歯医者がやっている虫歯ができない歯磨き方法・時間・回数・タイミング

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

頑張って歯磨きをしているが虫歯ができてしまう、歯医者でいつも虫歯を削られ、歯がなくなるのではないかと心配な方も多いのではないでしょうか。虫歯は削れば削るほど再治療が繰り返される病気なのです。しかし、実は虫歯治療をしている歯医者はあまり虫歯ができないのです。なぜなら虫歯ができない歯磨き方法を知っているからなのです。歯医者も自分の歯を虫歯にしたくないのは同じなのです。今回は歯医者がやっている虫歯ができない歯磨き方法、時間、回数、タイミングをお伝えします。ぜひ、参考にしてください。

目次

1.歯医者がやっている虫歯ができない歯磨き方法・時間・回数・タイミング

1−1.歯医者がやっている歯磨き法/スクラビング法

歯医者は主にスクラビング法といって歯ブラシを歯に直角に当てて磨きます。虫歯予防にはスクラビング法が最も歯垢が効率的に落ちる方法です。また、一番奥の歯や凸凹している部分、歯茎が下がっている部分は歯ブラシを縦に入れたり、斜めに入れたりして磨いています。

ポイント 力の入れすぎで歯茎を傷つけない

歯を磨く時、ゴシゴシと力を入れすぎると歯ブラシの毛先が開いてしまい、歯垢が落ちる効果が下がってしまいます。歯にブラシを当てた時に多少、毛先がしなる程度の力で磨きます。はじめは物足りなさを感じるかもしれませんが、最も効率的な磨き方です。どうしても力が入ってしまう方は毛が多く柔らかい歯ブラシをお勧めします。

1−2.歯医者はデンタルフロスは欠かせない

歯医者は毎日虫歯の治療をしているので、虫歯の多くがどこにできるかを知っています。実は虫歯の90%は歯と歯の間からできているのです。そして歯と歯の間は歯ブラシでは磨けず、デンタルフロスを使わなければ虫歯の原因である歯垢を落とすことができないのです。そのため歯医者はデンタルフロスを毎日使って、虫歯にしないようにしているのです。

ポイント 歯周病の方には歯間ブラシ

歯周病で歯と歯の隙間が広がっている方には歯間ブラシの方が歯垢を効率的に落とせます。歯間ブラシにはサイズがありますので、歯の隙間にあった歯間ブラシを使うとデンタルフロスより簡単に歯垢を落とすことができます。

1−3.歯医者がやっている歯磨きの平均時間15分

歯医者は虫歯の原因である歯垢を落とすのには、歯ブラシでこすり落とさなければいけないことを知っています。歯垢は歯にベトベトと粘りついているため、歯の面に歯ブラシがしっかり当たり、10回ほど磨かないと落ちないのです。そのため全ての歯垢を落とすのに歯磨きのプロの歯医者でも15分程度かけて落としているのです。

ポイント 磨き残しを防ぐためにはデンタルフロスを先にする

歯の表面の歯垢は食事や唇や舌の動きなどである程度は自然に落ちています。しかし、歯と歯の間の歯垢はデンタルフロスを使わなくては落とすことができません。時間がない時などは先にデンタルフロスで重要なポイントを磨き、残りの時間で歯ブラシを使うと効果的です。

1−4.歯医者がやっている歯磨きは2、3回

歯医者は虫歯菌がタンパク質や糖を分解して歯を溶かす酸を作ることを知っています。そのため食後に磨くことによって虫歯菌が増える前に擦り落としてしまいます。また、虫歯の多くは唾液が減る寝ている時に作られるため、寝る前には特にしっかり磨きます。

ポイント 夜だけは必ず磨く

どうしても1日一回しか磨けないという方は、夜寝る前に時間をかけてしっかり磨くことをお勧めします。朝昼は口臭予防、夜は虫歯予防と考えると磨き方を変えることができます。

1−5.歯医者がやっている食後30分の歯磨き

歯医者は唾液の力によって虫歯菌の出した酸が中和されることを知っています。歯は虫歯菌の出した酸によって溶かされ、虫歯になります。そのため歯磨きは食後すぐではなく、唾液が酸を中和した後の30分後くらいに磨くのです。しかし、唾液の中和する力が弱い方は食後すぐ磨いた方が虫歯ができにくいのです。

ポイント みかんやお酢などの酸性の強いものを食べた後は30分待つ

歯が酸によって溶かされる病気を酸蝕症(さんしょくしょう)といいます。酸蝕症は虫歯でもないのに歯が溶かされ、歯がボロボロになっていき、実は虫歯より怖い病気です。自分の唾液の力を知ることによって酸蝕症に対応できます。唾液の検査は歯医者で行うことができます。

1−6.歯医者は歯磨き粉を多めに使う

歯磨き粉の中には汚れを落としやすい成分やフッ素など歯を強化する成分が含まれています。歯磨き粉を使うことによって、効果的に虫歯予防を行うことができます。歯磨き粉が苦手な方は、歯磨き後にフッ素などの洗口剤がおすすめです。

ポイント 市販の歯磨き粉のフッ素の量が増えた

今までは市販の歯磨き粉のフッ素濃度は高いもので950ppmでした。平成29年3月に厚生労働省より、フッ素濃度の変更があり、1,450ppmの歯磨き粉が販売されるようになります。今までのフッ素濃度より1.5倍となり、ヨーロッパの基準に合わせたものとなります。このことにより今後より歯磨き粉による虫歯予防効果が高くなることが予想されます。

1−7.歯医者は歯磨きの時コップを使わない

歯医者は歯ブラシを濡らさず、そのまま歯磨き粉をつけて歯を磨きます。磨き終わったら、手で水をすくい、一度うがいして終わりにします。これは歯磨き粉の中のフッ素をできるだけ口の中にとどめておき、効果的に虫歯予防するための方法です。

ポイント フッ素を口の中に長く残す

歯はフッ素と結びつきフルオロアパタイトとなり、歯の表面を強化します。これは虫歯菌の出す酸に抵抗するものです。しかし、歯は食事のたびに溶かされてしまうので、フルオロアパタイトを作り続ける必要があります。そのため、最も簡単で効果的なのが歯磨き粉に含まれるフッ素を長時間口の中にとどめておくことなのです。

1−8.歯医者は毛先が開いた歯ブラシを使わない

歯医者は毛先の開いた歯ブラシを使うと歯垢が落ちにくいことを知っているために、毛先が開いてくると交換します。毛先の開いた歯ブラシで歯を磨いても歯と歯茎の境目や、歯と歯の間に毛先が届かず、歯垢を落とすことができません。歯ブラシの交換の目安は1ヶ月に1回ですが、人によって力の入れ方や磨く回数によって、交換時期は変わります。歯ブラシの裏側から見て、毛先が横に広がっているようであれば交換した方が効率的に、歯垢を落とせます。

ポイント 歯ブラシはまっすぐで、硬さは普通のものを使う

歯ブラシは多くの種類が販売されていますが、基本的にはまっすぐで、普通の固さのものを使います。ただし、歯周病で歯が長くなっている方は毛先が多く、大きめのものがおすすめです。また、歯並びが悪い方には小さめの歯ブラシがおすすめです。口の中の状態によって自分にあった歯ブラシを使うことで、上手に歯垢を落とすことができます。

2.歯医者が行っている歯磨き方法

2−1.テレビを見ながら磨いている

歯医者は歯磨きの時に洗面台に向かって磨くのではなく、テレビを見たり、お風呂に入りながら磨いています。15分もの間、歯磨きのために洗面台に立っているのは意外に苦痛です。テレビを見ながら歯を磨けば15分なんて意外にすぐ経ってしまうものです。

2−2.磨く順番を決めている

毎回同じ順番で磨いていきます。他のことをやりながら磨いているとどこまで磨いたのか忘れてしまうことがあります。磨き残しを防ぐために毎回決まった順番で磨くようにします。

2−3.磨き残しを舌で確認しながら磨いている

きれいに磨けているところは歯の表面がツルツルしています。歯垢が残っているところは舌で触るとヌルヌルしています。舌で歯の表面を確認しながら歯を磨いていきます。また、舌の感覚がわかりにくい人は歯垢染色剤を使って、自分がいつもどこに磨き残しがあるか確認しながら磨くと効果的です。

3.歯医者がやっている歯ブラシの当て方

3−1.歯と歯ブラシが直角に当たる

歯と歯ブラシが直角に当たるようにして磨きます。歯ブラシを大きく動かさずに毛先がしなる程度に15回から20回程度動かします。1〜2本程度を磨きながら、順番を決めてずらしていきます。詳しくは「虫歯や歯周病を徹底的に防ぐ「歯磨き力」をつける6の秘訣」を参考にしてください。

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3−2.奥歯は斜めに入れる

奥歯など歯ブラシが届きにくいところは、斜めに入れたり、縦に入れたりして歯ブラシの毛先が当たっていることを確認しながら歯を磨きます。

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3−3.おすすめの歯ブラシ/ペンフィット

全国の歯科衛生士のアイディアを集めて作られた歯ブラシです。ヘッドが非常に小さく細かいところに届きます。毛先も細く歯と歯茎の間にも毛先が届き長いネックなので奥歯まで届きやすく握りやすい持ち手になっています。価格は270円、通販等で購入可能です。

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4.歯医者が行っているデンタルフロスのやり方

デンタルフロスは糸を歯と歯の間を通して、歯の根元から歯垢を4、5回かきあげるように行います。奥歯も含め、全ての歯と歯の間を磨いていきます。慣れれば簡単ですが、難しい方は糸ようじなどを使うと効果的に歯垢を落とすことができます。詳しくは「歯医者は絶対やっている!デンタルフロスで虫歯や歯周病を防ぐ方法」を参考にしてください。

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5.歯医者が行っている歯磨き粉の使い方

歯磨き粉の中には石鹸と同じように汚れを落ちやすくする成分や歯を強くする成分でもあるフッ素が含まれています。そのため歯医者はたっぷり目に歯磨き粉を使って歯を磨いています。また、歯医者によっては1回目は歯磨き粉を使わずに磨き、2回目に歯磨き粉を塗りこむように使う方もいます。歯磨き粉が苦手な方は歯磨き後にフッ素の洗口剤を使って、歯を強化することをお勧めします。詳しくは「汚れを取るだけじゃない?歯磨き粉の最も効果的な使い方」を参考にしてください。

5−1.歯磨き粉の量は1cm程度

歯磨き粉は歯ブラシに1cm程度のせた状態で歯磨きをしてください。歯磨き粉を使った方が歯垢は取れやすいです。歯磨き粉が苦手な方は歯磨き粉をつけずに磨いて、最後にフッ素洗口を行うと効果的です。

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5−2.おすすめ歯磨き粉チェックアップスタンダード(ライオン)

チェックアップスタンダードはフッ素濃度が950ppmあり、泡立ちが少なく磨きやすい歯磨き粉です。研磨剤もほとんど入っていないので歯の表面を傷つけないで磨くことが出来ます。値段は 500円、通販等で購入可能です。

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5−3.おすすめのフッ素洗口剤/フッ化ナトリウム洗口液0.1%(ジーシー)

フッ化ナトリウム洗口液はそのまま原液で使えるので便利な洗口剤です。歯磨き後に使うと歯が強化され、効果的に虫歯予防が出来ます。

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6.歯医者の多くは電動歯ブラシではなく普通の歯ブラシを使っている

電動歯ブラシを買って使っている時はいいのですが、電化製品のため壊れてしまうことがあります。定期的に買い換える必要もあり、面倒なことも多いのです。多くの歯医者は電動歯ブラシではなく、普通の歯ブラシを使っている方が多いのです。電動歯ブラシを使いたい方は歯のブログが行ったオムロンHT−B315メディクリーンの検証結果→「初めての方に歯のブログが推奨する電動歯ブラシ/オムロン音波式電動歯ブラシHT−B315メディクリーン」を参考にしてください。

7.歯医者でも100%歯垢を取れる人は少ない

いくら歯医者でも100%の歯垢を毎回完璧に取れる人はほとんどいません。にもかかわらず虫歯になる人が少ないのはメンテナンスやフッ素などを効果的に行っているからなのです。歯医者も他の方と同じように自分の歯を虫歯にはしたくないのです。詳しくは「歯医者で行うクリーニングの6つの疑問とセルフクリーニングの4つの手順」を参考にしてください。

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 まとめ

虫歯は削れば削るほど悪くなることを歯医者自身はよく知っています。そのためできるだけ虫歯をつくらないような歯磨き方を実践しています。もちろん人間ですので甘いものが大好きな歯医者や歯を磨けない時もあります。それでも虫歯が出来にくいのは虫歯が出来ないポイントを押さえているからなのです。

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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

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