歯肉炎とは?歯茎が腫れる原因と症状・自宅で治す方法

歯磨きをしている時に血がにじんでいる、歯茎が赤く腫れているような気がする、口臭が気になる、そんなあなたは歯肉炎かもしれません。歯肉炎は歯垢によって歯茎が腫れてしまう病気ですが、実は自分で治すことができるのです。しかし、歯肉炎をそのまま放置していると歯周病となり、歯が揺れてきたり、自然に抜けるなど恐ろしい病気に進行する怖い病気でもあるのです。

歯肉炎を理解することは将来自分の歯を長く使うためには重要なことなのです。

今回は歯肉炎の基礎知識と歯肉炎を自分で治す方法をお伝えします。

1.歯肉炎の症状と原因

歯肉炎とは歯茎が腫れている状態のことを言います。歯肉炎は乳歯や子供の時でも起こり、歯茎が赤くなったり、出血したりします。多くの場合は歯垢が原因になります。

歯垢は細菌が増えた塊です。食後、24時間汚れを落とさないと、細菌がネバネバとした粘液を出し歯垢となります。歯茎は細菌や細菌の出した毒素が歯茎の中に入り込まないように、白血球やリンパ球などの細胞を集め細菌と戦います。
例えば蚊に刺されて皮膚が腫れる、ニキビができるなどと同じようにバイ菌や毒素が体に入りこんだときに、体が反応し、皮膚が腫れるのと同じ状態です。

歯肉炎は体の抵抗力と歯垢のバランスが崩れた時に起こります。体の抵抗力よりも歯垢が多かったり、悪性の強い細菌がいたり、いつも同じ場所に磨き残しがあると歯肉炎が悪化してしまいます。

 

1−1.歯肉炎と歯周病の違い

歯の周りには目で見える歯肉という歯茎の部分と歯茎の下にある歯槽骨(しそうこつ)という骨があります。歯肉炎は歯肉の部分が腫れて炎症を起こしている状態のことです。歯周病は歯肉の炎症が歯槽骨まで進行し、歯槽骨を溶かしている状態です。
年齢が若い時は体の抵抗力が強いため歯肉炎になっていても、歯槽骨まで溶かしてしまうことはあまりありません。しかし、30代に入ると体の抵抗力が低下し、歯肉炎の状態から歯周病へと進行してしまいます。

 

歯肉炎が進行すると歯周病になる

① 健康な歯茎
健康な歯茎の色は薄いピンプ色をしています。また、歯ブラシやデンタルフロスを行っても出血しない状態です。

② 歯肉炎
歯茎の色は赤みを帯びて、腫れている状態です。デンタルフロスなどを行うと血がにじんだりします。毎食後の丁寧な歯磨きで改善します。

③ 中等度の歯周病
歯肉炎と歯を支えている骨(歯槽骨:しそうこつ)が溶け始めている状態です。歯周ポケットが深くなり、歯茎の中まで細菌が入り込んでいます。治療は歯茎の中の歯石や細菌を取り除いたり、骨を再生させる外科的な処置が必要となります。

④ 重度の歯周病
歯槽骨がほとんど無くなっています。ここまでくると自然に抜けるのを待つか、抜歯をする必要があります。

1−2.歯肉炎の原因となる歯垢と歯石は違う

歯石は歯垢が唾液の中のカルシウムやリン酸によって固まった状態です。歯垢から歯石になる時間は人によって異なりますが、48時間程度から歯石になると言われています。
歯石は歯肉炎の直接の原因にはなりませんが(直接の原因は歯垢)、歯石があることによって歯垢が付きやすかったり、歯石が邪魔で歯垢を歯ブラシで取り除けなかったりします。そのため歯石を定期的に取り除くことは歯肉炎を予防するには大切なことです。

2.歯肉炎を自分で治す7つの方法

歯肉炎の多くは自宅で治療することが9割です。食生活の改善や歯磨きのやり方を変えるだけで多くの場合は治すことができます。

2−1.歯磨きは磨いているではなく磨けているが重要 ☆☆☆

歯磨きをしていない方はほとんどいないのではないでしょうか。しかし、磨いていると磨けているは違うのです。歯磨きをした後、歯垢染め出し液を使ってみてください。どこに歯垢が残っているか一目瞭然です。この歯垢を自分で完璧に取れれば歯肉炎は早期に改善します。詳しくは「虫歯や歯周病を徹底的に防ぐ「歯磨き力」をつける6の秘訣」を参考にしてください。

2−2.歯磨き前のデンタルフロスで歯の将来が決まる ☆☆☆

歯肉炎の80%は歯と歯の間で起こっています。歯肉炎を治すにはまず、デンタルフロスを使う、それも歯ブラシで磨く前に使うことが必要なのです。それだけデンタルフロスが重要なのです。デンタルフロスで歯肉炎の症状の出血や口臭もチェックできます。詳しくは「歯医者は絶対やっている!デンタルフロスで虫歯や歯周病を防ぐ方法」を参考にしてください。

2−3.効果的な歯磨き粉の使い方で歯肉炎を改善する ☆

 最近の歯磨き粉は歯肉炎に効果の高い製品が多く出されています。効果的な使い方は歯磨き粉はたっぷり使い、歯磨き後のすすぎは少なめにして、味が残るようにします。歯肉炎用歯磨き粉の中には炎症を抑える成分が含まれています。成分を歯茎に浸透させるには時間が必要です。歯磨きをしている時間だけでなく、歯磨き後もその成分が浸透するようにすすぎを少なくすることによって歯磨き粉の効果が持続します。

2−4.口呼吸から鼻呼吸に変えていく ☆☆

歯茎の粘膜は唾液の力によって守られています。唾液の中には殺菌作用のある成分が含まれています。口呼吸によって歯茎が乾燥すると唾液のバリアーが無くなり、歯茎が無防備になるため歯肉炎が起こります。特に口呼吸の方は常に口が乾燥するため歯肉炎が起こります。また、口呼吸は風邪やアレルギーの原因にもなります。口呼吸から鼻呼吸に改善することによって歯肉炎だけでなく、体の健康を取り戻します。詳しくは「口呼吸によって起こる9つの危険と6つの改善方法」を参考にしてください。

2−5.飴やハイチューではなくキシリトールのダブレットに変える ☆

口の中に長時間甘いものがあると、細菌が増殖し、歯肉炎が悪化します。口の中は適度な湿度と温度に保たれていて細菌が増殖するには格好の場所です。そこに細菌の餌となる甘いものがあれば、細菌は爆発的に増殖し、歯肉炎が起こります。飴やハイチューなどで長時間、細菌の餌を与え続けるのではなく、キシリトールのタブレットに変えるだけで歯肉炎を改善することができます。詳しくは「噛み方で変る!キシリトールガムで効果的に虫歯予防する方法」を参考にしてください。

2−6.甘いものを控え、食生活を改善する ☆

歯磨きをいくら頑張っても歯肉炎が改善しない、いつも歯茎に赤みを帯びている、このような方は糖分の多い食生活になっていることが多いです。血液中の糖分が多いと歯肉炎になりやすいというデータがあります。甘いものを控えるだけで歯肉炎が改善します。3ヶ月甘いものを控えてみてください。見た目にも歯茎の色が変わるはずです。

2−7.体力を改善させ、免疫力を高める ☆

風邪をひいたり、花粉症などのアレルギーがある方は免疫に異常が起き、歯肉炎が悪化することがあります。歯茎は常に口の中の細菌と体の抵抗力が戦っている場所です。歯茎の健康は体の健康を映し出します。運動などをして免疫力を高めておくことは歯肉炎の改善に役立ちます。

3.歯医者に相談したほうがいい歯肉炎とは

3−1.歯茎が盛り上がっている薬物性歯肉炎(薬物性歯肉増殖)

高血圧の薬やてんかんの薬で歯茎が大きく膨らむようになることを薬物性歯肉炎といいます。担当医にお薬を変更できるかどうかを確認します。お薬を変更しても治らない場合は膨らんだ歯茎を切除することがあります。

3−2.妊娠したら急に歯茎が腫れた妊娠性歯肉炎

妊娠中期に女性ホルモンの影響で歯茎が腫れやすくなることを妊娠性歯肉炎といいます。妊娠性の歯肉炎の後、そのまま放置してしまうと重度の歯周病に移行してしまうことが多いので、妊娠中には定期的に歯医者でクリーニングをおすすめします。

3−3.赤ちゃんの歯茎が腫れ上がっている急性ヘルペス性歯肉炎

乳幼児に多くみられ、ヘルペスウイルスによって感染する歯肉炎で歯肉は鮮やかな赤色になり、お口の中に白色や黄色の小さなつぶつぶがたくさんでき、痛みがあります。歯肉炎の部分は歯ブラシで磨いてもあまり効果がないため、ガーゼで周りの汚れを拭うくらいにし、洗口剤や軟膏などで対処します。小児科を受診し、1週間程度で改善することが多いです。

3−4.口臭がある急性壊死性潰瘍性歯肉炎(きゅうせいえしせいかいようせいしにくえん)

急に歯と歯の間の歯茎に潰瘍ができて、痛みや口臭を伴う歯肉炎です。原因はよくわかっていませんが、プラーク、ストレス、喫煙、栄養障害などが考えられています。2,3日で急速に進行します。症状が出ている間はお口のなかを清潔に保つようにしますが、歯肉炎部は痛みが強いためガーゼなどで、拭う程度にします。感染防止のために抗生物質や痛み止めが処方されます。

3−5.痛みが強い慢性剥離性歯肉炎(まんせいはくりせいしにくえん)

歯茎の表面の皮がはがれ落ちて、痛みを伴う歯肉炎です。歯茎がヒリヒリしたり、水泡が出来ることもあります。主に、生理不順あるいは閉経後の女性に多くみられ、2、3本の部分的な歯茎から全体の歯茎に広がっている場合もあります。歯ブラシが当たっただけでも痛みがあるため、柔らかい歯ブラシで優しく磨きます。完治するのは難しく再発を繰り返します。

まとめ

歯肉炎は体の異常のSOSです。歯磨きだけでは改善できない場合もあるのです。自分の歯や歯茎を健康に保ちたいのであれば、体の健康を維持する必要があります。 

歯茎下がりは歯周病の始まり

歯周病治療

歯茎が下がると歯がしみやすくなります。あなたは大丈夫でしょうか?


これが歯周病の始まりなのです。


歯周病は虫歯と違って、重度になるまで痛みなどの自覚症状がないため、気付いたら歯が抜ける寸前だったということも少なくありません。歯を支える骨が溶けて、最悪歯を残すことが難しくなるケースもあります。


これから20年、30年、生涯にわたって自分の歯で過ごすためには、今が大切です。 ひどくなってしまう前に、いちど検診を受けることをおすすめします。



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