横向きの親知らずを腫れや痛みを最小限に抑える抜歯法と手順

あなたは今ある横向きの親知らずが将来、痛み出したり、歯並びを悪くしたりすることが心配なのではないでしょうか。そして親知らずを抜いた友達の話では、腫れたり、痛みが出ることを聞き、不安に思っているはずです。

もちろん横向きの親知らずでも抜かなくてもいい人もいますので、それも記事の中にありますので参考にしてください。しかし、多くの方は横向きの親知らずを放置することによって歯茎の腫れや口臭、歯周病、虫歯などのトラブルの原因になります。そのためできれば抜歯した方が周りの歯茎の回復は早くなります。

今回は横向きの親知らずを抜く前の不安を解消するために、抜歯の時の手順と費用をお伝えします。また、安全に、痛くなく、極力腫れないようにする方法も示しています。将来、親知らずのトラブルで悩まないように早めの抜歯をお勧めします。

1.横向きの親知らずの抜歯の手順と費用

1−1.レントゲンで神経や血管の位置を確認する

横向きの親知らずの抜歯前には必ずレントゲンで親知らずの状態を確認します。親知らずの根の状態や神経、血管の位置を確認します。近年はCTレントゲンも普及し始め、事前に親知らずの状態を把握してから、抜歯を行えるようになったので、安全性も向上しています。

顎の神経が近く麻痺が心配な方は2回法を行う

横向きの親知らずの根の先の近くに大きな神経があります。親知らずの根が神経と絡んでいたり、重なっていると抜歯の時に神経を傷つけしびれが残る時があります。そのため抜歯を2回に分け、一回目は親知らずの頭の部分を落とし、親知らずの根が前に進んで、神経と離れたら二回目に根の抜歯を行います。

1−2.表面麻酔、部分麻酔をする

親知らずを抜歯する前に麻酔をします。表面麻酔を塗ってから、注射の針で麻酔をします。歯科の麻酔は医科の麻酔より敏感な歯茎に圧を加えて行うために痛みが強いです。そのため針は細く、少しずつ入れていくようにします。出来るだけ圧がかかって痛くないように電動の麻酔器が使われるようになってきています。

不安が大きい方には笑気麻酔や静脈内鎮静法

笑気麻酔や静脈内鎮静法は半分眠った状態で横向きの親知らずを抜歯する方法です。不安が大きい方や歯科恐怖症の方などはリラッックスした状態で抜歯をすることができます。詳しくは「笑気麻酔とは/怖い歯医者の抜歯や治療をリラックスし、痛みを減らす方法」を参考にしてください。

1−3.親知らずを抜歯する

横向きの親知らずを抜歯する時間は20分〜60分程度です。傾きの程度や骨の硬さなどによって変わります。
横向きの親知らずは親知らずを割りながら抜歯を行います。できるだけ周りの骨にダメージを与えず、抜歯をする親知らずを小さく割りながら、少しずつ取り除いていきます。抜歯の途中、痛みが出たり、麻酔が切れてきた場合には左手を上げて合図を送り、麻酔を追加してもらいます。

治療中の痛みがある方は麻酔の追加や伝達麻酔

人によって麻酔が効きにくい方や麻酔がすぐに切れてしまう方がいます。抜歯の途中で麻酔が切れてきた場合には追加の麻酔をしてもらいます。また、麻酔が効きにくい方は顎の半分くらいまで効く下顎孔伝達麻酔(かがくこうでんたつますい)という方法があります。

1−4.糸で縫って傷口を小さくする

親知らずを抜いた後は穴が開いています。その部分に血液が溜まり、かさぶたができて歯茎が盛り上がってきます。かさぶたが出来易いように、縫って傷口を小さくしたり、抜歯した穴に止血用のスポンジを入れておきます。また、麻酔は1~3時間程度効いていることが多いです。痛みが心配な方は麻酔が切れる前に痛み止めをのむようにしてください。

痛みは我慢せずに痛み止めを早めにのむ

抜歯の時にはある程度の痛みは出ます。我慢せずに痛み止めを使います。歯医者でもらった痛み止めがなくなってしまったら、市販の痛み止めを使用してください。「ロキソニンS」などは歯医者で出される痛み止めとほぼ同じ成分です。

1-5.ガーゼで圧迫止血をする

出血が早く止まるようにガーゼで圧迫止血をします。止血が早いほうが腫れや痛みが少なくて済みます。30分から1時間程度強く噛み止血をして、早くかさぶたが出来るようにします。特に血液をサラサラにする薬をのんでいる方は血が止まりにくいため長めにガーゼを噛むようにしてください。

ガーゼを長く噛み止血を早める

抜歯後血が止まりにくい方はできるだけ長くガーゼを噛むようにしてください。場合によっては2、3時間噛む必要があります。ほとんどの場合徐々に血が止まってきます。ガーゼがない場合はティッシュを丸めて使っても大丈夫です。

1-6.翌日の消毒

翌日に出血が止まっているか、感染していないかを確認し消毒をします。また、痛みや腫れの状態によって薬を増やしたり、変えたりして、早く症状を改善するようにします。

抜歯後24時間までは冷やす

抜歯後腫れが強い場合は濡れタオルで冷やしてください。炎症反応が強い方にはおすすめです。冷やしすぎには注意です。24時間過ぎたら冷やさない方が治りが早くなります。毛細血管が回復し始め、冷やさない方が治りが早くなります。

1-7.1週間後に糸を取る

1週間ほど経つと親知らずを抜いた傷は小さくなってきますので糸を取ります。歯茎が完全に閉じてくるのは3~4週間かかります。また、骨が回復するのには3~6か月程度かかります。

痛みが取れない場合はドライソケットになっている可能性がある

1週間しても、痛み止めをのまないと耐えられないほどの痛みが残っている場合はドライソケットになっている可能性があります。ドライソケットとは親知らずを抜歯した穴に、血液のかさぶたができず、骨が出ている状態です。うがいを繰り返してしまったり、強いうがいをして血液のかたまりが流れてしまった場合に起こります。薬をのんで様子を見るか、麻酔をし、出血させてかさぶたを作り直します。詳しくは「ドライソケットが親知らず抜歯後の痛みの正体/治らない痛みを取る方法」を参考にしてください。

2.横向きの親知らず抜歯症例

2−1.横向きの親知らず抜歯

抜歯時間は20分程度です。横向きの親知らずは頭の部分が歯茎に覆われています。歯茎を開くとすぐに親知らずが確認できます。周りの骨を傷つけないように歯を割りながら抜歯を行います。抜歯後はあまり腫れや痛みを感じず治りました。詳しくは「親知らずの痛くない抜歯法」を参考にしてください。

2−2.骨の奥に入り込んでいる親知らず

抜歯時間は40分、親知らずが骨の奥まで入り込んでいます。CTレントゲンで親知らずの方向と神経との関係を確認後、歯茎の切開、骨の除去、歯を2つに割って抜歯します。

2−3.2回法の親知らず抜歯

横向きの親知らずの根が神経を絡んでいます。麻痺のリスクを避けるために2回法で行います。親知らずの頭だけを取り、半年待ちます。

半年後のレントゲン写真です。親知らずは前方に移動し、親知らずの根は神経から離れています。根の部分の抜歯を行います。抜歯時間は20分程度です。

3.横向きの親知らずを抜いたほうがいい理由

3-1.隣の歯を虫歯にしてしまうため

横向きの親知らずは手前の歯にぶつかるように生えているため、ぶつかっているところに汚れが溜まりやすくなり、手前の歯が虫歯になってしまうことが多くあります。この部分の治療をするためには親知らずを抜いてから処置をしなければならなくなってしまいます。

3-2.虫歯になって痛みがでてしまうため

横向きの親知らずは歯磨きが難しく、虫歯になってしまう可能性が高いです。親知らずの一部や全体が歯茎におおわれているので歯科検診では分かりにくくレントゲン検査が必要です。そのため虫歯が進行してから突然痛みが出て、治療が難しくなり抜歯をすることが多くなります。

3-3.歯茎が腫れて痛みがでるため

横向きの親知らずは歯茎が上に覆いかぶさっていることが多く、歯茎と親知らずの間に汚れがたまることで腫れて痛みがでます。また、噛み合う歯の親知らずが覆っている歯茎に噛み込み、腫れと痛みを繰り返すので、抜歯をおすすめします。

3-4.口臭の原因になるため

横向きの親知らずは歯垢がたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高いため、口臭の原因になります。詳しくは「親知らずが口臭の原因となる5つのメカニズムと3つの対策法」を読んでみてください。

3-5.顎や喉が痛くなるため

横向きの親知らずと歯ぐきの間から細菌が顎の中に入ると化膿して痛みます。そして親知らずの腫れは喉の柔らかい組織にも広がり、喉が赤くなり何かを飲み込む時に強く痛みます。

3-6.前の歯を押して歯並びを乱すため

横向きの親知らずはでてくる時に手前の歯を押して痛みます。また、でてくる力が手前の歯にかかり続けると離れている前歯が動いて歯並びが乱れてしまいます。

4.横向きの親知らずでも抜かない方がいい場合

4−1.親知らずの前の歯の神経がない人

歯の神経を失うと歯の寿命が短くなります。そのため親知らずの前の歯の神経がない場合は親知らずを活用するかどうか判断する必要があります。親知らずの前の歯の状態が悪いようであれば抜歯し、親知らずを矯正や移植によって使うようにします。詳しくは「歯の神経を抜く前に知っておきたかった7つのことと最新治療法」を参考にしてください。

4−2.親知らずの前の歯が大きな虫歯になっている人

親知らずが横向きになっていると歯と歯の間に細菌が残りやすく、親知らずの手前の歯が虫歯や歯周病になることがあります。手前の歯が神経まで達するような虫歯や重度の歯周病になってしまっている場合は、手前の歯を抜いて親知らずを残すことがあります。

5.横向きの親知らずを部分矯正で移動させた症例

下の写真は横向きの親知らずによって手前の歯が大きな虫歯になってしまった方です。手前の歯の根は1/3程度溶けてしまっていますが、横向きの親知らずの状態は問題がありません。そのため、手前の歯を抜歯し、横向きの親知らずを手前の位置まで部分矯正で移動させました。
費用は30万円程度で、期間は1年程度です。

部分矯正で横向きの親知らずを起こしながら、手前に移動させていきます。

移動が終わったら、戻らないように手前の歯と接着剤で固定します。

まとめ

横向きの親知らずはトラブルが多い歯です。トラブルが大きくなる前の20歳前後に抜歯をした方がいいです。トラブルが大きくなってからでは親知らずだけでなく、周りの歯が悪くなってしまうことがあります。

おかざき歯科クリニックの親知らずの抜歯治療の特徴

親知らずの抜歯治療

親知らずの抜歯は腫れや痛みを伴うことが多いです。


おかざき歯科クリニックではできるだけ痛みが軽減するような抜歯法を行っております。


親知らず抜歯前には口の中をきれいにし、抜歯後細菌が感染しないようにします。


また、CTレントゲンで事前に親知らずの方向を確認したり、骨を削る際にはピエゾサージェリーという機械で極力腫れないようにすることなどを行っています。


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