歯周病の最新治療!溶けた骨を治す歯周組織再生療法

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

歯茎の腫れや痛みの繰り返しで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。歯周病によって歯の周りの骨が溶かされると、歯周ポケットが深くなり、歯茎の腫れが繰り返されます。しかし、実は歯周病で溶けた骨を再生させる歯周組織再生療法があるのです。骨を再生させることによって、歯茎の腫れもなくなり、歯の寿命が伸びるのです。今回は歯周病で溶けた骨を再生させる治療法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

1.歯周組織再生療法とは

歯周組織再生療法とは、歯周病で溶けてしまった骨を再生させ、骨を作り出す治療法です。歯周病は進行すると歯周ポケットを作り、そこから歯の周りの骨を溶かしていきます。溶けてしまった周囲の汚れを取り、薬などを入れることによって、骨を作り出す治療です。

1−1.歯の根と根の間の骨の再生

レントゲンでは点線で囲まれている根と根の間の部分が黒く抜けています。黒く抜けている部分は歯周病により歯の根と根の間の骨が溶けてなくなっている状態です。

 歯周組織再生療法を行うことによって、歯の根と根の間の骨が再生しています。

1−2.歯と歯の間の骨の再生

歯と歯の間の骨が溶けています。歯周ポケットも深くなり、歯茎からは膿が出ている状態です。

歯周組織再生療法を行うことにより、骨が再生されています。

2.骨を再生できる条件

2−1.歯磨きや歯間ブラシで歯茎が引き締まっている

骨を再生させるには歯茎が引き締まっている状態である必要があります。汚れが付いていたり、歯茎が腫れていると再生させた部分が感染してしまい、失敗してしまうことがあります。また、骨ができたとしても自分で汚れを管理できなければ、また骨が溶けてしまいます。そのため、引き締まった歯茎で、きれいな口の中を維持できる人にしか治療ができません。詳しくは「歯の隙間にはこれ!歯医者が歯間ブラシを勧める3つの理由」を参考にしてください。

2−2.周りの骨が残っている

歯の周りの骨を再生させるのに周りに骨が残っている必要があります。全体的に骨がなくなっている歯の周りには骨を再生することができません。骨を再生させるためには足場が必要なので、ある程度周りの骨が残っている場合に治療ができます。

2−3.タバコを吸っていない

タバコを吸っている方の歯茎は毛細血管が収縮し、血液の流れが悪くなっています。骨を再生させるのは周りの歯茎が健康な状態で、歯茎自体の再生する力が備わっている必要があります。そのためタバコを吸っていない健康な歯茎の方のほうが成功率が高くなります。

2−4.糖尿病や骨粗しょう症などの全身の病気がない

骨や免疫に対する病気があると治療後、感染しやすくなり骨が作ることができません。糖尿病やリュウマチ、骨粗しょう症など特に自己免疫疾患の方はお勧めできません。

3.歯周組織再生療法の流れ

3−1.歯周病の初期治療

歯周病の初期治療では現在の歯茎の状態の検査、口の中の細菌を減らすための歯磨きの仕方や歯間ブラシの使い方、取れる範囲の歯石除去を行います。再生治療に向けて歯茎の状態を整えていきます。

3−2.CT検査

再生治療に向けて最終的な骨の状態をCTレントゲンで3次元的に確認します。再生治療が可能かどうか、どれくらい骨が溶けているのかなどを確認します。詳しくは「最新歯科用CTレントゲン/治らない歯の痛みを解決する!」を参考にしてください。

3−3.麻酔をし、歯石を取る

通常の歯石取りでは痛みを伴う歯茎の中の歯石は、麻酔をし、歯茎を切って、中を確認しながら取り残しの無いように歯石を取ります。

3−4.溶けてしまった骨の部分に薬を入れる

溶けてしまった骨の部分に骨を再生する薬のエムドゲインや人工の骨、人工の膜などを置くなどして骨を再生させるような処置をします。詳しくは「歯周病で溶けた骨を治療するエムドゲイン再生療法とは!」を参考にしてください。

3−5.歯茎を糸で縫う

再生させる部分が感染しないように歯茎を糸で縫います。骨を再生させる部分はきれいに歯茎で閉じる必要があります。そのため細い糸で緊密に縫う必要があります。赤く腫れた歯茎やニコチンがたまった歯茎では、治りが遅くなり感染し、骨の再生ができなくなります。

3−6.骨ができるのを待つ

骨ができるには半年から1年程度必要です。その間は1ヶ月に1度程度、感染しないように歯医者で汚れを取る必要があります。骨ができてくると歯周ポケットが浅くなり、歯茎からの出血も出なくなります。

3−7.3ヶ月おきににメンテナンスをする

歯の周りに骨ができても、新たに歯周病が進行してしまえば今までの努力が無駄になります。今後は毎日の歯磨きを丁寧に行い、3ヶ月に一度定期的に歯のメンテナンスする必要があります。詳しくは「3ヶ月に一度!歯医者でPMTCを行った方がいい6つの理由と費用や手順」を参考にしてください。

歯周病で溶けた骨を再生させるエムドゲイン再生療法の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

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おかざき歯科クリニックの基本情報

ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
                     土          9:00~13:00 14:00~18:00 
     木・日・祝日:休診日

院長経歴

岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

まとめ

歯周病で溶けてしまった骨を再生させるには外科的な治療を伴い、とても高度な治療法です。 また口の中がきれいに管理されていないと再生した骨も戻ってしまいます。費用も期間もかかる治療ですので治療後はメンテナンスをしっかり行い、健康な歯茎の状態で維持していくようにしてください。

歯茎下がりは歯周病の始まり

歯周病治療

歯茎が下がると歯がしみやすくなります。あなたは大丈夫でしょうか?


これが歯周病の始まりなのです。


歯周病は虫歯と違って、重度になるまで痛みなどの自覚症状がないため、気付いたら歯が抜ける寸前だったということも少なくありません。歯を支える骨が溶けて、最悪歯を残すことが難しくなるケースもあります。


これから20年、30年、生涯にわたって自分の歯で過ごすためには、今が大切です。 ひどくなってしまう前に、いちど検診を受けることをおすすめします。



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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

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