乳歯が抜けていないのに永久歯が出てきたら驚きますよね。普通は乳歯が抜けてから永久歯が生えてくるものだと思っていますから。乳歯の生え変わりのは自然に生え変わらないことも多いく、実は乳歯の生え変わりの時のトラブルが永久歯の歯並びに影響することもあります。今回は乳歯の生え変わりの時のトラブルとそれに対する対処法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。
1.生えかわりの時歯並びを悪くしないための対処法
1-1.乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきてしまった時
1-1-1.乳歯が揺れているが永久歯が下から出てきた
乳歯が揺れているのであればそのまま経過を見ます。自分で出来るだけ揺らして抜けるように手助けしてください。だだし、かんだ時に強く痛みが出て食事もとれないようであれば歯医者で抜歯してもらいます。特に下の歯の前歯に起こりやすく、乳歯が抜ければ裏側から前に移動します。
1-1-2.乳歯が揺れているがいつまでも抜けずに残っている
奥歯に起こりやすく、乳歯の根は2本あり、永久歯が斜めに生えてくると片方の根が溶けずに残ってしまい揺れはしても、なかなか抜けないことがあります。歯医者で抜歯をしてもらう必要があります。乳歯が抜ければ永久歯は正しい位置に移動することが多いです。
1-1-3.乳歯が全然揺れていない
乳歯が全然揺れていないのに永久歯が出てきてしまうことがあります。骨の中で永久歯の位置がずれて、乳歯の根を溶かさずに出てきてしまったためです。歯医者で抜歯をしてもらう必要があります。乳歯を抜歯すれば永久歯は正しい位置に戻ります。
1-2.乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない時
1-2-1.乳歯が抜けても3か月永久歯が生えてこない
そのまま経過を観察します。特に上の前歯は乳歯が抜けても永久歯がなかなか生えてこないことが多いです。
1-2-2.乳歯が抜けても半年生えてこない
歯医者でレントゲンを撮って歯茎の中に永久歯があるか、過剰歯などの異常がないか確認します。その後はもう少し経過を観察します。詳しくは「子供の過剰歯が見つかった時、抜歯したほうがいい6つの理由」を参考にしてください。
過剰歯と永久歯への生え変わり変わりをわかりやすく動画にまとめましたので、こちらをご覧ください。
1-2-3.先に隣の永久歯が出てきた
永久歯には自然に生えてくる力はありません。矯正の力を使って引き上げる処置をします。
1-3.乳歯がいつまでも生え変わらない時
1-3-1.成長がゆっくりな方
乳歯が交換の時期になってもかなり残っている場合があります。レントゲンを撮って永久歯の存在がわかれば交換まで待ちます。
1-3-2.下に永久歯がない先天性欠如
乳歯の下に永久歯がない先天性欠如の方がいます。その場合は乳歯をそのまま使い続けるか、歯列矯正で乳歯を抜いて永久歯を寄せてきます。詳しくは「あなたの歯の数は足りている?/近年増えている歯の先天性欠如」を参考にしてください。
1-3-3.生え変わりが左右対称的でない
特に前歯の場合で右だけが生え変わっているのに、左がなかなか生え変わらない場合は、歯の真ん中がずれてしまうので、レントゲンで確認し、乳歯を早めに抜歯する場合があります。また、歯列矯正が必要な場合もあります。詳しくは「うちの子大丈夫!子供の歯並びが悪くなる7つの癖と8つの異常」を参考にしてください。
1-4.乳歯が歯茎の中に埋まっていってしまった時
下に永久歯があるのに乳歯が歯茎の中に埋まっていくことがあります。永久歯の根が2/3完成していれば乳歯を抜歯します。しかし、永久歯も出てこないことがあり、歯列矯正で永久歯を引き上げることがあります。詳しくは「乳歯がおかしい?乳歯に起こる歯や歯茎、噛み合わせの全ての異常と対応策」を参考にしてください。
2.乳歯が永久歯に生え変わるメカニズム
2-1.乳歯の隙間は永久歯が生えるため
永久歯は乳歯より大きいため、生えてくる準備として乳歯の間に隙間が開いてきます。乳歯の時にすき間がない場合は、永久歯が生えてきたときに凸凹になる可能性が高くなります。そうなると歯列矯正が必要になります。
2-2.交換のために永久歯が乳歯の根を溶かす
顎の中で永久歯が出来上がってくると、永久歯は生えるために、交換する乳歯の根元に近づき、溶かしていきます。早くに乳歯が抜けてしまうと永久歯が目標を失いずれた場所に出てしまうことがあります。
2-3.乳歯の根が溶かされ揺れ始める
永久歯によって乳歯の根がほとんど溶かされたころには、乳歯は揺れ、自然に抜けてしまいます。
2-4.乳歯が抜けて永久歯が出てくる
乳歯が抜けた後、永久歯が出てきます。この時乳歯がうまく抜けていなかったりいつまでも乳歯が残っていると永久歯の位置がずれてしまいます。
3.6歳前後から永久歯に生え変わり始める
永久歯の交換が始まる時期は6歳前後ですが、子供によって早い人もいれば遅い人もいます。下の歯の前歯から始まります。下の歯は前歯から順番に進み最後に乳歯の奥歯が生え変わり、上の歯は前歯から生え変わり最後は犬歯が生え変わります。12歳くらいまでに完了します。生え変わりは個人差が大きく5歳くらいから始まる人もいれば14歳になっても乳歯が残っている人もいますので、前後2年くらいは範囲の中だと思ってください。詳しくは「子供の6歳臼歯が生えてくるときに起こる9つのトラブルと対応策」を参考にしてください。
4.乳歯の虫歯は永久歯の歯並びを悪くする
4-1.虫歯で乳歯の神経がなくなるとうまく生え変わらない
乳歯が虫歯になってしまい神経を取ってしまうと永久歯がうまく生え変わらないことがあります。乳歯は下から生えてくる永久歯の刺激を受けて、外からと神経によって中から溶けていきます。乳歯の神経がなくなる中から溶けることができないので、なかなか抜けなかったり、早く抜けてしまったり、乳歯を避けて横から出てきてしまうことがあります。詳しくは「乳歯の虫歯について母親が知っておかなければいけない6つこと」を参考にしてください。
乳歯の虫歯治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。
4-2.虫歯で乳歯が早く抜けてしまうと永久歯の隙間がなくなる
乳歯は後から生えてくる永久歯のスペースを確保する役割があります。乳歯が虫歯で早くに抜けてしまうと後から生えてくる永久歯の隙間がなくなり歯並びを悪くしてしまいます。
4-3.虫歯によって噛む力が弱くなる
骨は筋肉に引っ張られることによって大きくなります。乳歯が虫歯で固いものを噛むことができないとあごの骨は成長できずに歯並びが悪くなります。
5.矯正治療のタイミング
下の前歯が4本、上の前歯が2本生え変わったところで凸凹があったり、かみ合わせがずれていたりすれば一度歯医者に相談してみてください。生え変わりのタイミングで歯列矯正をすることによって、歯を抜歯したり、ブラケットを付ける矯正治療をしなくてもいい場合があります。詳しくは「前歯の歯並びが悪いことで起こる6つのこと/きれいに治す治療法」を参考にしてください。
まとめ
乳歯の生えかわりは永久歯の並びにとても大きな影響を与えます。仕上げ磨きの時におかしいと思ったら歯医者に相談してください。タイミングよく乳歯が交換していけば、一生使う永久歯がきれいに生えてきます。
注意:このページに記載されていることは一般的に起こることです。個人差が有りますので全ての人に起こることではありません。詳しくは歯科医院にてご相談下さい。