歯のブログを書く私が勧める歯医者一覧

他院で抜歯と言われた歯を治療した3つの例

shutterstock_59295955

歯医者で抜歯しかありませんと言われたがどうにかして、この歯を残す方法がないかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。おかざき歯科クリニックでも多くの患者さんが同じ悩みを抱えて来院されます。もちろんすべての歯を残すことはできません。しかし、他の歯医者で抜歯と言われても場合によっては残せることもあります。今回は抜歯と言われた歯を残した3症例をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

1.歯の根の治療で治らず抜歯と診断された治療例

他院で根の治療を何度も行っていたが治らず、最終的には抜歯と判断されおかざき歯科クリニックに来院されました。奥歯の根の中は複雑で治療はとても難しくなります。根の中に白く見えるのが薬で、スカスカな状態なのがわかります。根の先には歯根嚢胞(しこんのうほう)という、根の中の細菌によって根の先の骨が溶けて黒くなっている状態です。

この歯の根は樋状根(といじょうこん)といって、根がすべてつながっている複雑な形態をしています。通常の根の治療では難しい治療になります。おかざき歯科クリニックでは3次元のCT撮影を行い、歯の根の形態を確認します。次に歯の根の治療中に唾液が入り込まないように隔壁(かくへき)という、プラスチックの壁を作り、ラバーダムというゴムのマスクを歯にかけます。歯科用マイクロスコープを使い歯の根の中を見ながら、感染してしまっている歯の部分を削っていきます。歯の根の中が綺麗になったところで最終的な薬を詰めて歯に冠を被せます。 

始めの状態と違い根の中は全体的に白い薬で詰められています。細菌が繁殖する隙間をすべて薬で埋めています。すぐには症状は無くなりませんが、3ヶ月から半年ほど経過を観察し、症状が無くなってから、土台を作り、冠をかぶせます。詳しくは「歯の根の先に膿が溜まる歯根嚢胞/8つの症状と治療法」を参考にしてください。

2.歯が割れてしまったので抜歯と診断された治療例

虫歯ではないのに急に歯茎が腫れることがあります。原因は歯が割れてしまったことです。他院では歯茎の腫れも大きく、抜歯と言われましたが一度治療をしてみることにしました。

見た目ではわかりにくいのですが、真ん中で歯が割れています。元々は歯の神経があった歯ですが、割れ目から細菌が侵入し、歯の神経は死んでしまい、歯茎の腫れとなりました。

歯の割れがこれ以上広がらないように歯列矯正用のバンドを歯の周りに固定しました。その後、歯の根の治療を行い、歯の中を綺麗にしてから、割れている部分を歯科用接着剤でつけています。症状が無くなってから歯に土台を作り、冠を被せています。詳しくは「歯が割れた!歯根破折の原因と治療法」を参考にしてください。

3.被せ物の中で虫歯が進行して抜歯と判断された治療例

プラスチックの被せ物の中で虫歯が進行し、歯茎や歯を支えている骨の中まで虫歯が広がっているため抜歯と判断されました。健康な歯の部分が骨の高さより3mm上になければ、歯に冠を被せることができません。それ以下で冠を無理に被せると、歯茎が腫れ膿んでしまうことがあります。

虫歯の部分を取り、健全な歯の部分を骨の上まで引き上げるように、部分矯正を行います。ワイヤーにゴムを掛け、3ヶ月程度で歯を引き上げました。

他の歯よりも根は短くなってしまいますが、周りの歯がしっかりしているので土台と冠を被せ、問題なく噛むことができます。

4.抜歯をすべき歯の判断基準

4−1.歯を残すことによって周りの歯に悪い影響が出る場合

抜歯と言われた歯があることによって、周りの歯まで抜歯をしなくてはならなくなるようであれば、早めに抜歯をしたほうがいいです。状態が悪い歯を長く放置し続けると、周りの歯まで抜歯しなくてはいけない状態になることもあります。歯のレントゲンやCTレントゲンで確認の上、抜歯すべきかどうか判断します。

4−2.歯を残すことによって顎の骨が溶けてしまう場合

歯を残すことによって顎の骨が溶けてしまい、その後の治療に影響が出る場合には抜歯をします。歯周病が重度に進行したり歯根嚢胞が大きくなると顎の骨が溶けてしまいます。抜歯後にインプラントやブリッジを行う場合、骨がなくなりすぎると、骨を再生させる治療が必要となります。そのため顎の骨を大きく溶かしてしまうような歯は抜歯します。

4−3.治療をしても改善の傾向が見られない場合

歯や歯茎の治療をしたからといって、すべての歯を治せるわけではありません。いくら治療を行っても膿が止まらなかったり、腫れを繰り返してしまう場合には抜歯が必要になる場合があります。特に根管治療は治療が長引いてしまうことがあります。歯の状態によっては抜歯を判断しなくてはいけなくなります。

5.状態が悪いが歯を残す方法

5−1.そのまま使えるところまで使う

歯は絶対抜歯しなければいけないことはありません。最終的な判断は自分で行います。状態の悪い歯を何もせずにそのままにしておく方法もあります。ただし、歯茎の腫れや痛み、口臭などが起こる可能性や周りの歯への影響を理解した上で、そのままにします。場合によっては自然に抜けてくれることもあります。

5−2.根だけ残して入れ歯を入れる

抜歯をせず歯の根だけを残してその上に入れ歯を入れる方法があります。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や重度の糖尿病などで抜歯ができない場合などに行う方法です。ただし、残っている根の周りは汚れが溜まりやすく不潔になってしまいやすいので、体調が回復してから抜歯するか、汚れがたまらないように丁寧に磨く必要があります。

まとめ

歯を抜歯するタイミングは人によって違います。治療後治らなかった場合、すぐに抜歯するのか、治らなくても使えるところまで使うのか、治療をせずに自然に抜けるのを待つのか。特に何の症状もない場合には迷いますよね。噛み合わせや治療の方法によって抜歯のタイミングは変わります。よくかかりつけの歯医者で相談をし、抜歯をするのかしないのかを決めるようにしてください。

歯のブログの購読はFacebookが便利です