歯のブログを書く私が勧める歯医者一覧

過剰歯がお子さんに見つかった時は抜歯したほうがいい

free

子供の前歯の乳歯が早く抜けたり、永久歯の前歯がなかなか生えてこない時、それは過剰歯かもしれません。

過剰歯はそのままにしておくと歯並びを悪くしたり、永久歯が出てくるのを邪魔したりする余分な歯です。

抜歯をしなくてはいけないことが多く、子供にとって始めての麻酔で不安も多いと思います。

このページでは過剰歯について詳しくお話します。不安の一端が解消できればと思います。

過剰歯は生えてくる方向によって抜歯の時間や痛みの強さが大きく変わってきます。

過剰歯の発生確率は3%と高く、よく見られるもので、今回は特に子供の歯並びに影響の大きい正中過剰歯(せいちゅうかじょうし)についてお話ししますので、ぜひ参考にしてみてください。


1.過剰歯とは

過剰歯は本来余分な歯でいらない歯と思ってもいい歯です。そして、とてもリスクのある歯なので、早くに抜歯することが多いのです。

過剰歯とは正常な歯の数より多くある歯のことで、子供の乳歯は20本、大人の永久歯は親知らずを含めて32本、これよりも多くある歯を過剰歯と呼びます。歯が作られるとき、顎の骨の中で歯の卵(歯胚・しはい)が余分に作られたり、 何かの原因で二つに分かれたりすることで過剰歯ができます。女性よりも男性に多く、原因は今のところわかりません。乳歯よりも永久歯に多く見られ、永久歯の上顎の前歯の真ん中(上顎正中過剰歯・じょうがくせいちゅうかじょうし)に一番多く出てきます。形は正常な歯より小さいものが多く、数は1本が多いようです。

図12

2.過剰歯を抜歯したほうがいい6つの理由

子どもに過剰歯が見つかると歯医者で抜歯をすすめられることが多いと思います。それは過剰歯には多くのリスクがあるからなのです。

images (6)2-1前歯の永久歯が出てこない

過剰歯があると乳歯が抜けても永久歯がなかなか出てこないことがあります。これは過剰歯が上顎の真ん中にあることが多く、その場所に生えてくるはずの永久歯が骨の中に止まって出てこれないのです。

例えば片方の前歯の永久歯が出ているのに、もう片方は出てこない、こんな時はレントゲンで過剰歯がないか確認してもらってください。もし過剰歯が見つかれば、抜歯すると出ていなかった永久歯は自然に出てきます。

DSC_00522-2前歯の歯と歯の間が開いてしまう

過剰歯があると永久歯の前歯と前歯が開いてすきっ歯になることがあります。過剰歯が永久歯より先に上顎の真ん中にあるため、後から生えてくる永久歯が、過剰歯をよけて生えてくるため、前歯と前歯の間が開いてしまいます。

過剰歯がなくても永久歯はすきっ歯で出てきますが、奥の歯が出てくるに連れて前歯のすき間は閉じてきます。糸切り歯(犬歯)が生えても前歯が閉じないようであれば、過剰歯がないか確認してもらってください。

2-3永久歯の根を溶かしてしまう

過剰歯がある場所が悪くて、永久歯の根の方向に過剰歯が食い込んでくると、永久歯の根は徐々に溶けてしまいます。過剰歯の頭の部分は硬いエナメル質でおおわれていますが、永久歯の根の部分は柔らかい象牙質で、過剰歯が根に食い込んでくると永久歯の根の方が溶けてしまい、永久歯が揺れてきたり、神経が死んでしまうことがあります。

2-4過剰歯の周りにのう胞ができる

過剰歯が骨の中にとどまると、過剰歯の周りを取り囲むような袋(含歯性のう胞・がんしせいのうほう)ができることがあります。この袋が大きくなると永久歯の根を圧迫し、溶かすことがあります。

2-5過剰歯が鼻の空洞に生えてくる

逆さ向きの過剰歯(逆生)は、どんどん鼻の奥の方へ進み鼻の空洞へ出ることがあります。他の歯と同じ方向に生えてくる過剰歯(順生)はお口の中に生えてきますが、逆生は骨の中に潜る方に進んでしまうため、最後は鼻の空洞に生えることがあります。ただし、ほとんどは骨の中で止まってしまうことが多いようです。

2-6永久歯の根の先から細菌が入り込む

永久歯が虫歯になって神経が死んだとき、根の近くに過剰歯があると、細菌が過剰歯についてしまい、大きく腫れることがあります。こうなると永久歯の根の治療だけでは治らないので、過剰歯ごと抜歯をしなくてなりません。

3.過剰歯を抜くか抜かないかの判断は

過剰歯を抜くか抜かないかの判断は正常な永久歯に悪さをするかしないかです。歯並びを悪くしたり、永久歯の根を溶かしたりするようであれば、早めに抜歯した方がいいでしょう。永久歯に悪さをしないようであれば抜歯をせずにそのままにすることもあります。骨の中に止まっていることもあるからです。

また、大人になってからの抜歯は過剰歯が骨の深くに進んでいたり、骨が固くなったりして、子供の時に抜歯するよりも大変になることもあります。

過剰歯を抜歯せずに残しておく場合は周りに悪さをしていないかを定期的にレントゲンで確認してあげてください。

4.個別ケース

・他の歯と同じ方向に向かって生えている過剰歯の抜歯

子供が4歳くらいに乳歯の前歯が早めに抜けたり、6歳くらいに小さい永久歯が生えて来た時に気づくことが多い過剰歯です。

過剰歯が他の歯と同じ方向(順生)を向いている過剰歯で、待っていると生えてくることもあるので、歯並びの邪魔をしないようであれば待ってから抜歯します。生えていれば抜歯をする時間は5分程度で乳歯の抜歯と変わりませんし、痛みもほとんどありませんが、心配であれば麻酔が切れる前に痛み止めを一度飲んでおくと安心です。

また、歯ぐきの中で止まってしまいなかなか出てこられず永久歯が生えてくる邪魔をする場合は少し歯ぐきを切って抜歯します。この場合も抜歯時間は15分程度であまり痛みを感じないことが多いようです。

・他の歯と逆の方向に向かって生えてくる過剰歯の抜歯

過剰歯2

子供が7歳くらいに永久歯の前歯がうまく生え変わらなかったり、前歯と前歯の間がすきっ歯になったりして気づくことが多い過剰歯です。

過剰歯が他の歯と逆の方向(逆生)に向いて生えている過剰歯は、自然には出てこれません。徐々に歯ぐき中の深い方向へ進んで行ってしまうので、他の永久歯の根がある程度出来上がったところで抜歯します。

抜歯する際は上顎から歯ぐきを開いて、骨を削り抜歯します。抜歯する時間は20~40分程度で骨の中にどれだけもぐっているかで変わります。痛みは出ますので、抜歯した日は痛み止めを飲んだ方が安心です。腫れることはあまりありませんが抗生物質も飲みます。

5.事例

5歳の男の子です。前歯の乳歯が急に揺れ始め抜けました。すぐに三角形の小さな歯が生えてきました。これが過剰歯です。すぐに抜くと前歯がない時期が長くなるため、次に生えてくる永久歯に影響が出ない、ギリギリまで待ってから抜歯をしました。抜歯時間は5分程度、痛みもなくすぐに終わりました。

過剰歯1

 

 

過剰歯4

 

 

まとめ

過剰歯の多くは前歯にあり6歳ぐらいで見つかります。歯並びが悪くなるため抜歯することが多く、年齢が小さい時期での抜歯のためご家族が心配されます。抜歯の時期は歯並びへの影響の少ない時期にできればいいのですが、子供の協力度合いによって多少の時期のずれは問題ないことが多いです。

また、最終的に矯正治療を考えているのであればそのことも、歯医者で相談の上、抜歯時期を決めることをお勧めします。

注意:このページに記載されていることは一般的に起こることです。個人差が有りますので全ての人に起こることではありません。詳しくは歯科医院にてご相談下さい。

 

歯のブログの購読はFacebookが便利です