歯の白い詰め物の治療/写真でわかるコンポジットレジンの治療手順

【執筆・監修】岡崎 弘典

おかざき歯科クリニック 院長

小さな虫歯を白い詰め物で治療したことがある方は多いのではないでしょうか。コンポジットレジンは保険内で小さな虫歯を詰めるときに行う治療法です。しかし、実際、歯医者でどのように自分の歯が治療されているのか心配になりますよね。治療方法が分かっていればどこまで進んでいて、あとどれくらいで終わるのか想像ができますよね。今回はコンポジットレジンの治療法を写真を使って説明します。ぜひ参考にしてください。

 

1.コンポジットレジン とは

どのような治療法か

  • 小さな虫歯の時に行う治療法です
  • 虫歯だけを取り除き、歯科用の硬化プラスチックのコンポジットレジンを歯に詰める方法です
  • コンポジットレジンはペースト状の軟らかいもので光を当てることによって硬くなります
  • 強度は弱いため噛む力が強い方や虫歯が大きい場合は金属やセラミックにする必要があります
  • 1日で15~30分程度で治療が終わります
  • 保険診療内で2,000円程度です

2.コンポジットレジンの治療法

コンポジットレジン治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

2-1.初診時

以前詰めたコンポジットレジンが欠け、すき間から虫歯になっています。

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2-2.レントゲン撮影

レントゲンを撮影し、虫歯の深さ神経までの距離を確認します。

 

2-3.古い詰め物の除去

ダイヤモンドのバーを使って、古い詰め物を削りながら剥がしていきます。

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ダイヤモンドバー

水を出しながら硬い虫歯や古い詰め物などを削る道具です。

 

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2-4.詰め物を取り去ったところ

中では虫歯が広がっています。

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2-5.虫歯の除去

耳かきのような物で虫歯を少しずつ取っていきます。

エキスカベーター

軟らかい虫歯や神経に近い虫歯を、慎重に取り除く道具です。

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2-6.う蝕検知液で虫歯を確認

虫歯を検知する液で確認します。赤く染まったところが細菌に侵されている歯の部分です。

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う蝕検知液

細菌に侵されている虫歯の部分だけを染め出す液です。何度かう蝕検知液で確認しながら虫歯を丁寧に取っていきます。

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2-7.虫歯をきれいに取り去る

色がついていてもう蝕検知液で染まらなければ、生きている歯質なのでそのまま残します。

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酸処理(エッチング)

虫歯を除去しきれいになった歯の表面を酸の液で洗います。唾液や取り除いた虫歯の破片などをきれいに洗い流します。酸処理5秒間、洗浄30秒間行います。

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2-8.接着剤の塗布

唾液が入り込まないようにストローのようなズ―(ZOO)で歯を囲み、接着剤を付けます。

ズ―

接着剤やコンポジットレジンは水分が付いてしまうと、接着力が失われ隙間から虫歯になりやすくなります。ズーを使うことによって唾液や呼気の水分を治療している歯に付かないようにすることができます。

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接着剤(ボンディング)

接着剤は歯の中に浸透するように塗っていきます。接着剤は歯とコンポジットレジンを接着する役割と、歯の表面をコーティングして知覚過敏や虫歯予防の役割もあります。

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2-9.光で固める

接着剤を塗布して30秒待ってから、光をあて固めます。

照射器

ボンディングやコンポジットレジンは光を3~10秒当てることによって固まります。以前は何分も固まるまで待っていなくてはいけなかったのが、飛躍的に時間が短縮されました。時間が短くなることによって唾液が付いてしまうリスクが下がります。

 

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2-10.軟らかいコンポジットレジンを詰める

気泡が入らないように軟らかめのコンポジットレジンを詰め、光をあて固めます。

 

フロータイプのコンポジットレジン

気泡が入ってしまうと虫歯になりやすくなるため、流れのいいフロータイプのコンポジットレジンを詰めます。

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2-11.硬めのコンポジットレジンを詰める

噛む部分には硬めのコンポジットレジンを詰め、歯の形にして光をあてて固めます。

ペーストタイプのコンポジットレジン

フロータイプだと擦り減りが激しいため、噛む部分にはペーストタイプのコンポジットレジンを詰めます。歯の色に合わせて色の違うコンポジットレジンを詰めていきます。

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充填器(じゅうてんき)

歯の溝や形に合わせてコンポジットレジンを詰めるものです。光を当て固まる前にある程度の形を整えておきます。

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2-12.歯の形を整える

ダイヤモンドのバーで余分なコンポジットレジンを除去し、形を整えます。

2-13.噛み合わせを確認する

赤い紙を噛んでもらい、噛み合わせが高いところがないか確認します。また、本人にも違和感等を確認してもらいます。多少の違和感であれば2週間程度使ってもらい、それでも違和感が残るようであれば、また調整をします。

咬合紙(こうごうし)

詰めたコンポジットレジンが高かったり、当たりが強かったりしていないか確認します。

 

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2-14.詰めたコンポジットレジンを磨く

砥石みたいなもので、詰めたコンポジットレジンを磨いていきます。

2-15.ダイヤモンド入りのブラシで磨く

溝の部分や細かいところまでつやが出るように磨きます。段差があったりすると着色が付きやすかったり、プラークがついて虫歯になりやすくなります。

2-16.治療終了

30分程度で治療は終了です。今回は麻酔をせずに行なっています。虫歯を取る際に痛みがある方は麻酔をして治療を行います。

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 まとめ

コンポジットレジンは乳歯の虫歯やすきっ歯、前歯などで多く行われている治療です。自分がどんな治療をされているか解っていれば、安心して治療を受けられるのではないでしょうか。

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【執筆・監修】岡崎 弘典

日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医

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