前歯を失いブリッジをする時、保険のプラスチックにしようかセラミックにしようか、迷っている方も多いのではないでしょうか。ブリッジとは失った歯の前後の歯を削って、2本の歯で3本の歯をつなげることです。前歯なので綺麗にしたいが費用が気になりますよね。今回は前歯のブリッジ治療をする時のセラミック治療と保険治療の違いや費用、寿命についてお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
1.ブリッジ治療とは
歯を1本失った場合、前後の歯を削り2本の歯で3本の歯に橋をかけるようにつなげることです。ブリッジ治療は2本失った場合や3本失った場合、ところどころ失った場合などで土台となる歯を削る本数を変えることによって長くつなげることができます。詳しくは「歯のブリッジとは/治療法、費用、寿命、お手入れ法について」を参考にしてください。
ブリッジ治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。
2.前歯のセラミックのブリッジの特徴・費用・寿命
2−1.周りの歯の色に合わせることができる
前歯のセラミックブリッジは周りの歯の色に合わせることができます。できるだけ治療をしたことが目立たないようにしたい方は、残っている歯の色に近い色を再現することができます。特に歯には透明感があり、それを再現できるのはセラミックだけです。
2−2.セラミックの色が変わらない
セラミックのブリッジは色が一生変わらないのが特徴です。セラミックは短期間で劣化したり、変色したりすることがない材料です。そのため綺麗な歯の状態が長く続きます。詳しくは「前歯をオールセラミッククラウンにしたほうがいい7つの理由/費用と期間」を参考にしてください。
2−3.精度が高い
セラミックのブリッジ治療は精度が高い治療です。歯を削った部分とセラミックの部分が完全に一致していないと、歯とセラミックを合わせることができません。そのため仮歯などで何度か調整し、精密な型取りとセラミックの製作を行います。
2−4.汚れがつきにくい
セラミックのブリッジの材料は陶器です。陶器は便器に使われるほど汚れがつきにくい材料です。口の中のプラークがセラミックのブリッジに付きにくくなります。歯磨きの際もプラークが落としやすいため虫歯や歯周病予防になります。
2−5.セラミックは歯と接着力が強い
セラミックのブリッジは歯に接着剤を使って固定します。接着剤はセラミックに強力に付き、噛む力に耐えられるほど強力な接着力を発揮します。また、セラミックは口の中で安定しているため、膨張したり、収縮したりしないため接着剤に余分な負担がかからずに接着力を維持することができます。
2−6.前歯のセラミックのブリッジの費用
前歯のセラミックのブリッジの費用は保険外診療になります。セラミック1本が9万円〜15万円程度のため、3本のブリッジであれば27万円〜45万円程度となります。地域や色の合わせ方によって費用は異なりますので、かかりつけの歯医者で確認してください。
2−7.前歯のセラミックのブリッジの寿命
セラミック自体は私たちが生きている期間ぐらいは劣化するようなものではありません。変色もなしで綺麗な状態が続きます。しかし、使っている歯の土台が虫歯になったり、歯周病になればセラミックのブリッジ自体も使えなくなってしまいます。そのためセラミックのブリッジの寿命を長くするには、治療後のメンテナンスが重要となります。
3.前歯の保険のブリッジの特徴・費用・寿命
3−1.ある程度の色を合わせることができる
保険の前歯のブリッジは金属の枠にプラスチックを貼り付けています。そのためある程度、歯に近い色を合わせることができますが、透明感を出すと中の金属が透けてしまうため、綺麗な歯の色を出すことができません。
3−2.噛む機能には問題がない
保険の前歯のブリッジは奥歯の銀歯と同じ材料で作っているため、噛む機能には問題がありません。ただし噛み合わせが強い方や劣化が始まると、プラスチック部分が剥がれてしまうことがあります。
3−3.歯茎が黒くなることがある
保険の前歯のブリッジの枠に使われている金属は金、銀、パラジウム、銅などの合金です。唾液によってイオン化し、溶け出して歯茎を黒くしてしまうことがあります。詳しくは「お口の金属は大丈夫?金属アレルギーを悪化させないための7つの対策」を参考にしてください。
3−4.プラスチック部分は変色する
保険の前歯に使われているプラスチック部分は半年から1年くらい経つと徐々に変色し始めます。口の中は酸性、アルカリ性、熱い、冷たいなど過酷な環境です。そのため水分を吸収しやすいプラスチックは変色や劣化が起こりやすくなります。
前歯のセラミック治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。
3−5.土台から外れていないか注意する
保険の前歯のブリッジは歯と金属をセメントで隙間を埋めて固定します。セメントは時間とともに脆く崩れ、ブリッジが外れる原因になります。一部が取れても、もう片方が歯についていると外れずに、金属の中で虫歯が進行してしまうことがあります。
3−6.保険の前歯のブリッジの費用
保険診療で3割の負担の場合、型取り時に3千円程度、ブリッジを付けるときに1万5千円程度です。前歯のブリッジを保険診療では行っていない歯医者もありますので、かかりつけの歯医者で確認してください。
3−7.保険の前歯のブリッジの寿命
保険の前歯に使われている金属は5、6年で劣化が始まり、プラスチック部分は半年くらいから変色が始まります。前歯のプラスチックの変色が気にならなければ平均すると7、8年使えるようです。保険内での保証期間は2年です。
まとめ
前歯のブリッジ治療を行うにはセラミックがおすすめです。前歯のセラミックは歯科医の正確な治療と歯科技工士の職人技で作られます。費用に関しては人それぞれ捉え方が違いますので、かかりつけの歯医者でよく相談の上、治療を行うようにしてください。