舌は食べる時や話すときに重要なのは多くの方がご存じだと思います。舌は口の中で多くの部分を占めています。しかし、実は舌の位置が悪いと歯並びも悪くなってしまうのです。舌は筋肉の塊で、舌の位置や動きは歯の位置に大きく影響を与えるのです。今回は舌の位置が悪いことで歯並びに与える6つの影響と自力で治すトレーニング法をお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
1.舌の正しい位置にあると歯並びが良くなる
顎や歯は頬の筋肉や舌の筋肉の力によって形や歯並びが決まってきます。特に舌は筋肉の塊で、強い力を持っています。そのため悪い舌の位置や間違った飲み込みの時の動きは歯並びを悪くします。
正しい舌の位置
舌の前端は何もしていない状態や物を飲み込む時はスポットと言われる上の前歯の少し後ろの位置にあります。舌がスポットにあることによって、上顎が舌の筋肉に押し広げられ、顎が大きくなって歯並びが良くなります。歯並びがいい方は上顎の形と舌の形が同じなのです。また、上顎が広がることによって後から成長する下顎も広がり歯並びが良くなります。
2.舌の位置が悪いことで歯並びに与える6つの影響
2−1.舌の位置が低いと受け口になる
舌の位置が低く、下の歯の裏側にあると受け口になりやすくなります。舌の位置が低いといつも舌で下の前歯を押してしまい、下顎や下の前歯だけが成長し、前歯が受け口になります。特に舌と下の前歯の裏側にある舌小帯(ぜつしょうたい)が短いと舌が上に持ち上げられないため、舌の位置が低くなります。詳しくは「受け口の悩み解消します。きれいに治る矯正治療」を参考にしてください。
2−2.舌が上顎についていないと出っ歯になる
舌が上顎についていないと上顎を広げることができないため出っ歯になりやすくなります。歯の大きさは変わらないのですが、顎の大きさは変わります。狭くなった顎の中から前歯が飛び出し、出っ歯になります。
2−3.舌が上顎についていないと歯並びが凸凹になる
舌の位置が上顎についていないと舌で上顎を広げることができないため歯並びが凸凹になります。舌によって顎を広げることができないため、狭くなった顎の中に歯が並ぶことができず、歯が凸凹になったり、八重歯になります。
2−4.舌が歯と歯の間にあると開口(かいこう)になる
舌が歯と歯の間にあると奥歯を噛んでも前歯が噛めない開口になります。舌がいつも歯と歯の間に入り込んでいたり、飲み込む時に間に入ってくる人もいます。舌の力によって前歯が押し広げられ、歯と歯が噛み合わない状態になります。
2−5.舌が上顎についていないと口呼吸になる
舌が上顎に付き、唇を閉じ、鼻で呼吸するのが正常な呼吸法です。口呼吸の方は舌が上顎に付かず、唇が開いています。口呼吸は歯や歯茎だけでなく、全身に悪影響が出る呼吸法です。舌の位置を正すことは口呼吸から鼻呼吸へと変える方法でもあります。詳しくは「口呼吸によって起こる9つの危険と6つの改善方法」を参考にしてください。
2−6.舌が上顎に付いていないと発音が悪くなる
上顎と舌の大きさはほぼ同じサイズです。舌が上顎に付いていないと上顎は広がらず狭くなります。そのため舌が上顎に付けることができずにタ行などの発音がしにくくなります。
3.舌を正しい位置にして歯並びを治すトレーニング
3−1.舌の正しい位置を覚えるスポット
舌の先端の正しい位置は上顎の前歯の根元の少し後ろにあり、この位置をスポットと言います。スポットをいつも意識することで舌の位置が安定します。電車に乗るとき、テレビを見ている時など常にスポットを意識してみてください。
3−2.舌の筋トレ、オープンアンドクローズ
舌の先をスポットに付け、舌の奥を上顎にべったりつけます。そのまま閉じたり開いたりを繰り返します。これをオープンアンドクローズといいます。オープンアンドクローズによって舌の筋肉が付き、正しい位置に固定できるようになります。
3−3.舌が正しい位置で飲み込むタングドラッグ
舌先をスポットに付け、舌の奥を上顎にべったりつけ、そのまま奥にズラしていきます。これをダングドラッグと言います。タングドラッグを身につけることによって、正しい舌の位置で食べ物を飲み込むことができるようになります。
4.舌の位置を矯正装置で治す方法
4−1.低い位置の舌を上に上げるムーシールド
ムーシールドは舌が低い位置にあり、下の前歯を押して受け口になっている方に使う矯正装置です。舌が前歯を押さないように強制的に上に持ち上がる形になっています。日中と夜間使用し、日中は1時間以上の使用で正しい舌の位置を覚え、夜間寝るときには無意識に前歯を押さないように使用します。詳しくは「子供の受け口を治すムーシールドの3つの効果と使用法・費用」を参考にしてください。
4−2.正しい舌の位置や呼吸法を覚えるT4K
T4kは出っ歯や口呼吸の方に効果的な矯正装置です。T4Kにはスポットの印があり、T4Kを入れている間はいつもスポットに舌先をつけるように意識します。日中1時間以上の使用中は唇を閉じ、鼻で呼吸することを意識し、口呼吸から鼻呼吸へと改善していきます。夜間寝るときに外れないようになれば効果が出ている証拠です。
4−3.矯正治療で装置とトレーニングを行い歯並びを治す
トレーニングや矯正装置は自分で行うことはなかなか難しいものです。本当にこの装置で正しいのか、いつまで使って、治らない場合はどのタイミングで他の装置に換えるかなどは矯正治療の一環として行わなければ判らないのです。トレーニングをすることはいいのですが、きちんと改善させるには矯正の検査、診断、治療が必要です。
おすすめクリニック
おかざき歯科クリニックの基本情報
ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
土 9:00~13:00 14:00~18:00
木・日・祝日:休診日
院長経歴
岡崎 弘典
日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任
まとめ
舌の位置は歯並びにとってとても重要です。舌の位置や動きを正しい状態にすることは矯正治療のスピードを速くし、後戻りを防ぎます。それだけ、舌の位置が歯並びに影響を与えているのです。