原因不明の歯の痛み!虫歯じゃないのに歯の痛みを引き起こす8つの原因

あなたは歯が痛くなり、歯医者に行って歯の神経を取ったが痛みが続いている、違う歯医者に行って歯の根の治療を受けたが痛みは変わらない、痛い歯を抜歯しても痛みが残っている、このようにいつまでも治らない痛みに悩んでいるのではないでしょうか。

通常、歯の痛みの多くは虫歯や歯周病など歯が原因で起こります。しかし、実は歯が原因でなくても歯が痛むことがあるのです。例えば噛む筋肉の痛みや偏頭痛、副鼻腔炎、帯状疱疹、狭心症、うつ病など、歯とは関係ないにもかかわらず、歯の痛みを引き起こすことがあります。

歯が痛くて歯医者に行く人の3%は歯が原因ではないのです。そして、9%は歯とそれ以外の原因の両方の痛みが合わさっているのです。そのためいくら歯が痛いからといって歯の治療をしても、痛みはいつまでたっても変わらないのです。歯医者だけでなく、耳鼻科や循環器内科、ペインクリニックなどと連携しなければ、歯の痛みの原因はわからないのです。

今回は歯が原因ではないのに歯の痛みを引き起こす病気についてお伝えします。

1.歯以外で歯の痛みを引き起こす8つの原因

1−1.筋肉痛によって起こる歯の痛み

頬や頭、首の筋肉痛や血行不良により、歯が痛くなることがあります。歯ぎしりや食いしばりなどによって筋肉に痛みが出ると筋肉の痛みや痺れが広がり、主に奥歯の痛みが起こります。原因の筋肉には押すと痛みがあるポイントがあり、この部分を5秒間押すと歯も痛くなります。最も多いのが頬の筋肉(咬筋:こうきん)です。
痛い筋肉を安静にしたり、マッサージや温湿布で筋肉をほぐすことで歯の痛みも軽減します。

1−2.神経痛によって起こる歯の痛み

顔の神経痛や神経が傷つくと歯が痛くなることがあります。
三叉神経痛の場合は洗顔、髭剃り、歯磨きなどの時に鼻の脇などある痛みのポイントを触ると強い歯の痛みが数秒続きます。上顎の犬歯や下顎の奥歯に痛みを感じることが多く、瞬間的に電気が走るような痛みが出ます。
帯状疱疹の場合は、突然健康な歯に強い痛みが出て、数日間激痛が続きます。また、一時的な痛みは消えるまでに10秒程度かかる場合があります。夜も眠れないほどの痛みです。歯の神経を抜いたり、痛い歯を抜歯しても違和感や鋭い痛みが残る場合があります。
また、歯の根の治療の根管治療後や、親知らず抜歯後に続く痛みも神経痛による可能性があります。
歯医者では治ることはなく、ペインクリニックなどで専門的な治療が必要にります。

1−3.頭痛によって起こる歯の痛み

偏頭痛や群発頭痛によって歯が痛くなることがあります。
偏頭痛では上顎の奥歯がズキズキと痛むことがあり、下の犬歯にも症状が出ることがあります。歯の痛みは偏頭痛の症状である嘔吐感などと一緒に起こります。
群発頭痛では上の奥歯に歯の激痛が15分から180分くらいの間で起こり、突然なくなります。飲酒によって歯の痛みが出る場合もあります。
脳神経外科などで専門的な治療を行う必要があります。

1−4.副鼻腔炎によって起こる歯の痛み

副鼻腔の中の上顎洞(じょうがくどう)の炎症によって歯が痛むことがあります。上顎洞に炎症が起こると上顎の小臼歯や奥歯に冷たいものがしみたり、噛んだ時に痛みが起こります。上顎洞炎の18%に歯痛があります。また、同じように上顎洞癌によっても歯の痛みは起こります。口腔外科や耳鼻咽喉科での治療が必要になります。詳しくは「歯性上顎洞炎になる7つの原因と治療法/激痛や頭痛も引き起こす」を参考にしてください。

1−5.心臓病によって起こる歯の痛み

狭心症や心筋梗塞によって歯が痛むことがあります。下顎の歯が痛み、麻酔をしても痛みが消えません。歯の痛みは強く広い範囲に起こり、胸や背中に痛みが移り、死に至ることがあります。また、胸の圧迫感と連動して左右に強い歯痛が出ることがあります。早急に循環器内科等で治療を行う必要があります。

1−6.うつ病によって起こる歯の痛み

統合失調症やうつ病などの精神疾患で歯が痛むことがあります。精神疾患による歯痛は左右両方に出たり、歯の痛みが長く続いたり、痛みの場所が広がったり、心理的な状態によっても変化します。向精神薬の副作用でも歯痛が出ます。精神科での治療が必要となります。

1−7.原因がわからない歯の痛み

歯や歯茎に何の問題もないにもかかわらず急に歯が痛むことがあります。何の原因もなく歯や歯茎の痛みが数カ月以上続いたり、抜歯後続く焼かれるような痛み、根管治療後や歯を抜いた後半年以上も続く慢性の痛みなどがあります。ペインクリニック等での治療が必要になります。

1−8.その他の病気による歯の痛み

その他体の病気によって歯が痛くなることがあります。悪性リンパ腫、脳腫瘍、側頭動脈炎、成人T細胞性リンパ腫、顎骨内腫瘍、頚椎椎間板ヘルニア、コレステリン肉芽種、脳腫瘍、などにより歯が痛くなることがあります。

2.歯の痛みの原因を確認する方法

2−1.歯医者を受診し、歯に原因がないか確認する

歯の痛みの原因の9割以上は歯や歯茎が原因で起こります。虫歯や歯周病の有無を確認してもらいます。虫歯の確認のためのレントゲン検査、歯周病の検査、歯の神経の検査、CTレントゲンなどで歯が原因なのかどうかを確認し、必要であれば治療を行います。CTレントゲンの検査ができる歯医者であれば上顎洞炎による歯の痛みも判断ができます。

2−2.顔の周りの筋肉の痛みを確認する

顔の周りの筋肉を触って、痛みがないかどうか確認します。原因不明の歯痛の78.8%に頭から首の筋肉の痛みが一緒にあります。筋肉に痛みがあればマッサージや生活習慣の改善を行い、筋肉の痛みを取っていきます。

2−3.顔の周りの神経の痛みを確認する

顔の周りに神経にさわるような痛みがあるかどうか確認します。鼻の横や頬などを触ると歯が痛くなることがあります。また、帯状疱疹による湿疹なども確認します。神経の痛みが疑われればペインクリニックを受診します。

2−4.頭の痛みや胸の痛みを確認する

歯の痛みが出ている時に頭痛や胸の痛みを伴っているか確認します。頭痛や心臓が原因の場合、歯の痛みとともに頭や胸の痛みが一緒に出ていることが多いです。歯以外の体の痛みを確認します。歯に痛みが出る状態がない場合には脳神経外科や循環器内科も一緒に受診します。

2−5.原因がわからない場合

歯にも異常がなく、その他に痛みが出ていない場合は、精神疾患やその他の体の病気を疑う必要があります。原因は歯医者ではわからないため専門院での治療や診断が必要となります。

3.歯が痛かったが歯が原因でなかった相談例

3−1.歯を抜いた後、上顎洞炎だった症例

「上の奥歯が痛いので大学病院に行った。歯が割れていると言われ抜歯をしてもらった。しかし、抜歯後も痛みは治まらずCTレントゲンを撮影したら、上顎洞炎だった。」

今回の場合は歯が割れていたことによって上顎洞炎になってしまったのか、歯の状態は正常だったが抜かれてしまったのかはわかりませんが、できれば抜歯の前にCTレントゲンを撮ってもらった方が安心でした。

3−2.原因不明の歯の痛みが脳腫瘍だった症例

「歯が痛いので歯医者に行ったが原因がわからなかった。歯医者では経過観察になったが、頭も痛かったので脳神経外科に行ったら、脳腫瘍が発見された。」

今回の場合は歯医者ではわからない病気です。もし歯医者が原因もわからずに歯の神経を抜く処置などを行っていたら無駄に歯にダメージが加わっただけでした。

3−3.いろいろな歯医者で根管治療をしている症例

「歯に違和感が残り短期間にいろいろな歯医者で根管治療を繰り返している。治療をしても痛みが変わらない。」

今回の場合は歯が原因ではない可能性もあります。このまま根管治療を繰り返しても痛みが消える可能性は低いです。ペインクリニック等で専門的な治療が必要です。

4.原因不明の歯の痛みの治療が難しい理由

4−1.患者が歯が痛い原因が歯だと思い込んでいる

通常歯が痛いと歯医者に行きます。それは歯が痛い原因が歯に関連していると本人が思っているからです。もちろん、歯が痛い原因の9割以上は歯が原因のため正しい行為です。しかし、行った歯医者で歯が原因ではないと言われてもほとんどの方は納得せずに、他の歯医者に行くことが多いのです。思い込みが歯の痛みの原因の特定を難しくしているのです。

4−2.歯医者が歯が痛い原因が歯だと思い込んでいる

歯医者は歯が痛い原因を歯だと思っています。そのため歯の痛みを取るために歯の神経を抜いたり、抜歯をしたりします。それでも痛みが取れない時に歯が原因ではないのかと気づくことがあります。もちろん歯の痛みの原因である可能性のある治療はすべきですが、思い込みが過ぎると過剰な治療になってしまいます。

4−3.もともと歯が痛い原因を特定するのが難しい

歯が原因でない歯の痛みを特定することは多くの原因があるために難しいのです。一つずつ歯が痛い原因の可能性のあるものを確認していくため、多くの診療科での検査や診断が必要になります。それでも原因不明となる場合もありますし、時間とともに治ってしまうこともあります。

詳しく知りたい方は日本口腔顔面痛学会診療ガイドライン作成委員会編集「非歯原性疼痛診療ガイドライン」を参考にしてください。

まとめ

しっかりとしたかかりつけの歯医者を持つことが原因不明の歯の痛みを改善する近道です。かかりつけの歯医者で丁寧な治療を受けていれば、痛みの原因がある程度絞ることができます。
いろいろなところで歯の治療を受けているとその治療が正しく行われたかどうかは、新しい歯医者は見ただけではわからないことも多いのです。そこから歯の治療をやり直して、痛みが取れなければ他の原因を探すのです。かかりつけの歯医者で定期的なメンテナンスを受けていれば、早期に原因がわかる可能性が高まります。

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