歯のブログを書く私が勧める歯医者一覧

風邪をひいたとき歯痛が起こる5つのメカニズムと症状の特徴

shutterstock_130712219

風邪をひいたときや、風邪が治った後、歯が痛くなった経験がある方もいるのではないでしょうか。虫歯かなと思って歯医者に行ったら、何もせずに薬だけ出て、終わってしまうことがあります。しかし、実は風邪をひくと歯が痛くなる原因があるのです。特に風邪をひくと上の奥歯が痛くなるのです。上の奥歯の根は鼻につながっている副鼻腔(ふくびくう)という空洞に接しています。副鼻腔に鼻水が溜まったり、炎症が起こる副鼻腔炎になると奥歯に影響が出るのです。今回は風邪をひいたときに歯痛が起こる5つのメカニズムをお伝えします。ぜひ参考にしてください。

1.風邪をひいたときに歯痛が起こる5つのメカニズム

1−1.上の奥歯の根と副鼻腔が近いため

上の奥歯の根は副鼻腔に近かったり、副鼻腔の中に突き出ていたりします。そのため風邪を引いたりして副鼻腔に粘液や炎症が起こると上の奥歯や鼻の横あたりが痛くなることがあります。通常風邪が治って、1週間も経てば落ち着いてくることが多いです。

上顎洞 のコピー 2

1−2.副鼻腔に溜まった鼻水などが歯の神経を圧迫するため

風邪をひいて鼻水などが出てくると副鼻腔内に鼻水などの粘液が溜まります。副鼻腔は通常、空気が入っている空洞ですが、鼻風邪などによって副鼻腔内に粘液が満たされると、副鼻腔内に突き出ている歯の根を圧迫します。そのため歯痛が起こることがあります。

上顎洞炎2 のコピー 2

1−3.副鼻腔の粘膜の炎症が歯の根の周囲に伝わるため

風邪をひくと副鼻腔内の粘膜に炎症が起こる副鼻腔炎になります。炎症とは細菌などの刺激によって血管が広がり、血管の中から免疫細胞が細菌と闘うために出てくることです。いわゆる腫れている状態です。歯の中にも血管があり、歯の中に炎症が広がると、血管が膨らみ、歯の神経を圧迫して痛みが出ます。風邪をひいて副鼻腔に炎症が起こると、その炎症が歯に伝わり痛みになるのです。詳しくは「虫歯じゃないのに歯が痛い上顎洞炎で起こる8つの症状と最適な治療法」を参考にしてください。

1−4.上の奥歯に歯根嚢胞(しこんのうほう)がある

上の奥歯の歯根嚢胞が副鼻腔に広がっていると風邪をひいたとき強い痛みが出ることがあります。歯根嚢胞とは歯の根の先にできる膿の袋です。副鼻腔に炎症や粘液がたまり、歯根嚢胞に刺激が加わると、急に強い痛みが出ることがあります。詳しくは「歯の根の先に膿が溜まる歯根嚢胞/8つの症状と治療法」を参考にしてください。

1−5.重度の歯周病がある

歯周ポケットの深い重度の歯周病の部分に歯痛が起こることがあります。風邪をひくと体の抵抗力が低下します。重度の歯周病の部分はいつも細菌と白血球などの抵抗力が戦っている部分です。重度の歯周病の部分は免疫力の低下によって歯痛や歯茎の腫れが出ることがあります。また、親知らず周辺の歯周ポケットも腫れが出ることがあります。詳しくは「写真でわかる歯周病/見えない歯茎の下では骨が溶けている!」を参考にしてください。

2.風邪による歯痛の症状の特徴

2−1.痛みは 2、3日で落ち着くことが多い

風邪が原因の歯痛は風邪の回復とともに2、3日で治ってくることが多いです。風邪の状態にもよりますが、副鼻腔の粘液や腫れが落ち着いてくると、歯痛も徐々に治ってきます。急に痛みが出て驚くかもしれませんが、まずは体調を整えることに専念してください。歯医者を予約して、治療に行く頃には症状が落ち着いていることも多いのです。

2−2.一本の歯ではなく全体的に痛いことが多い

歯痛は一本の歯ではなく全体的痛みが出ることが多いです。虫歯や歯周病の場合、痛みある歯は「この歯」と限定されることが多いのです。しかし、風邪による歯痛の場合はこの辺りとか、右側とか全体的で場所が特定できないことがあります。

2−3.歯が浮いている感じになることもある

風邪による歯痛の症状には歯痛以外にも色々な症状がでます。違和感、押すと痛い、歯が浮いた感じ、鈍痛など多くの症状があります。場合によっては歯の激痛として現れることがあります。虫歯や歯の破折などと鑑別診断が難しく、歯医者で治療を間違えてしまうこともあります。

3.似ている原因の歯痛

3−1.歯ぎしり

歯ぎしりは寝ているとき、無意識に歯と歯をすり合わせたり、食いしばったりすることです。症状は全体的に痛みが出ることが多く、場所を特定できない痛みになります。風邪による歯痛と同じ症状になるため間違われることがあります。歯ぎしりは日常生活の注意やマウスピースの使用で症状を軽減させます。詳しくは「歯ぎしりを引き起こす5つの原因と対処法/症状と治療法」を参考にしてください。

3−2.虫歯

上の奥歯に虫歯があると風邪による歯痛と間違うことがあります。通常の歯医者のレントゲンでは副鼻腔炎を診断することが難しく、痛みのある部分に虫歯があれば、原因を歯医者が間違ってしまうことが多くあります。しっかりと診断するにはCTレントゲンを撮影する必要があります。

3−3.歯周病

歯周病の症状は歯茎が腫れる、歯が揺れる、噛むと痛い、違和感、など多くの症状があります。歯周ポケットを測定し、歯茎から膿が出ていないかなど確認して、歯周病が原因かどうか判断します。

3−4.歯の破折

歯の破折は歯の神経が生きていても、死んでいても起こります。特に神経が残っているときの破折は痛みが強く出ることがあります。歯の破折の前には歯に亀裂が入っていることが多く、噛んだときの痛みや歯の違和感などの症状が出ることがあります。詳しくは「歯が割れた!歯根破折の原因と治療法」を参考にしてください。

3−5.三叉神経痛

三叉神経痛は顔や頬、下あごに出る神経痛です。痛みは強く一瞬から数秒続くものが多いため、風邪からくる歯痛とは痛みの強さが異なることが多いです。三叉神経痛は顔や皮膚に刺激が加わると痛みます。

3−6.帯状疱疹

帯状疱疹はウイルスによって起こる病気で、水ぼうそうなどを起こすウイルスの一種です。痛みは激痛になることもあります。痛みが出る場所は近いで、初期の症状では間違われる可能性があります。

4.風邪による歯痛の診断にはCTが必要

一般的な歯医者のレントゲンは虫歯や歯周病の状態を確認するために撮影するものです。そのため痛みの近くに虫歯や歯根嚢胞などがあると、痛みの原因と間違ってしまい、歯の神経の処置や抜歯が行われてしまうことがあります。CTレントゲンで痛みの原因を確認し、痛みが強くても薬で経過を見ることも必要になります。もちろんCTレントゲンですべての診断ができるわけではありません。

まとめ

風邪をひいて歯痛が起こったとき、歯医者に行っても何もされなかったり、痛み止めや抗生物質だけを出されたときは正しい判断だと思ってください。経過をみることはとても大切なことなのです。原因もわからず歯を削ったり、抜いたりする方が危険な行為なのです。

歯のブログの購読はFacebookが便利です