妊婦に歯科検診をお勧めする4つの理由

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

妊娠中は心と身体がとても大きく変化します。不安になってしまったり、ストレスを感じてしまったりと今までに無い経験をされているかと思います。実は、お口の中も例外ではなく、だ液の量が減って虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。症状が出る前に歯科検診に行ってお口の中もしっかりと整えて赤ちゃんを迎える準備をしましょう。今回は、妊娠期に起きやすいお口の中のトラブルと治療の時に妊婦さんから聞かれる不安にお答えします。妊娠中の方に参考にして頂けると嬉しいです。

1.妊婦に発症しやすいお口の症状

妊娠による身体の変化はお口の中にも現れることがあります。ホルモンバランスの変化・つわりや食生活のパターンの変化などがお母さんのお口の中の環境を悪くしてしまうことがあります。

1−1.歯肉炎・歯周炎

妊婦さんは、歯肉炎や歯周炎の方が比較的多くいます。妊娠したとたん、出血しやすくなったという方が50%というデータもあります。

間食・食事の増加や、つわりなどによって歯みがきが充分にできないという理由や、妊娠するとだ液量が減ってしまうということが理由として考えられます。反対に、虫歯菌や歯周病菌は増えるのでそれらの菌によってプラーク(歯垢)が作られてしまいお口の中をネバネバにしてしまうのです。

水分量の多い果物や繊維質の多い野菜などをよく噛んでたべたり、キシリトールガムなどを噛んでだ液の分泌量を増やしてあげることも良いでしょう。

※歯科で販売されている甘味料100%キシリトールガムであれば、歯ブラシした後でも食べられます。かかりつけの歯医者さんに聞いてみて下さいね。

1−2.妊娠性エプーリス

歯ぐきにできる良性の腫瘍で、妊娠3か月頃からみられることがあります。

強い赤みを帯びて、出血しやすいのですが、出産と共に小さくなって自然消失する場合もあります。
原因としては外部からの刺激と感染による炎症性刺激に加えて女性ホルモンの変化による内部からの刺激によるものが大きく関わっていると考えられています。

これを放置してしまうと悪化して歯周病になってしまうこともあるので注意が必要です。歯ぐきに腫瘍の様なものが見られたら、一度歯医者さんに相談してみてくださいね。

1−3.虫歯

虫歯になってしまう理由は妊娠前と妊娠中とでは、基本的に変化はありませんが、女性ホルモンの増加によってだ液の量や質が変わってしまったり、つわりなどの影響でお口の中の環境が悪くなってしまい虫歯になってしまうケースが多々あります。虫歯菌は、お母さんのだ液を介して感染します。生まれてくる赤ちゃんの為にも虫歯菌の少ない環境を整えてあげましょう。詳しくは「歯医者がアドバイスする  『お腹の赤ちゃんのために妊婦のママが今できること』」を参考にしてください。

虫歯

2.虫歯になったときに知っておきたい3つのこと

下記の3つの項目は、当院でも妊娠中のお母さんから聞かれる不安点です。妊娠中の虫歯の治療に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

2-1.レントゲンは赤ちゃんに悪い影響はありませんか?

歯科医院で使用しているレントゲンは歯の部分のみを映すものです。しかも、撮影する時は鉛でできたエプロンを着用するので心配ありません。赤ちゃんが被爆することはありませんので、安心して下さいね。詳しくは「歯医者で撮るレントゲンの被ばく量と妊婦のレントゲンについて」を参考にしてください。

2−2.治療で麻酔をしても大丈夫でしょうか?

歯科で使用している麻酔は歯ぐきに打っていますが、無痛分娩にも使用される麻酔と同じなんです。そして、局所麻酔なのでお腹の赤ちゃんへの影響は心配しなくても大丈夫です。安心して治療を受けてください。

2-3..治療中にお腹が苦しくなってしまったら…。

お腹が大きくなってきたら仰向けでいることがつらいこともありますよね。その時は遠慮なく言いましょう。大切な命がお腹にいるのです。椅子の角度や治療時間など少しずつ休憩しながらでも十分配慮して治療してくれるはずです。お腹の中の赤ちゃんのためにも無理して我慢するようなことはしないようにしましょうね。

3.妊娠中のお口のケア

妊娠中は、出来る限り無理のない程度で歯ブラシでブラッシングをしましょう。子ども用の歯ブラシなどの小さめのものを使うのもオススメです。歯ブラシが難しい様でしたら食後に水を飲んだり、キシリトール入りのガムやタブレットを口にできるようなら活用しましょう。

もし、虫歯になってしまったら安定期に入ってから治療することをおすすめします。先延ばしにするとどんどん進行してしまうこともありますし、育児に追われて治療どころではなくなってしまうこともあります。妊娠中であることを歯科医師に伝えればお腹の赤ちゃんに影響のない治療を行ってくれますので、遠慮せずに相談してみてくださいね。

虫歯菌や歯周病菌はお母さんや大人のだ液でうつります。生まれてくる赤ちゃんのためにもより良いお口の環境で迎えてあげたいですね。

4.お口の中に不安を感じたら歯科検診を受診しよう!

少しでもお口の中に違和感を感じるようなら、歯科検診を受信されることをオススメしています。歯科検診ではお口の中の状態を把握するために、下記の4つのことを調べます。

参考記事
横浜市妊婦歯科検診の無料受診方法/おかざき歯科クリニック
妊婦中に歯医者で出来る歯科治療と避けた方がいい治療

4−1.虫歯の有無を調べます

明らかに虫歯になっている虫歯から、自分では気づきにくい症状のない初期虫歯などを調べます。昔詰めた銀歯とご自身の歯の間が二次的に虫歯になっていないかなど細部にわたって調べます。

4−2.歯石の有無を調べます

小さなミラーを使用して歯の裏や歯と歯の間の歯石の有無を調べます。この小さな歯石が歯周病を進行させてしまう恐ろしい力を持っているのです。

4−3.歯ぐきの炎症を調べます

歯ぐきが赤くなり炎症を起こしていないか?ホルモンバランスによって炎症を引き起こしてしまうこともありますが、磨き方による炎症の場合もあります。歯石の付着状況による炎症もあります。その原因が何なのかを調べてもらいましょう。

4−4.その他に変わったことはないか?

妊娠すると今までにはなかった症状などが出ることがあります。専門医の目でしっかりと診てもらってくださいね。

歯科検診

横浜市では、妊婦さんは無料で歯科検診を受けられます。みなさんのお住まいの場所でも行っているかもしれません。一度お調べになってみても良いかもしれませんね。

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おかざき歯科クリニックの基本情報

ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
                     土          9:00~13:00 14:00~18:00 
     木・日・祝日:休診日

院長経歴

岡崎 弘典

マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/shougai/
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/sessyoku/
がん歯科医療連携登録医 https://ganjoho.jp/data/professional/med_info/dental/files/14_kanagawa.pdf
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

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歯茎下がりは歯周病の始まり

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歯茎が下がると歯がしみやすくなります。あなたは大丈夫でしょうか?


これが歯周病の始まりなのです。


歯周病は虫歯と違って、重度になるまで痛みなどの自覚症状がないため、気付いたら歯が抜ける寸前だったということも少なくありません。歯を支える骨が溶けて、最悪歯を残すことが難しくなるケースもあります。


これから20年、30年、生涯にわたって自分の歯で過ごすためには、今が大切です。 ひどくなってしまう前に、いちど検診を受けることをおすすめします。



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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

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