歯ぎしりによって起こる怖い出来事/マウスピースがあなたの歯を守ってくれる

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

虫歯でもないのに歯がしみたり、何か物を噛むと痛くなったりすると不安ですよね。それは歯ぎしりかもしれません。

歯ぎしりは睡眠中、無意識に行われる癖のようなものです。歯ぎしりが強いと歯や歯ぐき、顎の関節に大きな負担をかけ、歯の痛みや知覚過敏、歯の揺れ、顎の違和感が出ることがあります。

そのままにしておくと歯が割れたり、顎関節症になることもあります。 歯ぎしりの原因はストレスと言われています。はっきりとしたことはわかっていないため、マウスピースを使って歯を守ることが多いです。

このページではこのマウスピース治療のメカニズムと使い方を説明します。ぜひ、参考にしてください。

1.歯ぎしりが起こす9つの破壊行為

1-1.歯の根元を砕いていく

歯ぎしりにより強い力が歯の根元に加わると、歯の堅いエナメル質とやわらかい象牙質の間に応力が集中し、歯が砕けるように削れていきます。 歯の根元の象牙質には神経とつながっている管があり、歯ぎしりでけずれることで神経とより近くなり知覚過敏を起こしたり、神経が死んでしまうこともあります。

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1-2.歯が削れ短くなる

歯ぎしりによって歯の噛む面が削れてしまい、歯が短くなっていきます。歯がしみるようになります。歯ぎしりは40~90分強い力で歯を削り、歯の長さは短くなり、神経に近づいて知覚過敏を起こします。人によっては神経が出てしまうまで、歯が削れてしまう方もいます。

1-3.歯を支えている骨が痩せていく

歯ぎしりによって歯が揺さぶられ、歯を支えている骨が溶けて歯周病になります。骨や歯ぐきにおおわれていた歯の根の部分が出てくることによって歯が長くなるように見えたり、知覚過敏になってしみるようにもなります。

1-4.歯が噛むと痛い、違和感がある

歯ぎしりによって歯が揺さぶられると噛んだときに痛みや違和感を感じます。歯には歯根膜という、噛んだ時に硬いもの、柔らかいものなど判断する膜があります。歯ぎしりによりこの膜に強い力がかかり、噛んだ時の痛みとして感じます。

1-5.詰め物が取れたり割れたりする

入れたばかりの詰め物でも歯ぎしりの強い力で取れたり、割れたりします。

1-6.歯が割れる

歯ぎしりによって歯の表面がかけたり、根元まで割れることがあります。神経のない歯や年齢が経っている歯は徐々に水分が失われ、枯れ木のように割れやすくなっています。歯ぎしりのような強い力が加わり、歯の根元まで割れると、噛む度に亀裂が広がり痛みます。

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1-7.顎が痛くなる

歯ぎしりによって顎の関節が強く圧迫されて痛くなります。顎関節は顎と頭をつなげている関節で、関節の間には関節円盤という軟骨が存在します。この関節円盤は顎をスムーズに動かす機能がありますが、歯ぎしりにより関節円盤が圧縮され、ずれたり、穴があいたりしていて、顎をスムーズに動かすことができなくなります。それで歯ぎしりによって顎関節症になり顎が痛くなったり、音がなったり、顎が開きにくくなったりします。

1-8.肩が凝る

歯ぎしりによって筋肉が緊張し、肩こりが出ます。歯ぎしりの間は無意識のうちに強い力で噛み締めます。その時、噛む力を出す筋肉は肩や首、頭の方まで繋がっており、その筋肉が緊張することによって肩や首筋が凝ったりします。

1-9.偏頭痛

歯ぎしりによって偏頭痛を起こすことがあります。歯ぎしりのとき動く筋肉の中には顎から頭の横まで繋がっている筋肉(側頭筋)があり、側頭筋が歯ぎしりによって緊張し、偏頭痛として現れます。

歯ぎしりによる歯への影響と歯ぎしり用マウスピースの作製をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらをご覧ください。

2.マウスピースの作用

2-1.歯や歯ぐきを歯ぎしりの力から守る

マウスピースは歯ぎしりから歯や歯ぐきに伝わる力を和らげ、直接歯に強い力が加わらないようにします。成人の噛む力は60kgに及びそれが毎日1時間近く歯や歯ぐきに加わることによって歯が削れたり、ゆれたりします。場合によっては歯が割れることもあります。この力をマウスピースを使うことによって分散し、歯や歯ぐきを守ってくれます。

2-2.顎の関節を歯ぎしりの力から守る

顎の関節には関節円盤という軟骨があり、この関節円盤がスムーズに動くことで顎の関節が動きます。歯ぎしりにより顎の関節に強い力がかかり続けるとこの関節円盤に穴が開いたり、変形したり、位置がずれたりして、痛みや音が鳴るようになります(顎関節症)。

マウスピースをお口の中に入れて噛むと歯と歯の間にマウスピース分のあごの関節にすき間が出来ます。このすき間は関節円盤にかかる負担を減らすことが出来ます。

2-3.歯ぎしりによる筋肉の緊張を和らげる

歯ぎしりの時に緊張している筋肉は口の周りだけでなく肩や頭などにも広がっていて、この緊張によって肩こりや偏頭痛が起こります。歯ぎしりは無意識のうちに1時間近く筋肉が緊張した状態が続き、筋肉が緊張した状態が続けば疲労がたまります。

マウスピースをお口の中に入れることによって、噛み合わせの高さが上がり、力の入りにくい位置に変わり、筋肉の緊張を和らげ、肩こりや偏頭痛をかるくします。

3.マウスピースの作り方(保険診療でできるもの)

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  • 歯医者でマウスピースの型を取る。基本的には上あごの型を取ります。気持ち悪くなってしまう方は下の顎の型を取る場合もあります。
  • 1,2週間後マウスピースが出来上がります。
  • 夜寝ているときに使います。違和感が強くて寝にくいときは日中1,2時間入れて慣れるようにします。
  • 2週間ほど使ってもらい、痛いところや違和感が強いところを調整します。
  • マウスピースは壊れないようにケースに入れておきます。ティッシュにくるんだり、そのまま置いておくと透明なためなくしてしまったり、捨てられてしまうからです。
  • 保険診療では半年以上たたなけれは作り直すことができません。大切に使用してください。

4.おすすめクリニック

4−1.横浜のおかざき歯科クリニック

ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
                     土          9:00~13:00 14:00~18:00 
     木・日・祝日:休診日

院長経歴

岡崎 弘典

マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/shougai/
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医 https://www.dent-kng.or.jp/iryou/sessyoku/
がん歯科医療連携登録医 https://ganjoho.jp/data/professional/med_info/dental/files/14_kanagawa.pdf
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任

4−2.新百合ヶ丘のアコルデ歯科医院

【ホームページ】 https://www.acorde-dental.com
電話番号 044-952-1555
住所 神奈川県麻生区上麻生1-20-1小田急新百合ヶ丘駅ビル5F 新百合ヶ丘駅から徒歩1分
【医療理念】 正確な判断と確実な治療を患者様に提供すること
【治療で心がけていること】とにかく患者様のお話を聞くこと、患者様とのコミュニケーションを大切にすること
【院長】永瀬 哲弥(ながせ てつや)
【略歴】1988年3月 城西歯科大学 卒業(現 明海大学歯学部)
       4月  医療法人社団 共友会
    1990年7月 アコルデ歯科医院開院
【資格】 日本歯科大学臨床研修指導医

まとめ

いかがでしたでしょいか。歯ぎしりはほっておくと歯や歯ぐきなどに強い力が加わり、徐々にそこが壊されていきます。原因はストレスとも言われますがはっきりとしたことはわかりません。

そのため現在ではマウスピースによって歯や歯ぐきを歯ぎしりの力から守る方法が選ばれています。歯ぎしりでお悩みの方は歯医者で一度相談してみてはいかがでしょうか。

注意: このページに記載されていることは一般的に起こることです。個人差が有りますので全ての人に起こることではありません。詳しくは歯科医院にてご相談下さい。

歯茎下がりは歯周病の始まり

歯周病治療

歯茎が下がると歯がしみやすくなります。あなたは大丈夫でしょうか?


これが歯周病の始まりなのです。


歯周病は虫歯と違って、重度になるまで痛みなどの自覚症状がないため、気付いたら歯が抜ける寸前だったということも少なくありません。歯を支える骨が溶けて、最悪歯を残すことが難しくなるケースもあります。


これから20年、30年、生涯にわたって自分の歯で過ごすためには、今が大切です。 ひどくなってしまう前に、いちど検診を受けることをおすすめします。



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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

コメント

  1. 千春 より:

    沢山の為になる情報を読ませて頂き勉強になりました。どうもありがとうございます。
    上の前から4本目(昔矯正で上下左右4本目抜歯したので普通の人の5本目)が抜歯要でブリッジを考えてますが、手前の犬歯がキレイな歯なので半分に削るのも抵抗があり、また犬歯は噛合せに一番大事な歯でもあり、奥歯5本目、6本目の2つと抜歯する4本目とのブリッジを考えてます。奥歯は3本も歯根ありますし、抜歯する4本目は小臼歯なので問題ないと思うのですが如何でしょうか。また歯軋りするので強度のあるフルジルコニアを考えてますが、セラミックの下の歯が破損しないか心配です。宜しくお願いします。

    1. 歯のブログ より:

      これはいわゆる延長ブリッジといわれるものです。
      通常、歯を失った歯の前後の歯をブリッジの土台にしますが、伸ばすようなタイプのブリッジを延長ブリッジと言います。
      延長ブリッジが安定する条件は延長されている(今回の場合は抜歯する歯)歯に大きな力ばかからないような噛み合わせであることです。
      フルジルコニアでも破折することがありますので、治療の際にはリスクを検討の上、行われるといいと思います。

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