あなたにもわかる!根管治療が上手な歯医者の7つの見分け方

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

歯医者で根の治療をずっとやっているがいつ終わるのかわからない、いつも5分程度で根の消毒だけで終わってしまう、最後には抜歯が必要ですと言われた、根管治療が長引くとこのまま治療を受けていて大丈夫なのかと心配になりますよね。

根管治療は歯の根の中の汚れをきれいにして、薬を詰める治療法です。しかし、歯の根の中は複雑なため、根管治療が苦手な歯医者も多いのです。その難しさから欧米では根管治療専門医が基本的に治療を行います。それでは信頼できる根管治療を行っている歯医者をどのように見極めればいいのでしょうか。

今回は根管治療が上手な歯医者の5つの見分け方をお伝えします。

もし、自分が今かかっている歯医者が根管治療が得意でないのであれば、根管治療が得意な歯医者を紹介してもらったり、自分で探して紹介をしてもらっても、本当に患者さんのことを考えている歯医者であれば快く紹介してくれるはずです。

1.根管治療が上手な歯医者の7つの見分け方

1〜3は基本的な見分け方、4〜7は専門的な見分け方になります。

1−1.根管治療の時にラバーダムを使っている

根管治療は歯の根の中にある細菌を殺菌し、薬を詰める治療です。根管治療中に唾液や歯垢が入ってしまうと再感染を起こし、歯の根の中がいつまで経っても綺麗にならないのです。そのためラバーダムというゴムのシートを歯にかけて、唾液が歯の根の中に入らないようにします。ラバーダムをしっかりしてくれる歯医者での根管治療をおすすめします。詳しくは「ラバーダム防湿で根管治療をすると成功率が上がる5つの理由」を参考にしてください。

ラバーダムについてわかりやすく動画にまとめましたので、こちらをご覧ください。

1−2.歯の神経をできるだけ取らない

根管治療が上手な歯医者は根管治療の難しさや、歯の神経の大切さを知っています。できるだけ歯を削らないようにし、歯の神経もできるだけ取らないようにします。虫歯治療の時も、ラバーダムを使っている歯医者はおすすめです。詳しくは「歯の神経を抜く前に知っておきたかった7つのことと最新治療法」を参考にしてください。

1−3.徹底的な感染予防

根管治療は歯の根の中の細菌などを取り除く治療です。そのため器具などが滅菌されてないと再感染を起こしてしまいます。そのため感染予防を積極的に行っている歯医者は根管治療に使う器具も清潔にしていることが多いです。

1−4.マイクロスコープ(手術用顕微鏡)で何十倍もの拡大で治療している

今までの根管治療は歯医者の手指の感覚と経験で行っていました。そのため歯の根の見落としや汚れが取りきれていないことを気づかずに治療を終わってしまう場合も多いのです。マイクロスコープは歯の根の中を見るための顕微鏡で肉眼では見えない汚れを根管の中から取り除くことができます。マイクロスコープによる根管治療は根管治療専門医が行う治療に近くなります。詳しくは「歯科用マイクロスコープが歯の寿命を延ばす6つの理由と費用」を参考にしてください。

1−5.3次元CT検査で歯の根の形を確認している

歯の根の複雑な形や根の先の膿の袋の大きさを3次元的に確認するためCTレントゲンを撮影します。通常の治療では見落としてしまうような小さな根の管も、CTレントゲンで確認することによって確実に診断することができます。歯の根は人によって数や形が違います。その一つ一つをCTで確認しながら治療をすることによって正確な治療を行います。

CTレントゲンは高価な機械のため全ての歯医者に備わっているわけではありません。CTレントゲンを他院に撮影してもらう場合もあります。

1−6.MTAセメントで完全封鎖

根管治療で歯の根の中をきれいにした後は細菌が再度感染しないように根の中に薬を詰めます。しかし、通常の薬では完全に封鎖することができないような根の先が溶けていたり、開いている場合はMTAセメントという歯科用のコーンクリートのようなセメントで根を封鎖します。詳しくは「最新治療!MTAセメントが効果を発揮する5つの治療法」を参考にしてください。

MTAセメントは保険診療では認められていないため保険外診療となります。

1−7.根管治療で治らない場合は歯根端切除術

何度か根管治療を行われている歯は根の先が広がっており、根管治療だけでは治すことができない場合があります。しかし、そこで抜歯をするのではなく、歯の根の先の感染部分を取り除く歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)を行い、歯を保存します。歯根端切除術はマイクロスコープとMTAセメントを使い精密で緊密な治療を行います。このような提案をしてくれる歯医者がおすすめです。詳しくは「歯根端切除術/根の治療では治らない膿の袋を取り除く」を参考にしてください。

2.おかざき歯科クリニックにはこんな方が来院しています

2−1.35歳女性 他院で根管治療途中

「他院で根管治療を4回行ったが仮の蓋がなんども取れたり、治療内容に不安を感じたためこちらを受診」他院で根管治療中におかざき歯科クリニックを受診される方は多くいます。根管治療はやり直しを繰り返すほど成功率は下がります。根管治療の時にできればラバーダムとマイクロスコープを使ってくれる歯医者で治療されることをお勧めします。

2−2.38歳女性 他院にて根の治療中痛みが取れない

「他院にて根の治療中痛みが取れないのでこちらを受診。痛みの原因も教えてもらえないので不安」根管治療中の痛みは治療が原因で痛い場合と歯が原因で痛い場合があります。また、歯が割れていて痛い場合があります。通常の根管治療では発見するのは難しいため、CTやマイクロスコープで破折や汚れを確認しながら治療を行います。治療中の痛みであれば麻酔をして、痛みが出ないようにしてから治療を行います。

2−3.45歳男性 他院で抜歯と言われた

「他院にてレントゲンで根管治療はできないと言われ、抜きたくないので来院」誰もが抜歯をしたくないですよね。おかざき歯科クリニックでも全ての歯を残すことはできません。抜歯をした方がいい場合もあります。ただし、他院で抜歯と言われても残せる場合もあります。抜歯してしまったら戻すことはできないので、一度診断をして、本当に抜歯しなければいけないのか確認してみてもいいのではないでしょうか。

3.おかざき歯科クリニックの根管治療の流れ

根管治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。

3−1.電話でお約束をお取りください

初診時は問診票の記入や検査などで1.5時間ほどのお時間がかかります。時間の余裕を持って来院してください。また、当日キャンセルや無断キャンセルをされた場合はキャンセル料をいただいております。キャンセルされると他の患者さんにも迷惑がかかりますので、お約束はお守りください。

3−2.初診相談

トリートメントコーディネーターがお話を伺います。現在の状態や今までの治療の流れ、ご自身の希望など詳しくお話ください。現在の状態を確認するためにお口の中の写真、レントゲン、場合によってはCTや歯周病の検査を行います。

3−3.唾液が入らないようにする隔壁(かくへき)とラバーダム

根管治療を行う場合は歯の根の中に唾液が入らないようにラバーダムを装着します。また、歯がほとんど残っていない場合は隔壁(かくへき)と言って残っている根の周りにプラスチックの壁を作り、唾液や血液が入らないようにします。

3−4.破折部分の確認

歯の中の汚れを取り歯が割れているところがあるか確認します。マイクロスコープで破折や穴が空いている部分を確認し、接着剤でその部分を埋め、細菌が入らないようにします。

3−5.根管治療の開始

以前詰められた根の中の薬を取り除いていきます。虫歯や唾液によって以前の薬は感染しております。きれいに取り除いて細菌の巣となる部分をなくします。次に感染している歯の部分をファイルという針金で擦り取り、細菌を減らしていきます。多くの場合3回程度で終わりますが、根の数や感染の状態によって3回以上かかる場合もあります。

3−6.根の中に仮の薬を入れる

症状が長期間続いていた方はすぐに改善しない場合があります。根の中がきれいになってから、仮の薬を詰めて様子を見ます。1〜3ヶ月程度経過を観察し、症状が軽減するようであれば最終的な薬を詰め根管治療は終了になります。

3−7.根管治療で根の状態が改善しない場合

歯根端切除術を行います。歯根端切除術は外科的に歯茎の方から根の先の一部を切断し、根の先に薬を詰める方法です。歯は根の先が曲がっていたり、開いていたり、別れていたりして根管治療では治せないことがあります。歯根端切除術によって感染源になっている根の先の一部を取り除き歯を保存します。

マイクロスコープで根の先の膿の袋と根の先の一部を切断します。切断面をMTAセメントで封鎖します。一時的には腫れや痛みが出ますが、徐々に落ち着いてきます。切断した部分は徐々に骨が出来てきます。

歯根端切除術の治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

まとめ

セカンドオピニオンという言葉をご存知でしょうか。治療に悩んでいてもかかりつけの歯医者に相談できない方も多いのではないでしょうか。おかざき歯科クリニックで診断を受けたからといっておかざき歯科クリニックで治療を受ける必要はありません。診断や治療の仕方がおかざき歯科クリニックと同じであれば近くのかかりつけの歯医者で治療された方がいいと思います。かかりつけの歯医者で抜歯の診断を受けた方や根管治療が心配な方は一度おかざき歯科クリニックにご相談ください。

おかざき歯科クリニック院長略歴

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岡崎 弘典

マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/shougai/
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/sessyoku/
がん歯科医療連携登録医 https://ganjoho.jp/data/professional/med_info/dental/files/14_kanagawa.pdf
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

おかざき歯科クリニックでは最新の医療機器を完備

マイクロスコープ

根管治療を手術用顕微鏡で行うためのマイクロスコープです。8倍から20倍の拡大率で行うことができ、超精密な根管治療を行うことができます。

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CT‐X装置

低被ばくで高解像度のX線CT装置で歯の根の形態を3次元的に確認します。

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DACプロフェッショナル

医科の基準に準じた高度な滅菌を提供しています。ドイツ製のDACプロフェッショナルは小型高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)のヨーロッパ基準EN13060のクラスB規格をクリアーする、高度なオートクレーブです。

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DACユニバーサル

歯科の歯を削る機械を滅菌する完全オートメーション化された滅菌システムです。治療後は全ての器具をこのシステムで滅菌しています。

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セレック

セラミックを3Dプリンターのように削り出して作る装置です。詰めるセラミックなどの場合は1日で型取りからセットまで行うことができます。

CEREC Premium

電話予約・お問い合わせはこちら

電話番号:045-828-6480

治療をご希望の方は、上記の電話番号へお電話下さい。現在の歯の状況や悩んでいることについて教えて頂き、最も適した治療方法を考えます。

診療時間/休診日

  日/祝
AM 9:30~PM 1:00
PM 2:30~PM 7:00

アクセス情報

〒244-0801 横浜市戸塚区品濃町1835-29 コーポレート東戸塚

電車でご来院の場合

JR東海道本線 『東戸塚駅』 東口からバスで7分の場所にあります。
バス: 210系-平戸2丁目循環「境木地蔵尊」下車

電車での経路

お車でご来院の場合

東戸塚駅方面からご来院の場合

環状2号線「環2境木交差点」を東へ約300m、右折して駐車場へ

国道1号方面からご来院の場合

国道1号線より「権太坂上交差点」を西へ約850m、左折して駐車場へ

駐車場を完備

駐車場もご用意しております。クリニックの左側から裏手に回っていただくと3台分ございます。お車でお越しの方はどうぞご利用ください。

駐車場への案内

お気をつけてご来院下さいませ。

おかざき歯科クリニックの根管治療の流れ

根管治療

おかざき歯科クリニックでは最大限抜歯を回避する治療理念のもと治療を進めていきます。


根の治療の正確さによって歯の寿命が大きく変わってしまいます。


おかざき歯科クリニックでは、正確な診断と超精密治療により根の中の汚れをきれいにし、治療を進めて行きます。



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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

コメント

  1. にし より:

    こんにちは!
    この記事を読んで、ラバーダムを使う歯医者さんに変えようかと思っていたところ、3回目の治療でゴムを詰められてしまいました。
    万全を期したいので、この状態からでも改めて、他の医院で根を綺麗にしてもらうことは可能でしょうか?
    また、一般的にどのような状態になれば、根を詰めていいという合図なのでしょうか。

    1. 歯のブログ より:

      そうですね。
      一度ゴムを詰めた状態でやり直すとなると歯への負担は多くなります。
      明らかな症状がある場合や自費で根管治療専門医に治療をしてもらう以外はあまりお勧めできません。
      根の中に薬を詰める判断基準は根の中の汚れが取れて、根の先から膿などが止まっている状態です。

  2. みるく より:

    歯の神経を抜き、1回目のお薬を入れたあと数日痛みがありました。
    歯を叩くと痛かったです。

    歯医者で『中に入れた薬の副作用で合わないと痛みが出る』とお話されていましたがそんな事あるのでしょうか。

    2回目の薬は違う物を入れたそうです。
    1回目は我慢できるくらいの痛みだったのが今回の2回目は更にズキズキと痛みがあり、流石に薬を飲みました。

    叩くと同じ様に痛みはあります。
    夜中も痛みで目が覚め、朝食の際には下前歯が上前歯裏に当たるだけでも痛くなりました。

    本当に薬の副作用?なのでしょうか。

    本日も痛い旨電話した所薬の入れ替えに来て下さいとのことで、行く予定なのですが
    薬を入れ替えてよくなるものなのでしょうか。

    1. 歯のブログ より:

      そうですね。
      歯の神経を抜いた後は噛んだときの痛みや叩くと痛いということはよくあります。
      そのため痛み止めが処方されることが多くあるのです。
      多くの場合、時間とともに痛みが収まってきますので、予定通り治療をされてもいいと思います。

  3. にしま より:

    いつもありがとうございます。
    マイクロ、CTを使ってラバーダムを使わない歯医者と、ラバーダムのみ使う歯医者であれば、どちらを選ぶべきだと思われますか?

    1. 歯のブログ より:

      そうですね。
      ラバーダムが基本中の基本です。
      いくらマイクロスコープやCTで治療をしても歯の根の中に唾液が入ってしまえば感染してしまいます。
      そのため、ラバーダムのみ使う歯医者をお勧めします。

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