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インプラントの失敗と安全ガイド

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虫歯や歯周病、外傷で歯を失った場合、インプラントを考える人が多くなったのではないでしょうか。インプラントとは歯を失った場所の骨に人工の根を入れ新たな歯を作ることをいいます。それでもインプラントは何となく怖いと思ってしまいますよね。インプラントはかみ合わせにとってメリットが多く、歯を失った時、もっとも自然に機能を回復できる治療です。今回はインプラント治療の失敗とその対処法、そして失敗しない方法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

1.インプラントとは

di030208インプラント治療は、むし歯や歯周病、ケガなどによって失われた歯の無い部分に、人工歯根(インプラント)を埋め込み、自然な感覚の状態まで回復させる治療法です。もちろん100%の治療ではないため失敗も起こります。しかし、入れ歯では得られなかった人生の楽しみをインプラントによって回復し、おいしいのものを食べ、大きく笑い、好きな歌を歌うこのようなことができるインプラントは自分の気持ちを前向きにさせてくれます。健康な隣の歯を削らずに治療ができ、見た目も自然で、自分の歯と同じような快適性と感覚を得ることができます。詳しくは「初めてのインプラント治療ガイド」を参考にしてください。

2.インプラントの失敗でどんなことが起こるのか

インプラントは100%成功ということはありません。ただし、準備や予測をすることによって防げる失敗も多くあります。

2-1.インプラントが抜けてしまう

2-1-1.処置の時にインプラントが入れられなかった

インプラントはCTで骨の厚みや高さを診断をした上で行います。CTを撮影せずに行うとインプラントを入れようとした時に、高さや幅が全然足りなくてインプラントを入れることができない場合があります。また、予想以上に骨が軟らかくてインプラントを固定できず断念せざる得ないこともあります。インプラントでは術前の検査は欠かせないものです。

対処法

CTの検査や体の状態をしっかり把握したうえで行ってもらいましょう。インプラント治療の80%は診断で決まります。診断が間違っていればインプラントさえ入れることができなくなります。もう一度検査診断をやり直してインプラント治療ができるかどうか確認したうえで行ってください。

2-1-2.インプラント処置後2か月以内に抜けてしまう

インプラントで一番大事な時期は処置をして2か月です。インプラントを入れた後、この2か月でインプラントと周りの骨が着き、固くなってきます。その前に細菌が感染してしまうと、インプラントと骨の間に隙間ができて抜けてしまいます。喫煙者や糖尿病、骨が軟らかい方に起こりやすいです。また、歯医者側の技術的な問題で骨にダメージを与えたり、初期固定(インプラントを骨にネジで固定すること)が不足していると抜けることがあります。

対処法

出来れば禁煙をしたほうがいいです。喫煙者はインプラントの成功率や生存率を下げることを承知の上で行ってください。また、インプラントの周りの磨き方などは歯医者の指示通り行い、食事も固いものなどは避け、極力ものが当たらないようにしてください。歯医者の技術的な要因は対処しようがありませんが、ドリルによる骨のやけどと初期固定不足が主な原因です。2,3か月して骨が回復後再度インプラント処置を行います。

2-1-3.インプラントに被せものをしてから抜けてしまう

0867001002インプラントは骨と着いたことを確認してから被せものをするために早期にはあまり多くはありません。歯ぎしりや食いしばりが強い方、かみ合わせ調整不足など、気づかずにいた場合に起こります。多少揺れてきた程度であれば調整することによって戻ることもありますが、完全に抜けてしまうとやり直しになります。

対処法

歯は歯根膜(しこんまく)という力を分散できる膜がありますが、インプラントは骨と直接つながっているため緩衝するところがありません。そのために強い力が直接インプラントに加わります。被せものをした後すぐは、何度かかみ合わせを調整していく必要があります。2,3か月して骨が回復後再度インプラント処置を行います。

2-2.インプラント手術後に起こること

2-2-1.インプラント手術後出血が止まらない

インプラント手術後に出血が止まらない場合があります。原因はドリルの方向を間違って違う方向に穴を開けてしまった時や、骨の中の大きな血管を傷つけてしまった場合に起こります。

対処法

手術中に大量の出血が起こった場合には救急病院に行く必要があります。日本では一例死亡事故も起きています。多少の歯茎からの出血であればガーゼを1時間ほど噛んでいれば止まります。

2-2-2.インプラント手術後痛みが取れない

インプラント手術後に痛みが取れない場合があります。骨にドリルをするときにやけどさせてしまったり、インプラントを強く入れ込みすぎたり、骨の中の神経を圧迫することによって起こります。詳しくは「痛くないインプラント治療と痛みの比較」を参考にしてください。

対処法

痛み止めと抗生物質を1週間ほど飲んでもらいます。ほとんどの場合治まってきますが、1か月以上傷みが続くようであればインプラントを取らなくてはいけない場合もあります。

2-2-3.インプラント手術後口の周りがしびれる

主に下の歯の奥歯のインプラントの時に起こります。下の顎には大きな神経(下歯槽神経・かしそうしんけい)が走っています。この神経を傷つけてしまうと口の周りや唇がしびれる感じが残ります。

対処法

1週間程度で治まる方もいれば半年近く残る方もいます。痛みがある場合はペインクリニックなどでコントロールしてもらいます。インプラントはそのままにして自然に治るのを待つ場合と、取ってしまう場合があります。

2-2-4.インプラント手術後鼻血が出る

上顎の奥歯のインプラント手術後に起こります。上顎は鼻につながる空洞(副鼻腔・ふくびくう)と近くこの粘膜に傷が付くと鼻血が出ます。上顎の骨は軟らかいため、インプラントを固定するために副鼻腔の固い骨を利用することが多く、その際多少の出血があります。

対処法

インプラント手術後は鼻を強くかまないようにします。また抗生物質を1~2週間のむことで改善することが多いです。1か月以上痛みが続くようであればインプラントを取らなくてはいけない場合もあります。詳しくは「虫歯じゃないのに歯が痛い上顎洞炎で起こる8つの症状と最適な治療法」を参考にしてください。

2-3.インプラント治療後に起こること

2-3-1.インプラントの周りが腫れてしまう

インプラントの周りに汚れが溜まってしまうと歯ぐきが腫れて膿んでしまうこともあります(インプラント周囲炎)。インプラント処置をされた方は定期的なメンテナンスが絶対必要です。これを怠るとせっかく手に入れた新しい歯が台無しになってしまいます。

対処法

インプラントの被せものを一度はずして周りを洗浄します。腫れが歯茎だけであれば早くに改善します。骨まで細菌が入っている場合は歯茎を開いてインプラント周囲を洗浄する必要があります。

2-3-2.インプラントが抜けてしまう

インプラント周囲の腫れが長く続くとインプラントは抜けてしまいます。インプラント周囲炎は歯で言う歯周病と同じことです。日々のブラッシングやメンテナンスを怠るとインプラントも歯周病になり抜けてしまうことがあります。

対処法

抜けてしまった後、骨が残っていれば再度インプラント処置が可能です。骨の吸収が多ければ骨を作る処置をプラスしなくてはいけない場合もあります。

2-3-3.インプラントの被せものが揺れてくる

インプラント処置した歯が揺れて驚かれる方もいますが、ほとんどはインプラントの被せものが揺れている場合が多いのです。インプラントは骨の中の本体に強い力が加わり続けないように、被せものとインプラントをネジでつないでいます。そのネジが緩むことによって緩衝しています。

対処法

インプラントと土台のネジを締め、かみ合わせを調整することで解決します。

2-3-4.インプラントの被せものが欠けたり取れたりする

インプラント以外の周りの歯は時間の経過とともにすり減ったり動いたりしています。インプラントの歯は骨と直接つながっているために動くことがありません。そのためかみ合わせの変化に対応できず被せものが欠けてしまったり、取れたりすることがあります。

対処法

多少の欠けであれば調整します。また、取れてしまったものも付け直します。かみ合わせを確認し周りの変化に合わせた調整をします。定期的に調整することも必要になります。また、歯ぎしりが強い方はマウスピースで保護する場合もあります。

3.インプラントを失敗しないための施設選び

3-1.必ずCT検査をしてくれる施設

ct-17インプラントは顎の骨の中に人工の歯根を埋め込む治療です。顎の厚み、高さ、神経までの距離、副鼻腔までの距離などCT無では確実な診断ができません。必ずCTを撮影し3次元的な診断をした上でインプラントを行ってくれるところを選んでください。その施設にCTがあれば、インプラント処置後の確認や何かあった時の対応が素早く行うことができます。

3-2.シュミレーションソフトで説明してくれる施設

インプラントは一度、顎の骨の中に入れると動かすことができません。顎の中のどの位置に、どのくらいの長さのインプラントを入れるか、CT撮影後シュミレーションソフトで説明してくれる施設で行うようにしてください。シュミレーションせずに行うことは設計図を描かずに家を建てるようなものです。

3-3.最新:ガイデッドサージェリー

ガイデッドサージェリーとはインプラントの精度をさらに向上させるためにシュミレーションソフトから位置情報をマウスピースに取り込み、インプラントのズレをほぼ無くして行う方法です。人間の感覚に頼らずに行えるため高精度の治療が行えます。また、この方法だと歯茎に切開を入れたり、糸で縫ったりすることもありません。治療後の腫れや痛み、出血をなくすことができ、体にやさしいインプラントを行うことができます。

3-4.感染対策をしっかりしている施設

IMG_0113インプラントは生体の中に人工の金属を入れる処置です。抜歯のように悪いものを外に出すのではなく、異物を中に入れる高度な滅菌システムが必要になります。一般歯科医院で行われているものではなく、医科の手術で行われるクラスBと言われる滅菌器が必要になります。

3-5.生体モニターやAEDがある施設

インプラント手術の際は感染しないように顔に滅菌シートをかぶせます。顔の表情や色が確認できないため生体モニターで監視しながら手術を行います。また、麻酔など行う歯科医院では急激な血圧の上昇を起こす場合があり、AEDが当たり前のように置かれています。

3-6.予防歯科を取り入れている施設

インプラントも歯周病になり抜けてしまうことがあります。インプラント処置前には歯周病菌を減らすように、歯周病治療を行います。処置後はインプラントが感染しないように定期的にクリーニングをします。インプラントは体にとって異物のため、一生涯メンテナンスをし続けなければなりません。予防システムがしっかりとしている施設で行わないと、インプラントを入れた後、アフターケアが何もないまま、終わりにされてしまいます。

3-7.研修によく参加している施設

インプラントは日々進化しています。昔のやり方をいつまでもやっていては成功率は上がりません。新しい知識を吸収するために海外研修や定期的に勉強会に参加しているスタッフが多い施設を選ぶようにしてください。

4.インプラントの安全と料金の決定方法

現在インプラントの料金は低価格のものから高価格のものまで多くの金額設定がされています。インプラント処置のみ(被せものは除く)ですと7万円から30万円くらいまで幅があります。インプラント本体、ガイデットサージェリー用のマウスピースの原価だけでも10万円程度かかります。さらにCT、感染対策をしっかり行えばおのずと金額は決まってきます。安すぎるインプラントにはどこかで手を抜かなくてはいけません。インプラントを失敗しないためには慎重に施設を選ぶ必要があります。

5.インプラントをやってはいけない方

5-1.骨粗しょう症の方はインプラントが骨に固定できない

骨粗しょう症の方は骨が弱く、骨折しやすい方です。インプラントは顎の骨に金属を固定するために、骨粗しょう症のような骨の弱い方に行うとインプラントが固定できずに抜けてしまいます。また、骨粗しょう症のお薬でビスフォスフォネート系のお薬を飲んでいる方はインプラントを行うと骨が壊死してしまう可能性があるので絶対行うことは出来ません。

5-2.糖尿病の方はインプラントが感染しやすい

糖尿病の方は細菌に弱く感染症にかかりやすいです。インプラントは外科処置のため糖尿病の方は処置後の回復が遅れインプラントと骨が着く前に感染して抜けてしまうことがあります。インプラントができる目安はHbAlc6.5以下にコントロールされ、最低でも6.9以下である必要があります。

5-3.リュウマチの方は主治医に相談してから

絶対出来ないわけではありませんが、CRP(C反応性淡白)の数値や普段飲んでいるお薬の種類(骨粗しょう症の薬を飲んでいることもあります)によってかわります。必ず主治医に確認したうえで行うようにしてください。

5-4.抗血栓療法は血が止まりにくい

抗凝固剤をのまれている方は外科処置を行うと止血がしにくくなります。インプラント治療の場合は他の外科処置より出血は少なくて済みますが、主治医に確認してから行うことになります。

5-5.心臓疾患は感染対策

心疾患が重篤な方は避けたほうがいいでしょう。軽度の方でも術前に抗生物質をのんで、心臓への感染対策を行ってからインプラント処置をします。

5-6.高血圧症の方は内科でコントロール

インプラント治療を行う際には必ず内科で血圧をコントロールされている必要があります。一般的に高血圧は最高血圧140mmHg以上・最低血圧90mmHg以上とされていますが痛みなどにより血圧は大きく変動します。血圧の薬を飲みながらインプラント処置を行います。

5-7.不安が多い神経疾患の方

インプラント処置は初めての方が多く、精神的に不安になり耐えられない方は無理に行わないほうがいいでしょう。

5-8.成長期の方/20歳過ぎてから

インプラントは骨とインプラント体を固定するものです。成長過程の方だと歯や顎の位置、かみ合わせなどが定まっていないのでインプラント治療後にかみ合わせが変わった場合、やり直さなくてはいけません。そのため成長が止まった20歳以降まで待ってから行ったほうがいいのです。

6.インプラントを長持ちさせる方法

6-1.禁煙は肺も歯茎も回復させる

喫煙はニコチンにより歯茎の毛細血管を収縮させて、インプラントの周りの抵抗力を低下させます。インプラント手術初期の感染や長期的な歯周病に対するリスクが高くなります。

6-2.歯ぎしりはマウスピースで守る

歯ぎしりはインプラントだけではなく、他の歯に取っても脅威です。歯ぎしりによる力は普段食事で噛む力の何十倍にもなります。歯ぎしりが強い方は必ずマウスピースで歯やインプラントを守りましょう。詳しくは「歯ぎしりによって起こる怖い出来事/マウスピースがあなたの歯を守ってくれる」を参考にしてください。

6-3.メンテナンスは一生

インプラントは他の歯より細菌に対する抵抗力が弱いです。歯周病もそうですが、定期的にプラークや歯石を取ってメンテナンスしないと悪化してしまいます。詳しくは「絶対歯石を取ったほうがいい本当の理由」を参考にしてください。

6-4.かみ合わせの調整

インプラントは骨と直接固定されているため歯はすり減ったり、動いたりして少しづつ位置を変えています。そのため定期的に噛み合わせを調整していかないとインプラントだけが強く当たってしまい、抜けたり、揺れたりしてしまいます。

7.それでもインプラントは失敗する場合もある

インプラントの処置前の準備はとても大切です。CTで確認し、シュミレーションして完璧にしたとしても、インプラントが取れてしまうことがあります。原因は不明で統計では100本中2〜3本起こる確率です。100%の治療ではないことを認識した上でインプラントを選んでください。それでも成功すればより大きなメリットが得られるはずです。

まとめ

治療に100%はありません。ただし100%に近づける方法は多くあります。せっかくのインプラント治療です。できるだけ長く使えるインプラントであってほしいものです。

 

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