なんとなく奥の歯が浮く経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。しばらくすると治ってしまうのでそのままにしてしまいますよね。しかし、実は歯が浮く症状の中には歯周病や歯の根の先に膿が溜まっていることもあるのです。そのままにしておくと強い痛みが出てしまうこともあります。今回は歯が浮く原因と対処法についてお伝えします。是非、参考にしてください。
1.歯が浮く原因は歯根膜(しこんまく)のダメージ
歯の周りには噛んだ時に硬いものや軟らかいもの、くっ付きやすいものなどと判断する歯根膜があります。この歯根膜は骨と歯の間にある薄い膜で神経や血液、リンパ液などが豊富にあります。食事中に砂や骨など小さなものを感じ取れるのはこの歯根膜のおかげです。歯根膜にダメージを受けると、歯根膜は流れている血液やリンパ液の量を増やしてダメージを回復しようとします。このとき歯根膜が厚くなり、骨から歯が浮いた状態になるのです。
2.歯が浮く8つの原因と対処法
2-1.疲労やストレス
疲労やストレスは体全体の血液やリンパ液の循環を悪くします。肩こり、頭痛、だるいなどはすべて血液の循環が悪くなって起こることです。歯が浮くこともこの循環の悪さが起こしています。歯ブラシで優しく歯茎をマッサージするようしてみてください。血行が良くなり歯茎の浮きも落ち着いてきます。
2-2.歯の使い過ぎ
硬いものや同じものを食べ続けると歯根膜の休まる時が無くなり歯が浮いた感じがしてきます。歯に圧力が加わり続けると歯根膜にダメージを与えてしまいます。このダメージを治そうとして、歯根膜に血液やリンパ液が集まり歯が浮いてしまいます。使いすぎたと思ったら安静にしておいてください。徐々に落ち着いてきます。
2-3.食いしばり
歯と歯は一日に接触している時間は20分程度です。普段は安静空隙(あんせいくうげき)という1mm程の隙間を作っています。食いしばりのある方は集中してしまうと長い間、強い力で歯と歯が接触し、歯根膜にダメージを与えてしまうために、歯が浮いたように感じます。自分で意識して食いしばらないようにすると落ち着いてきます。
2-4.歯ぎしり
歯ぎしりはほとんどが寝ている間に行われます。無意識に行っている歯ぎしりは、歯を強い力で左右に大きく揺さぶり歯根膜を引っ張って伸ばし、歯が浮いたようになります。歯ぎしりの強い方は歯医者でマウスピースを作り歯や歯茎を守る必要があります。詳しくは「気づかない歯ぎしりで日本人の70%は歯を悪くしている」を参考にしてください。
2-5.歯周病
歯周病が進行してくるといつも歯の周りの歯茎は腫れて出血しています。そこでは歯周病菌と歯茎の中の抵抗力が戦っています。疲労などで体の抵抗力が落ちた時、歯周病菌の勢いが増し、歯茎が腫れて歯を浮き上がらせてしまいます。そのため歯が浮いているように感じてしまいます。歯医者で歯周病治療を行い、定期的に歯周ポケット内の細菌を減らす必要があります。詳しくは「30代以上の方必見!歯周病に負けない5つの知識と3つの治療法」を参考にしてください。
2-6.根の治療の後
虫歯で神経が死んでしまうと、根の先に膿が溜まり、根の治療が必要になります。根の先にも歯根膜があるために治療の時、傷ついた部分を治そうとして血液やリンパ液が流れ込み歯が浮いたようになります。治療中の歯は極力安静にすることが必要です。詳しくは「いつまで続くこの痛み!歯の治療中、治療後の歯痛の原因と対処法」を参考にしてください。
2-7.根の先の膿
根の先の顎の中に膿が溜まると、原因である歯を押し出そうとして歯が浮いた感じがすることがあります。根の治療をして細菌を無くせば浮いた感じは治まってきます。また、根の先の膿が急に腫れる場合には痛みも伴い噛むことができなくなることもあります。歯医者で根の治療や根の先の膿の袋を取る必要があります。詳しくは「歯の根の先に膿が溜まる歯根嚢胞/8つの症状と治療法」を参考にしてください。
根管治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。
2-8.マウスピースを外した後
ホワイトニングや歯ぎしり用のマウスピースを長時間使用すると歯が浮いたようになることがあります。マウスピースを使っているときに取れないようにするため多少締め付けるような力が加わります。そのため歯が押されて歯根膜が引っ張られて歯が浮いたように感じます。マウスピースを外して30分程度ですぐに戻ります。詳しくは「ホームホワイトニングの6の秘訣」を参考にしてください。
おすすめクリニック
おかざき歯科クリニックの基本情報
ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
土 9:00~13:00 14:00~18:00
木・日・祝日:休診日
院長経歴
岡崎 弘典
日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任
まとめ
お口の中は体調を崩すと、歯茎が腫れたり、出血があったりして、体の異変を良く現わします。歯が浮くことも体の危険を現す場合もあります。そのままにせずかかりつけの歯医者で原因を調べるようにしてください。