痛みもないのに歯茎から膿が出て気になる人は多いのではないでしょうか。膿は歯茎の中に細菌の住みかがあると出てくるのです。しかし、実はほとんどが歯が原因で歯茎から膿が出ているのです。そしてそのままにしておくとその歯を抜かなくてはいけなくなってしまうこともあるのです。今回は歯茎から出る膿の原因と治療法を詳しくお伝えします。ぜひ、参考にして下さい。
1.歯茎から膿が出るメカニズム
歯茎では常にお口の中の細菌と体の抵抗力である白血球などが戦っています。我々は歯ブラシやデンタルフロスで細菌を取ることによって体の抵抗力を助けています。しかし、自分で汚れが取れない部分は細菌側が勝ってしまい、白血球などの死骸である膿が出続けてしまいます。
2.膿が出ている歯茎の症状
2-1.歯茎にオデキみたいなものがある
歯茎にオデキみたいな小さな膨らみが出来ることあります。これは歯茎の中に溜まった膿の出口です。歯茎の中の膿が多くなってくると破れてそこから膿が出て、その後しぼみ、また溜まると破れることを繰り返します。
2-2.歯茎を押すと膿が出る
歯茎の中に膿が溜まると歯茎に小さな穴が開いて、歯茎を押すとその穴から膿が出てくることがあります。歯茎の中の膿とその穴は常に繋がっていて、膿が出続けています。
2-3.歯茎が腫れたり引いたりする
膿の出口が何かのきっかけで閉じてしまうと、歯茎の中で膿が溜まり、腫れてしまうことがあります。腫れは膿が出るとしぼんできます。詳しくは「歯茎が腫れた時、自宅でできる応急処置と治療法」を参考にしてください。
2-4.酸っぱい味と口臭が続く
膿が出ているところは酸っぱい味と口臭があります。膿は体が細菌と戦った白血球などの死骸です。口臭は自分では気づかないことも多いので注意が必要です。詳しくは「意外と知らない?口臭の本当の原因と適切な対処法」を参考にしてください。
2-5.痛みが出るときがある
歯茎の中に膿が溜まり、いつまでも膿が外に出せないと、内圧が高まり歯茎が痛くなります。あまり大きく腫れて痛みが強い場合は歯茎を切開して膿を出す必要があります。詳しくは「歯茎が痛いときの対処法と原因」を参考にしてください。
3.歯茎から膿が出る原因と治療法
3-1.根の先に膿の袋がある根尖病巣
虫歯が深くなり神経が自然に死んでしまったり、根の治療が不十分だと、神経があった空洞に細菌が感染し、根の先から毒素をばらまきます。すると体は骨に毒素が感染しないように根の先に膿の袋を作ります。これが根尖病巣(こんせんびょうそう)です。この中に膿が溜まり溢れてくると歯茎から膿が漏れ出します。詳しくは「歯の寿命はこれで決まる!歯の根の治療の根管治療と全情報を大公開」を参考にしてください。
治療法:根の中を消毒をする
根の中を消毒していきます。神経が死んでしまった根の中は血液が流れず、自然に治ることはありません。根の中の細菌を取り除き、細菌が感染しないように緊密に封鎖します。根の治療をしても膿が止まらない場合は、歯茎の方から切開を入れて膿の袋ごと取り出します。袋がなくなると自然に骨ができてきます。詳しくは「歯の神経の治療はなぜ何回もかかるのか?実は90%が3回以内に終わる」を参考にしてください。
根管治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。
3-2.歯周病で歯周ポケットから膿が出る
歯周病になり歯の周りの骨が溶けて歯周ポケットが深くなると、歯石や細菌が溜まります。歯周ポケットの中では細菌に骨が溶かされないように白血球などの抵抗力を出して細菌と戦います。その死骸が膿となります。歯茎はブヨブヨし、押すとねばっとした膿が出てきます。
治療法:歯周ポケット内の歯石を取る
歯茎の周りに細菌が残っていると歯茎が腫れ膿が出やすくなります。歯ブラシやデンタルフロスで歯の周りの細菌を丁寧に取り、歯茎を引き締めます。その後歯周ポケットの中の膿を歯石や細菌ごと取り除き膿が溜まらないようにしていきます。詳しくは「歯周ポケットは口臭や歯周病の始まり/歯周ポケット改善方法」を参考にしてください。
3-3.親知らずの周りから膿が出る
親知らずは横や斜めに生えていたり、部分的に歯茎が覆っていることが多い歯です。汚れが取れないため歯と歯茎の間に細菌が繁殖し、歯茎を押すと膿や口臭が出ます。場合によっては大きく腫れて痛みが出ることもあります。
治療法:早めの抜歯をする
親知らずは虫歯や歯周病によるトラブルが多い歯です。周りの歯が健康なうちに抜歯をして膿が溜まるのを防ぐ必要があります。詳しくは「親知らずの痛くない抜歯法」を参考にしてください。
3-4.歯が割れていると膿がでる
歯が割れると隙間から口の中の細菌が歯茎の奥まで入り膿が出ます。割れている一部分だけ歯周ポケットが深くなり、常に細菌が溜まって膿が出続けます。
治療法:割れている部分を接着する
歯の割れ目をふさぐことができれば膿を止めることができます。根の中からセメントで塞ぐ方法、一度抜歯して塞いでから戻す再植法(さいしょくほう)を行います。大きく割れてしまっている場合は抜歯をする必要があります。
3-5.歯茎の中に根が残っている
乳歯や抜いたつもりの歯の根が残っていると歯茎から膿が出ることがあります。残っている根のほとんどは自然に吸収されるか、歯茎の外へ出されることが多いのです。しかし、稀に歯茎の中に残ってしまい、細菌が感染し膿が出てしまうことがあります。
治療法:根を取り除く
残っている根や歯の破片を取り除きます。周りの膿ごと取り除き、きれいに洗浄すればすぐに回復します。
おすすめクリニック
おかざき歯科クリニックの基本情報
ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
土 9:00~13:00 14:00~18:00
木・日・祝日:休診日
院長経歴
岡崎 弘典
日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任
まとめ
手や足から膿が出れば何か病気ではないかと心配になると思います。歯からの膿もそのままにすれば大きな病気に発展することがあります。何かあればいつでも相談できるかかりつけの歯医者を作っておけばいざという時安心です。