歯科検診いつ行く!あなたが受けるべき虫歯や歯周病のリスク別間隔

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

歯科検診に行きたいけれどいつ、どれくらいの頻度で行けばいいのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。歯医者で行われる歯科検診は多くの場合、虫歯や歯周病の検査を行い、歯石や歯のクリーニングなどのメンテナンスを行います。しかし、実は歯科検診は虫歯や歯周病の状態によって人それぞれ受けるべき頻度が違うのです。虫歯になりやすい人や歯周病が進行している人は頻繁に歯科検診を受ける必要があり、健康な人は半年に一回程度でいいのです。今回はあなたが受けるべき歯科検診のリスク別頻度についてお伝えします。ぜひ、参考にしてください。

1.歯科検診とは

虫歯や歯周病、歯茎の病気や親知らずなどの状態を確認します。特に虫歯や歯周病は進行してから、治療をしてしまうと歯の寿命が短くなってしまいます。そのため現在は進行してから治療よりも、進行しないように予防をすることが重要になっています。自分の歯の状態を理解し、毎日の自宅で行うメンテナンスと歯科検診で行われるクリーニングを上手に合わせ、治療をするところまで虫歯や歯周病が進まないように管理します。

2.歯科検診に行くべき虫歯のリスク別頻度

2−1.虫歯にほとんどなったことがない方は半年に一度

今までほとんど虫歯になったことがない方は半年に一度程度、歯科検診を受けるようにしてください。虫歯は生活環境の変化やのむ薬によって急に増えることがあります。特に唾液量の減少によって、今まで虫歯になったことがない方がほとんどの歯に虫歯ができてしまったこともあります。定期的に歯科検診を受けることによって、口の中の変化を確認してもらうことができます。

2−2.小さい詰め物が数カ所あり、3年以上は虫歯になったことがない方は3、4ヶ月に一度

虫歯は歯の表面にあるバイオフィルムという膜に細菌が感染することによって始まります。感染したバイオフィルムは毎日の歯ブラシやデンタルフロスでこすり落とす必要があります。しかし、毎日感染したバイオフィルムを100%落とすことは難しいのです。定期的に落としきれないバイオフィルムを3、4ヶ月に一度、歯科検診で落とすことによって虫歯の進行を防ぎます。

2−3.1年以内に虫歯ができたり、詰め物などが10カ所以上ある方は1、2ヶ月に一度

毎日しっかりと歯磨きをしても虫歯ができてしまう方は歯磨き以外に問題があります。歯の質や唾液、虫歯菌の量など自分ではコントロールすることができない場合もあります。このような方は毎月の歯科検診で問題が大きくならないように対応していく必要があります。詳しくは「これで完璧!今日から家で始められる虫歯予防の全手法」を参考にしてください。

3.歯科検診に行くべき歯周病のリスク別頻度

3−1.歯周ポケットが全て3mm以内の方は半年に一度

全ての歯周ポケットが3mm以内の方は歯茎が健康です。しかし、歯周病は静かなる病気と呼ばれ、気づかないうちに進行してしまうことが多いのです。半年に一度、定期的に歯科検診を受けることによって歯周病を予防することができます。

3−2.4mmの歯周ポケットが数カ所ある方は3、4ヶ月に一度

4mmの歯周ポケットがある場所は歯ブラシやデンタルフロスで磨いても、歯周ポケットの中まで磨くことができず、細菌が残ってしまいます。これ以上歯周ポケットが深くならないように3、4ヶ月ごとの歯科検診で歯周ポケット内の細菌を取り除く必要があります。

3−3.5mm以上の歯周ポケットがある方は1、2ヶ月に一度

5mm以上の歯周ポケットの中には嫌気性菌(けんきせいきん)と言って歯周病菌の中でも悪性の強い菌が存在します。この嫌気性菌は名前のごとく空気には弱い細菌です。そのため、毎月歯周ポケット内を洗浄し、空気を送り込んでこの嫌気性菌の活動を弱めて、歯周病の悪化を防ぎます。詳しくは「歯周病の最新治療!溶けた骨を治す歯周組織再生療法」を参考にしてください。」

4.歯科検診の費用

平成28年4月より保険診療が改正となり虫歯や歯周病の治療後、1ヶ月一度再発防止のための歯科検診時のメンテナンスが行えるようになりました。費用は保険診療3割負担で3,000円程度です。歯医者によってはできないところもありますのでかかりつけの歯医者で確認してください。また、特別なメニューで自費診療で行う場合は5千円〜1万5千円程度で行う場合もあります。

5.虫歯のリスクを知る唾液検査

5−1.唾液の量を測る

唾液は溶けた歯を治す力があります。歯は食事のたびに溶ける脱灰(だっかい)と元に戻す再石灰化(さいせっかいか)が行われています。再石灰化は唾液の中のカルシウムやリン酸によって起こります。唾液の量が少ない方は虫歯ができやすいことが判ります。

5−2.唾液の力をみる

唾液による再石灰化のスピードは唾液の力によって変わります。再石灰化を起こす力が強ければ脱灰によって溶けた歯を素早く再石灰化させることができ、力が弱いといつまでも再石灰化できなくなり、虫歯ができやすくなります。

5−3.ミュータンス菌の数を調べる

ミュータンス菌が多い人は虫歯になりやすい人です。ミュータンス菌は虫歯菌を代表する菌で糖を餌にして、歯を溶かす酸を出します。口の中には多くの細菌がいてミュータンス菌の比率や数が多い方は、口の中が酸性になりやすく、虫歯ができやすい人です。5B6A1376

5−4.バチラスキンの数を調べる

バチラスキンは詰め物やかぶせものが多い方にいる虫歯菌です。金属やブラスチックなど劣化しやすい材料の隙間に住んでいて、ミュータンス菌と同じように酸を出します。

5−5.食事の頻度を確認する

虫歯は脱灰と再石灰化のバランスが崩れることによって出来ます。食事の頻度が多い方や間食、糖分の入った飲み物をダラダラと飲み続けるなど、歯が脱灰する時間が長い方は、再石灰化する時間が短くなり、歯に穴が開いてきます。

5−6.歯垢の量を調べる

歯垢は細菌の塊です。口の中に飼っている細菌が多ければ多いほど、糞である酸が多く出され、歯が溶けます。食後、増えた細菌が酸を出す前に歯垢を取り除き、歯の脱灰を防ぎます。

5−7.カリオグラムで虫歯ができる可能性を予測する

唾液検査の結果をスウェーデンで開発されたカリオグラムというソフトに、数値を入れると虫歯を1年間で防げる可能性の割合が算出されます。虫歯のリスクが高い方は歯科検診の間隔を短くするようにします。

カリオグラム

6.歯周病のリスクを知る歯周病検査

6-1.歯周病の進行を確認するための歯周ポケットの検査

歯周ポケット検査は歯周ポケットの深さ、歯茎からの出血、歯の揺れの有無を調べていきます。

歯周ポケット検査:歯と歯茎の境目の深さを測っていきます。4mm以上のポケットになるとご自身ではポケット内の細菌を取ることができず、歯周病が進行しやすくなります。
歯周ポケットの出血:出血があると歯周病が進行形であることを示します。治療はこの出血を止めることを目標にしていきます。
歯の揺れ:歯の周りの骨が溶けてくると歯が揺れてきます。歯周病の治療によって歯の揺れを止めるようにしていきます。
詳しくは「歯周ポケットは口臭や歯周病の始まり/歯周ポケット改善方法」を参考にしてください。

図3

6-2.歯茎の腫れを確認するためのお口の中の写真

お口の中の写真を撮って歯茎の腫れの状態を確認していきます。治療後や定期的に写真を撮ることによって治っている状態や、変化を診ていきます。

図1

6-3.骨の吸収状態を確認するためのレントゲン撮影

歯を支えている骨の高さは歯茎があるので見た目では確認できないため、レントゲンを撮って骨の高さをみていきます。歯周病は症状が出にくい病気のためレントゲンを撮って初めて骨が溶けていることに気づくこともあります。

図2

6−4.歯周病の状態の説明

歯周病検査によって歯周病治療を行います。その後の状態によって歯科検診の間隔を決めていきます。

図4

まとめ

歯は治療をすればするほど再治療が必要になります。歯周病は悪化すればするほど改善が難しくなります。虫歯も歯周病も進行してからでは遅いのです。かかりつけの歯医者で定期的に歯科検診を受け、治療をしなくていい健康な口の中の状態を維持することが、生涯自分の歯でなんでも噛めることができる秘訣です。

おかざき歯科クリニック院長略歴

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岡崎 弘典

マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/shougai/
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/sessyoku/
がん歯科医療連携登録医 https://ganjoho.jp/data/professional/med_info/dental/files/14_kanagawa.pdf
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

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