやすく、口元が出て上唇がめくれやすくなります。歯並びの治療だけでよい場合と、あごの骨格矯正も必要になる場合があります。

3-6.くちゃくちゃと食べるようになる

前歯で物が咬めなくなり、口を開けたままで、音をたてて食べることが多くなります。また、前歯の間から舌を押し出すように食べ物を飲み込むようになります。歯並びを治療して前歯で物をかめるようにし、舌の訓練をして飲み込む運動を正常にもどす必要があります。

3-7.口呼吸になる

出っ歯になったり前歯が噛みあわない開咬(かいこう)になったりすると、口が閉じづらくなっていつも口をあけているようになります。口呼吸は、指しゃぶりの習慣だけでなく、鼻の疾患により鼻呼吸がしにくい場合もおこります。そのため、状態によっては歯科だけでなく耳鼻科でも治療方法をご相談することをお勧めします。詳しくは「口呼吸によって起こる9つの危険と6つの改善方法」を参考にしてください。

4.指しゃぶりはいつまでOK?年齢別の対策

まだ乳歯しか生えていない3歳くらいまでの指しゃぶりであれば永久歯の歯並びには影響しません。5歳を過ぎても止められていないとあごの骨格に影響してしまうことがあり、永久歯に生え変わるときにも同じように歯並びが悪くなってしまうことがあります。大人の言うことをある程度理解してくれる3歳頃から少しずつ止めるよう働きかけを始めましょう。4歳半~5歳までに指しゃぶりをやめられれば,乳歯の歯並びが悪くなっていても、永久歯の歯並びは正常に戻る可能性があります。指しゃぶりは,永久前歯の生え替わりまで持ち越さない方が良いでしょう。

4-1.1歳~3歳頃の子供への対応

3歳くらいまでの指しゃぶりは,赤ちゃんの時の「吸う」という生まれながらの生理的な欲求のなごりです。この時期の指しゃぶりは,あまり神経質になる必要はありません。温かく見守りましょう。

4-2.3歳~5歳頃までの子供への対応

指しゃぶりは3歳を過ぎると,保育園・幼稚園の入園などをきっかけに,自然にやめることがあります。これは,子ども自身の友だちづきあいが広がり,社会性が芽生えていろいろなことに興味を示すようになるからです。指しゃぶりをしている姿を,友だちに見られるのは恥ずかしいという意識も出てきます。指しゃぶりを自然にやめない場合は「○歳のお誕生日会までにはやめようね」などと少しずつ言い聞かせていき、皆の前で指しゃぶりをやめる約束をするきっかけづくりも効果的です。

4-3.5歳過ぎの子供への対応

この時期の指しゃぶりは,自然にはなくなりにくくなります。そのため積極的にやめさせるような働きかけが必要になります。 一度やめた指しゃぶりが再び始まった場合,生活環境などに問題があることも考えられます。それを取り除く努力をすることで,指しゃぶりの回数が徐々に少なくなることもあります。心理的にも環境的にも問題がない場合には,単に頑固な癖として残っていることも多いので歯科医に相談し,指しゃぶりをなくすようにしましょう。

5.指しゃぶりをやめさせるために家庭でできること

  1. 指しゃぶりしないよう言葉で注意する
  2. 外遊びや運動をさせる
  3. しゃぶらなければ褒めてあげる
  4. 寝るときは、本を読んであげたり、寝つくまで手をにぎってあげる
  5. 眠りながら指しゃぶりをしていたら、はずしてあげる
  6. 指サック、指人形、手袋を指にはめる

6.変わってしまった歯並びをどう治療すればいいのか

6-1.全ての歯が乳歯の時期の治療(~6歳頃)

まずは、指しゃぶりをやめさせるトレーニングをします。5歳頃までにやめられれば,あごの骨格への影響もあまり心配いりませんし、乳歯の歯並びが悪くなっていても、永久歯の歯並びは正常に戻る可能性があります。指しゃぶりの癖がひどい場合は、お子様の爪に苦味成分の入ったマニキュア(バイターストップ)を塗ったり、取り外しのできる装置を歯科でいれたりして止めさせることもあります。

6-2.永久歯が数本生えている時期の治療(6歳頃~11歳頃)

指しゃぶりで歯列やあごの成長に異常があるようであれば、通常この時期から矯正歯科医の治療が始まります。この時期に治療を始めれば大きな矯正装置は必要ないことが多いです。MFT (筋機能療法)という舌やお口の周りの筋肉を鍛えるお口のリハビリテーションを行います。正しい筋肉の使い方を習慣化させ、舌や口唇、口の周りの筋力を強化したり、食べ方や話し方の訓練をします。

MFT (筋機能療法)とは

歯並びが悪くなる原因はお口の周りの筋肉や舌の異常な動きによってほとんどが起こります。正しい飲み込み方や筋肉の使い方をして歯並びを治したり、矯正治療後に後戻りさせないようにするためのトレーニングです。

6-3.全て永久歯の時期の治療(11歳頃~)

あごの成長と歯並びのバランスを考えて、矯正治療をします。あごの発育のバランスが悪い場合で、まだ身長が伸びているような成長期であれば、あごの骨格を正しい方向へ成長するよう誘導します。すでに成長期がおわってしまっていれば、あごのバランスを良好に誘導するということは出来ないので、歯を移動して、しっかりかみ合うようにします。

まとめ

小さい頃の指しゃぶりは生まれながらのなごりで問題はありませんが、5歳を過ぎても続く場合、歯やあご、お口の機能に影響してくる可能性があります。止めさせる上で一番大切なのは、子供と同じ目線で話し、子供自身が止めたいと思える環境作りです。頭ごなしに叱らず、まずは「指しゃぶり=悪いこと」だと認識させ、「ママやパパと一緒に頑張ってやめようね」と優しく止めることを勧めましょう。また少しでも指しゃぶりをしていなければ、それを褒めてあげること。子供は褒められて嬉しくなれば、また褒められることをしようとするものです。それでもなかなか素直に止める意思を持ってくれない場合は、歯科医だけでなく育児センターや小児科へ相談するのも良いかもしれません。

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