親知らずを口腔外科で抜歯したほうがいい判断基準とおすすめ口腔外科

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

親知らずの抜歯をしたいけれど歯医者で抜いてくれるのか、口腔外科で抜いたほうがいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。口腔外科とは親知らずの抜歯やインプラント、癌など口の中の外科的な処置を専門に行う診療科です。しかし、実は親知らずの状態によって歯医者で抜ける場合と口腔外科で抜いたほうがいい場合があるのです。今回は親知らずを口腔外科で抜いたほうがいい判断基準をお伝えします。ぜひ参考にしてください。 

1.親知らずを口腔外科で抜く判断基準

1−1.かかりつけの歯医者で親知らず抜歯を行なっていない場合

かかりつけの歯医者で親知らずの抜歯を行なっていない場合は口腔外科に紹介してもらいます。歯医者の方針によって親知らずの抜歯を行っていなところや、難しい抜歯だけを口腔外科に依頼しているところもあります。自分の体や口の中のことをよく知っているかかりつけの歯科医に相談することが安心です。

1−2.親知らずが顎の神経に絡みついている場合

下の親知らずの近くには大きな神経と血管が入っている下顎管(かがくかん)というものがあります。親知らずの抜歯の際、下顎管に傷がついてしまうと出血が止まらなかったり、麻痺が残ってしまうことがあります。親知らずが下顎管に絡みついている場合は口腔外科で抜歯したほうがその後の対応が迅速に行うことができます。

1−3.親知らずが顎の骨の深くにある場合

親知らずが顎の骨の深くにある場合は口腔外科で抜歯したほうがいいです。このような親知らずを抜歯するには親知らずの周りの骨を大きく削る必要があります。そのため、抜歯後に腫れや痛みが出る可能性が高くなります。詳しくは「親知らずの抜歯後に痛みを早く取り除く12の方法」を参考にしてください。

1−4.出血が止まりにくいなど体に病気がある場合

糖尿病や骨粗しょう症、癌など親知らずを抜歯する際、全身的な管理が必要な場合は口腔外科で抜歯したほうがいいです。体の症状が重篤な場合は親知らずの抜歯自体ができないことがあります。医科の主治医に確認の上、抜歯が可能かどうかの判断をする必要があります。

注意

歯科医は経験や考え方によってどこまでの親知らずの抜歯を行うかに違いがあります。かかりつけの歯科医と相談の上、口腔外科で抜歯をするか、歯医者で抜歯をするか決めてください。口腔外科での抜歯は紹介状が必要な場合もあります。

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2.親知らずの生え方による口腔外科で抜く判断基準

2−1.まっすぐ生えている親知らずは歯医者で抜いてくれる

親知らずがまっすぐに生えている場合は一般の歯医者で抜いてくれます。親知らずがまっすぐに生えていても、虫歯や歯周病で抜歯をする場合もあります。まっすぐに生えている親知らずであれば、時間もかからず一般の歯医者で抜いてくれることが多いです。

2−2.横に生えている親知らずは歯医者によっては抜いてくれる

親知らずが横に生えている場合は歯医者によっては抜いてくれることがあります。横に生えている親知らずは歯茎や、骨を取り除いてから抜歯をする必要があります。そのため、歯医者によって抜いてくれる場合と口腔外科に紹介する場合があります。

2−3.完全に埋まっている親知らずは一部の歯医者で抜いてくれる

完全に埋まっている親知らずの抜歯は一部の親知らずの抜歯が得意な歯医者で抜いてくれます。完全に埋まっている親知らずを抜歯する場合は親知らずの抜歯の経験豊富な歯科医でなくては抜くことができません。また、親知らずが深くにあればあるほど神経に近くなる為、CTなどで神経に歯の根が絡んでいないか確認する必要があります。かかりつけの歯医者に相談の上、口腔外科に紹介してもらいます。

2−4.骨の奥に入り込んでいる親知らずは口腔外科か口腔外科の標榜されている歯医者で抜いてくれる

 骨の奥に入り込んでいる親知らずは口腔外科か口腔外科の看板を掲げている歯医者で抜歯してくれます。骨の奥まで入り込んでいる親知らずを抜歯する際は専門的な知識と何かあった時に対処できる設備が必要です。そのような設備があるところで抜歯をしたほうが安心です。かかりつけの歯医者に相談の上、口腔外科に紹介してもらいます。

3.おかざき歯科クリニックの親知らず抜歯の事例

親知らず抜歯の治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。具体的にイメージが湧くと思います。

3−1.横に生えている親知らず

親知らずが横向きに生えています。この親知らず抜歯はおかざき歯科クリニックで抜歯しました。歯石を取るなどして口の中をきれいにしてから、CTで3次元的に親知らずの方向と神経との関係を確認します。抜歯時間は20分程度です。詳しくは「親知らずの痛くない抜歯法」を参考にしてください。

3−2.方向はまっすぐだけど完全に骨の中にある親知らず

親知らずの上に骨が安全に覆われています。この親知らず抜歯はおかざき歯科クリニックで行っています。CTで親知らずを3次元的に確認後、歯茎の切開、覆われている骨の除去、歯を3つに割って抜歯をしています。時間は40分程度です。

3−3.骨の奥に入り込んでいる親知らず

 

親知らずが骨の奥まで入り込んでいます。この親知らずの抜歯はおかざき歯科クリニックで行っています。CTで親知らずの方向と神経との関係を確認後、歯茎の切開、骨の除去、歯を2つに割って抜歯しています。時間は40分程度です。もし、CT検査の結果、神経と親知らずが絡んでいた場合は口腔外科に紹介します。

3−4.神経に絡みついている親知らずを2回に分けて抜歯する方法

上の写真は親知らずの根が神経に絡みついている状態です。このまま抜歯すると神経の麻痺が出てしまう可能性があります。CTで確認してもやはり神経に絡んでいました。年齢が20歳なのでまだ親知らずに動く力があるため、一度親知らずの頭の部分だけを抜き、3ヶ月待ちます。親知らずが前の方に動き、神経と離れてから抜歯を行いました。抜歯はおかざき歯科クリニックで行っております。詳しくは「親知らずを20歳前後に抜いたほうがいい9つの理由と年齢別リスク」を参考にしてください。

 4.横浜近郊のおすすめ口腔外科

4−1.平成横浜病院口腔外科

平成横浜病院

おかざき歯科クリニックでは抜歯が難しい親知らずを依頼している病院の口腔外科です。設備や口腔外科医が充実している病院です。

4−2.鶴見大学歯学部附属病院口腔外科

図1

大学病院では多くの難しい親知らずの抜歯が行われています。経験豊富な歯科医が多く勤務しています。特殊な場合の親知らずは鶴見大学で抜歯することをお勧めします。

4−3.横浜総合病院

 

地域の中核をなす総合病院です。口腔外科は信頼度が高く、常に多くの患者さんが訪れています。近くの方はぜひ横浜総合病院で親知らずの抜歯をすることをお勧めします。

5.口腔外科に紹介してもらう方法

5−1.かかりつけの歯医者で紹介状を書いてもらう

大学病院等の口腔外科で治療を行うにはかかりつけの歯医者で紹介状を書いてもらう必要があります。自分で探して口腔外科にかかる場合は紹介状がなしで治療が可能か確認してください。

5−2.かかりつけの歯医者でレントゲン等のコピーをもらっておく

親知らず抜歯の際にはレントゲンが必要になります。口腔外科で再度レントゲンを撮る場合もありますが、かかりつけの歯医者で撮ったレントゲンがあれば撮り直す必要がない場合もあります。

5−3.直接口腔外科に行く場合は電話で確認をする

かかりつけの歯医者がなく直接口腔外科に行く場合は、必ず確認の電話をしてください。多くの場合、予約制を取っていることが多いため、電話で紹介状がなくて可能か、場合によっては一度にすべての親知らずを抜いてくれるところもあります。

おすすめクリニック

おかざき歯科クリニックの基本情報

ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
                     土          9:00~13:00 14:00~18:00 
     木・日・祝日:休診日

院長経歴

岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

まとめ

 一番安心なのが口腔外科、経験の多い歯科医がいるのであればかかりつけの歯医者で親知らずを抜歯するのがいいのではないでしょうか。親知らず抜歯を考えている方は、一度、自分のことをよく知っているかかりつけの歯医者で相談してみてください。

おかざき歯科クリニックの親知らずの抜歯治療の特徴

親知らずの抜歯治療

親知らずの抜歯は腫れや痛みを伴うことが多いです。


おかざき歯科クリニックではできるだけ痛みが軽減するような抜歯法を行っております。


親知らず抜歯前には口の中をきれいにし、抜歯後細菌が感染しないようにします。


また、CTレントゲンで事前に親知らずの方向を確認したり、骨を削る際にはピエゾサージェリーという機械で極力腫れないようにすることなどを行っています。


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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

コメント

  1. 鎭雄 より:

    80歳の老爺、慢性心房細動でワーフアリン2/日服用、口内炎が3か所あり歯科では埋没した親知らずが原因かと口腔外科に紹介を頂きました。その歯の周りが少し黒い、とのこと。口内炎そのものの苦痛はありませんが先だって亡くなられた巨泉氏が15個も出来ているとのこと、また、県がんセンターでの記事に口腔がんが記事になっていたことから抜歯してもらった方がいいか、このままの方がいいのか、迷っています。26日が予約日です。

    1. 岡崎 弘典 より:

      親知らずのトラブルは大変ですよね。体調や体の状態が耐えられるのであれば抜歯したほうが、その後のトラブルは減るのではないでしょうか。
      ただし、親知らずが埋没している状態や、年齢もあるので口腔外科の先生とよく相談してから決めてはいかがでしょうか。
      また、口内炎は免疫力の低下で出来やすくなります。全てがガンと結びつくとは限りませんが、これも口腔外科の先生に相談すれば原因がわかるかもしれません。

  2. 老爺 より:

    ご親切に有難うございました。このページの全てを拝読し様々なことがわかりました。
    親には随分と泣かされましたが、ここにきて親知らずとはどういうことなのでしょうか。
    釈迦の説、四百四病の四病は背負っていますが、まだ四百もあるとすれば序の口かもしれません。
    お忙しい中、深謝の極みであります。

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